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スタント愛溢れる快作「フォールガイ」

デヴィッド・リーチ監督と、彼が率いる87ノース・プロダクションズによるスタントマンを主役にしたアクション映画は、終始スタントへの愛に貫かれ、アカデミースタント賞を実現を渇望する内容となっていました。この部分だけでもう、本作を見に来て良かった、と思えるほど。
映画の華である派手なアクションは、CGが発達した今でも、主演俳優の影となるスタントマン・スタントウーマンの存在無しには成立しません。彼らは影なのですが、それにしたってもう少し光が当たってもいいんじゃない?というリーチ監督の思い、確かに受け取りました。

そんな作品なので、エンドロールはジャッキー映画などでお馴染み、スタントの裏側を紹介する映像が流れており、劇中で度肝を抜かれたアクションは、こういう感じに撮っているんだと、興味津々で見てました。デッドプール&ウルヴァリンといい、最近のハリウッド映画のエンドロールは楽しいですね。

演技面では、二枚目なのにとことんついてないコルトは、ライアン・ゴズリングにしかできないのでは?と思えるほどのハマり役でした。また、ちょっと天然ボケなヒロインであるジョディをエミリー・プラントが。最近だとクワイエット・プレイスやオール・ユー・ニード・イズ・キルなどで、心体共に強い女性を演じている印象が強かった彼女ですが、本作では可愛らしさも感じる元恋人役で、途中の映画の話なのか彼らの話なのかわからないシーンなど、コミカルな演技も魅力的でした。

ストーリーは予告ほど陰謀に巻き込まれる内容ではありませんし、映画愛、スタント愛が強すぎて展開が停滞してる部分も感じられましたが、その分悪役のロジックや解決法は分かりやすく、見終わってとてもスッキリした気持ちで劇場を後にできました。特に中盤のカーチェイスで活躍する犬のジャン=クロードがいい味出してました。

今回字幕版を鑑賞しましたが、アクション中心の映画ということもあり、またこっちのライアンは口下手なこともあり、英語も聞き取りやすく、字幕でもほぼ内容を拾っていたように感じました。吹替版は内田夕夜、園崎未恵など吹替の仕事も多いキャストなので、こちらはこちらで安心して鑑賞できるかと思います。

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