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終末への覚悟「デッドデッドデーモン デデデデデストラクション」

結末について原作未読で挑んだ後章。
見終わった後は「え、これで終わり?」とちょっと呆然としてしまいました。

人類の終末は防いだものの、東京は崩壊して門出、おんたん達の家族や好きだった人は死に、結構じっくり描いていた方舟的な建造物も、何もしないまま爆発に巻き込まれ。後章では完全に異星人も誰も彼も殺すマンになっていた小比類巻君は何となく生き残り。
大葉君は何とか生き残り、たまたま生き残った門出、おんたんの元に帰ってエンディング。
緩い日常描写も最後まで続くも、痛みを抱えて彼ら、彼女らは生きていくエンド。
スッキリしない部分は多々あれど、それでも噛みしめていく間に、これはこれですごいもの見たかも、な気分になってくる不思議な映画でした。

とりあえず原作との違いを知りたくて、原作最終巻である12巻を買って読んだのですが、12巻の展開が丸々映画には無くてびっくりしました。原作では生きていた門出の父がかつておんたんが使った宇宙船の装置を使って、過去を変えて何となく平和になったエンドで終わっていました。
実際私も、後章のオチはこういう展開と想像していただけに、映画のラストは「これで良かったのか?」と考えてしまいました。

しかし前章で描かれた門出の取り返しのない過ちと、彼女の自死を帰るために選んだおんたんの過去改変は、そのためにどんな結末を迎えても門出のためなら後悔しないというもの。それならばこの結末から逃げるわけにはいかない。
天気の子もそうですが、本作ではよりハードに、主人公達が選んだ責任から逃げないことを描いていたと思いました。

本当にほろ苦い結末でしたが、それでも生きていく覚悟と希望を感じる物語でした。
作品世界にとても真摯に向き合った作品で、私は好きです。

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