大学院を自主退学して1年

 修士課程を退学してから1年が経った。

 環境や心持がずいぶん変わってしまった。

 なんとかやっていこうという気持ちと、もう何もできないかもしれないという気持ちが綯い交ぜになって、日々は最低限の家事を済ませるだけで精いっぱいになっている。

 1年前と違って、実家暮らしから同棲生活に変化した。お互い調子の悪い時もあるが、うまく支え合って上手に暮らせていると思う。

 何もできないという気持ちと、生活はうまくいっている事実があって、中途半端な感じがする。やるべきことは何もできていないのに、仕送りで生活させてもらっているおかげでうまくいっているように見える。病気は良くなってきている。なのに一向に本を読もうという気は起きない。本が読めなければレポートも書けないし、「こんなんじゃ大学院に行っててもだめだっただろうな」と無駄に考えてしまう。休学していた期間を含めて3年間、論文を読まなければならない生活をしていたので、「たくさん文献を読まなければ」という思考が染み付いてしまっている。

 以前は、風呂に入ることすら難しいし、今後も何もできないと思っていた。だけど、実際生活だけはできるようになると、もっと欲が出てくる。当然時間も過ぎているので年も取ってきて、やるべき(できているべき)ことも増える。うつ病がそれらに追いついて回復してくれればいいのに、そうはいかない。あれもしなきゃ、これもできないといけないのに、とフラストレーションばかりが溜まっていく。こういう思いを抱える患者は多いんじゃないだろうか。

 ひとつずつでもできることを増やしていくことを課題にしよう。

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