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邦題に曼荼羅とか付けてほしかったかも「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」

並行世界の自分という、完全にSFテーマの作品ながら、カンフーあり、下ネタギャグあり、シュールな光景ありの、本当に不思議な作品でした。
プロットは家族間の相互理解、隣人との相互理解など、とてもシンプル。ですが彼らの小さな選択から生まれた世界が本当にぶっ飛んでいて、映画でしか表現できない曼荼羅に飛び込む感覚を味わえます。
主演のミシェル・ヨー、キー・ホイ・クワンの演技は圧巻。様々な世界のエブリンとウェイモンドを表情だけで演じ分け、激しいアクションもやり遂げていました。

マルチバースから能力をダウンロードしますが、やはり外さないのが「カンフー」。ウェイモンドが序盤で激しいアクションで度肝を抜いてくれたと思ったら、中盤でカンフーの達人にして映画女優の自分をインストールするエブリンの動きに、感動すら覚えました。やはりミシェル・ヨーのカンフーの所作は美しいですね。
このカンフー、さらに途中で小指での修行を極め、小指一つで敵を倒す達人になったエブリンをインストールすることで、恐るべき小指神拳(勝手に命名)の使い手になる展開がさらに馬鹿馬鹿しくて胸熱で、テンションが上がりまくりました。

様々な人生を描きながら、最後は家族愛に落としてしまうのは、流石に保守的かな、と思いつつも、これもまた作品内の選択の一つ、と捉えてしまえば、問題なく楽しめました。

アカデミー 作品賞候補の作品として楽しむもよし、MCUでも流行りのマルチバース作品として楽しむもよし。そういえば昨年公開されたアニメ映画「君を愛したひとりのの僕へ」「僕が愛したすべての君へ」も、かなり近い作品でしたね。トンデモ度合いは本作が飛び抜けていましたが。

パンフレットは990円。表紙に動く目がついている特別仕様で、解説も多めで読み応えがありました。

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