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鎮魂と再生と懐古と「ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー」

ティ・チャラを病で亡くしたワカンダを襲う危機に、残された者達が立ち向かうシリーズ第2作。

とにかく実際に演じたチャドウィック・ボーズマンが同様に病死しているので、喪失感を現実とリンクするのは、人によってはなかなか辛いかも。フィクションでこういう例は、あまり聞いたことが無かったので、最初にこれを聞いたときはかなりびっくりしましたが、作品として必要以上にエモーショナルには描かず、それでいて希望も描いており、上手くフィクションに昇華していたと感じました。

物語は、新たな敵としてネイモア率いるタロカンとの対決がメインとなっています。このタロカン、メキシコ先住民が海中生活に適応した種族となっており、共に奴隷として搾取された過去を持つ(ワカンダ国民ではなく、黒人全体として)人種同士が争わなくてはならないという、かなり辛い展開ではありました。
そんな中、憎しみにとらわれたシュリがどう相手を許し、ワカンダのために意思決定を下せる指導者になれるか、を正面から描いており、とても誠実な続編映画であると感じました。外見は華奢なシュリなので、皆の助けで一人前になる、展開かと思いきや、一個人としてしっかり重圧を受け止めており、やはりこの辺は今のジェンダーに即した展開ですね。
また、シュリがブラックパンサーになる場面で登場したあのキャラクターは、ある程度予想されていたとはいえ、やはりテンションが上がりました。

MCU映画として肝心のアクションも、ネイモアの足に羽がある故のトリッキーな動きが上手く表現されており、概ね彼が絡むアクションは見応えがあったと思いました。
一方でそれ以外のアクションは前作同様、それほど新鮮味は無く。これは直前に私がRRR観ていたから、というのもあるかと思いますが、やはり大作アクション映画である以上、その部分の工夫はもっとお願いしたいところです。

しかし、前作ブラックパンサーは、2018年の作品だったのですね。キャラクターが登場するたび懐かしい思いになるくらいに時間の経過を感じました。
特にエムバクから「ジャバリランド」の地名を聞いたとき、そう言えばブラックパンサー公開より前にけものフレンズ流行ったなあ、とか思い出して独りでにやにやしていました。

新キャラクターのアイアンハートも物語と見事にマッチングしており、個人的にはMCUフェイズ4の映画の中では一番好きな作品になりました。
今週はこれとすずめの戸締まりを鑑賞する方が多いと思いますが、私はどちらもおすすめだと思いました。どちらも映画館で観る価値がある作品です。


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