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最高の最後をありがとう!「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME3」

MCUの中でも大好きなシリーズだったGotGの第3作にして完結編。前2作も他のMCU作品をほとんど知らなくても楽しめる作品でしたが、そのイズムは本作も健在。勿論インフィニティウォー及びエンドゲームでの顛末を知らないと、ピーターがガモーラを失った経緯が分からなくなりますので、どうしても知りたければそれだけ見ればいいのではないでしょうか。見ないなら見ないで、「IWでサノスの娘であるガモーラが彼に殺されたが、EGで過去のサノスが戻る際に一緒に連れてきた」ことさえ知っていれば、前2作とディズニープラスで配信されたホリデースペシャル(45分)を見ていれば問題なく楽しめると思います。
一緒に見に行った妻はその条件でとても楽しんでいましたので、もし予習を考えている方におすすめです。

さて、今回は以前からジェームズ・ガン監督が語っていたとおり、本作は今まで隠されてきたロケットのオリジンに迫るストーリーであり、ガーディアンズの最後の旅を描ききった作品になっていました。

まずロケットのオリジン。これは今回のメインヴィランである、ハイ・エボリューショナリーと深い関わりがありました。彼こそがロケットのオリジナルである動物を実験によって知能を与えていたのです。彼が実験されていた場所には、他にも動物実験によって知能を得ていた動物たちがいて、彼らとの檻の中での友情にもう、胸が熱くなりっぱなしでした。

序盤のアダム・ウォーロック戦で瀕死の重傷を負ったため、終盤まで彼の回想によって、そのオリジンが描かれていますが、その残酷さとハイ・エボリューショナリーの身勝手な所行に、なるほどこいつはMCUの中でも屈指の悪だと、序盤から殺意ましましになっていました。ここまでこいつ許せねえとなる悪役は久しぶりです。この怒りが中盤以降「あいつにも事情が……」となるのではなく、「こいつぜってえ許せねえ!!!」となる展開も用意されていて、いやここまでいくと逆に清々しかったです。

そしてガーディアンズ達の最後の旅。本作は序盤から結構ハイテンポで進みますが、その中で各メンバーたちそれぞれの成長が描かれます。ピーターは自分のオリジンである地球と残された家族への思い、ドラックスは父親としての自分といった風に。彼らが見つけた自分がやるべきことは、そのままチームの別れにも繋がってくるのですが、その流れがとても自然で、ラストを心穏やかに迎えることが出来ました。個人的にホリデースペシャルを経たドラックスの変化が心地よく、ラストのあの変化にとてもグッときました。
また、今回過去のガモーラとして途中加入した彼女も、何となく今のガーディアンズ達といい距離感と、ラベジャーズという新しい家族を手に入れたようで、これはこれで良い結末だったと思います。

宇宙を舞台にしたアクションは本作でも最高で。特にチームアップしての大乱闘は、スローの使い方も相まって、先日プレイしたPS5版のゲームを思い起こさせる最高のシークエンスでした。
ホリデー・スペシャルからガーディアンズの本部となっていた、ノーウェアを使った決戦シーンも迫力満点。巨大構造物どうしのドンパチは燃えますね。

また、楽曲遣いは当初のピーターが持っていたカセットという縛りが、2のラストでヨンドゥがピーターのために買っていたZuneになったため、幅広い年代での楽曲が使われるようになりましたが、シーンやキャラクターの心情に合わせた選曲は相変わらず素晴らしく、また私が鑑賞した字幕版では歌詞にも字幕を付けてくれたため、そのシンクロっぷりを堪能することが出来ました。楽曲の良さは特にクライマックスになると極まっていて、ラストシーンとミドルクレジットの楽曲は、ずっと好きで良かった、と唯々涙が流れるのでした。

ポストクレジット、「スター・ロードは帰ってくる」とお約束の文章は流れましたが、ガン監督がMCUを手がけることは当面無いでしょう。そういう意味でも長い旅の終わりとして、こんなに笑えて泣けて燃える冒険を描いてくれたことが本当に嬉しかったです。ガン監督、最後までありがとう!


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