見出し画像

要らないなんかは言わせない

私はモノを貯め込まない。収集癖もない。身のまわりには、気に入ったモノをひとつかふたつだけ置いておく生活が心地よい。

使わなくなったモノ、使えなくなったモノは "要らないモノ" として、売ったり捨てたりすることに躊躇はない。

私は、お気に入りの時計や靴やアウターをとことん使う。そして使えなくなったら捨てる。モノ自体には「長い間有難う」と深く感謝してから捨てる。そこに付喪神(つくもがみ) のようなものが居るとは全く思わないので、神に感謝するんじゃない。長年連れ添ったそのモノに感謝する。

このような考え方は、私の死生観から来ていると思うのだが、今日それは詳しく書かない。いずれ私の note のメインテーマ「老人かく生くべし」風味の記事に書くだろう。

※ちょっと前、20年近く愛用した "THE NORTH FACE" のダウンジャケット()を処分した。写真を撮り「お疲れ様」と声を掛けて、ゴミ箱に入れた。

袖口がほつれている。はじめはもっとゴールドっぽかった。そしてずいぶん痩せた。

本は読んだら手放したくなる。何故ならもう読んだから。そのくせまた読みたくなって再度買ったり、読んだことを忘れて二度買いして、読んでる途中に気付くこともある。 ※このことは細君から絶対怒られる。

若い頃に集めたレコードは、もう何年も前に二束三文で売り飛ばしてしまった。今とても後悔している。

私が捨てたくなるのは私の所有物だけではない。家のモノ、細君のモノでも、「要らない」ように見受けられれば捨てたい衝動に駆られる。

その思いが募ると、私は細君に「これ捨ててもいい?」と聞く。するとたいてい細君は不機嫌になり、"私が知らない間にそれを使った事例" や、"今後使う可能性" についての説明がされ、「却下!」の結論が下される。

ここまでは「要る要らない」にこだわる私の暮らしぶりを書いた。

だがこれは今日の本題ではない。導入部分が長くなり過ぎただけ。
生活はミニマリストの私なのに、文章にはまだ "削ぐべき部分" が多々ある。

*******

私はコロナを理由に職を辞し、その後生真面目に自粛を続けるうちにすっかり怠けグセが付き、3年を無為に過ごした。友人からは「ヒモ」呼ばわりもされた。だが最近やっと私は「働かなきゃ!働こう!」と考えるようになる。() はそんなことを書いた note の記事。いくつか励ましコメントをいただいた。

1月下旬から求職を始めた。自分を見つめ直してみると、売りになる資格も知識も能力もない (見つめ直さずとも判ってはいた)。営業職の神髄を極めた訳でもなく、系統立てた理論も持っていない。ただ自分の成功事例と失敗事例を語れるぐらいで、現役時代の経験などまるで役に立たない。

私の求職はいわゆるアルバイト。時給いくらのお仕事。細君から小遣いを貰って遊ぶ今の暮らしからの脱却が目標で、他に大きな志は無い。

【余談】2週間ほど前、NHKの「ドキュメント72時間」で大阪梅田の資格予備校の様子が放送された。そこには自分の将来を見据え、弁理士、社会保険労務士、公認会計士 不動産鑑定士、司法書士など様々な "〇〇士" を目指す方々がいた。漫然と憂うばかりで何の努力もしなかった私とは大違い。彼らは確かな未来を描いている。その慧眼と努力する姿勢に感服。

***

閑話休題。普通(?)の前期高齢者である私の求職活動の顛末を報告します。どなたかの参考になれば嬉しく思います。

〖公共施設の設備管理〗事前に電話で「経験は不問」と確認。履歴書郵送~面接~4日後「不採用」の電話連絡。理由は私の「経験不足」。「事前確認したのにー」と言いたかったが「相対比較なら仕方ないな」と飲み込む。最初から最後まで感じよく対応していただいた。

〖スポーツ用品チェーン店〗 ネットで応募~本部人事からのメールで面接日設定~対象店で面接 (履歴書無し)~「1週間連絡無ければ不採用」と言われ1週間待ったが連絡無し。募集要項に "シニア" の記載があったので応募したが、相手は「え!66歳⁈」 だったように思う。就職サイトでの "シニア" の定義は55歳以上で上限は?が一般的らしい。「連絡無ければ不採用」は普通のやり方なのか。私は釈然としなかったが。

〖外国語学校〗ネットで、履歴書、職務経歴書、TOEICの結果を付けて応募。募集記事の勤務頻度が分かり難かった為、それに関する質問を添えた~6日後メールで「書類選考で不採用となりました」の連絡。私の質問への回答は無し。回答の内容によってはこちらから辞退するつもりだったのに。

〖公共施設の予約受付センター〗ネットで応募~面接(履歴書持参)+一般常識テスト~9日後 郵送で「採用通知」をいただく。 

①~③の「不採用」にはショックを受けた。「使えない」「要らない」と判断されたのだ。「ほぼ最低賃金に近いアルバイトにすら、私は求められていない」という現実に呆然となった。④から採用連絡をいただき、何とか立ち直ることができた。

④はとても良い雰囲気の会社で、仕事にやりがいも感じたのだが、同じタイミングで友人から紹介された医療施設の仕事が先に決まり、結局④は辞退することになった。④の恩は忘れない。今後も陰ながら応援してゆく。

***

今回の求職活動で感じたこと。まず募集要項に「シニア」の記載があっても、どこまでの年齢が対象であるのか判り難い。また前述以外でこちらから辞退した2社も含め、何か不誠実な対応をされている感じをしばしば感じたのは、当方の僻みだったんだろうか。

老人にだって向上心はあり、期待されたほうがより伸びる。
雇用する側にも「老人を育てる」意識を持っていただくととても嬉しい。

4月から始まる私の新しい日々。まずは、ほんの「一隅を照らす」ことを考えて頑張ってみることにする。

要らないなんかは言わせない!
※タイトルは孫が大好きなB'zの楽曲からの発想です。

*****

【後記】本編は「要らないモノは躊躇無く捨てる私」が、今や「誰からも求められない要らないモノ」になってしまったと、前半の伏線を後半で上手く回収して皆さまに「ホッホー!」と言っていただく目論見でしたが、前半と後半がバラバラですっかり冗漫な仕上がりになってしまいました。残念です。

< 了 >


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?