作中の竜巻もパンフのスケールもでけえ!「ツイスターズ」
ヤン・デ・ポン監督作「ツイスター」は多分未見ですが、本作は別に前作の登場人物が再登場している続編ではないので、本作だけで問題なく楽しめました。
主人公である気象学者ケイトを演じるのははデイジー・エドガー=ジョーンズ。ベストセラー小説で私のその年のベストに上げたくなるようなミステリ「ザリガニの鳴くところ」の映画化で、主人公カイアを小説のイメージそのままに演じてとても気になる俳優の一人です。
彼女の相棒になる竜巻カウボーイ、タイラーを演じるのはグレン・パウエル。彼の出演作はまだトップガン・マーヴェリックしか見ていませんが、ちょっと嫌味な雰囲気と、意外とベビーフェイスなルックスで、見ている間に好きになってしまう、素敵な俳優ですね。主演作である恋するプリテンダーもチェックせねば。
そんな二人が立ち向かう竜巻描写は、オクラホマ州でのロケ撮影と、実際に観測された巨大竜巻を参考にして特殊効果によってつくられたそうで、迫力十分。実際に発生した竜巻を撮影したと言われても信じてしまうくらい違和感が無かったです。
さて、本作で登場した竜巻用語の中には、日本にもなじみのある単語と、日本人が関わって誕生した用語があります。一つは双子の竜巻が発生したときに言及された、フジワラ効果。東京帝国大学(現東大)の藤原咲平が1921年に発見、提唱した、二つの台風が発生した際に、渦の相互作用により通常と異なる進路を取る現象のことです。もう一つ、竜巻の被害レベルをEF0〜EF5で示していましたが、こちらの単位も日本人研究者である藤田哲也博士が考案したフジタスケールを改良された、EF(改良フジタスケール)となっております。こちら、私の実家がある北九州にある科学博物館スペースラボに藤田博士の功績や、実際に竜巻を起こす装置などが展示されていますので、もし北九州市八幡東区に来る機会があれば、是非お立ち寄りいただきたいところ。
まあそういう蘊蓄を抜きにしても、竜巻の被害描写や、それに様々な形で向かい合う者達の人間模様など、映画館で堪能すべき要素が詰まっている作品でした。
パンフレットは900円とお値段は普通ですが、B4サイズと最近のパンフではかなり大きい部類であり、巨大竜巻の迫力が伝わる紙面となっております。また、上記の藤原効果、改良藤田スケール(宇多丸さん、この2つは別人が提唱してますよ)についても詳細な解説が掲載されており、スケールが大きいだけでなく、主演・監督インタビュー、ライナーノーツ、日本人竜巻チェイサーのインタビューなど充実の内容になっていました。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?