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【要約】名著『スモールビジネスの教科書 実践編』武田所長

前作『スモールビジネスの教科書』があまりに良かったので、続編である『実践編』を読んだ。

前作が理論で、続編が実践である。「新規事業は基本的に多産多死」という言葉が述べられる通り、スモビジオーナーの全員が最初の事業では失敗もしくは撤退し、別のビジネスモデルへ転換し成功している点などが現実的で、前作では語られなかった現実のスモビジの姿が参考になる。

情報

  • ビジネスのアイデアは無から湧き出てくるものではない。大量に儲かっている・儲かっていない情報を知り、そこから発想するものなのだ。

  • 断定的な言い方になるが、私が知っている成功したスモビジオーナーでコミュニティを使い儲かる情報交換をしていない人は誰1人としていない。

  • 繰り返しではあるが、ほぼ全てのスモビジオーナーは「何が儲かるのか」という情報を手に入れ続けることを重視している。

情報源

  1. コミュニティ

  2. デスクトップリサーチ

  3. インタビュー

  4. 勤務先(インターン、社員)

新規事業は基本的に多産多死

  • 多く産んでその中のほとんどは早期に撤退するが一部が生存し、その生存したビジネスに対して集中投資をしていくということが基本である。

  • 事前の検討に力を入れるよりも高速で試行錯誤し、ダメなら撤退、いけそうであれば追加投資を続けていくと言うサイクルをいかに高速で回し続けられるかが重要なのだ。

  • 撤退判断ができないのは、情報収集不足か、目標を明確に描けていないかのどちらかである。

事業着手の優先度を決める3つのポイント

  1. 性格に合っているか

  2. 個人の強みを使えるか

  3. 市場環境が良いか

  • 既に書いた通り、1事業の寿命は長くないのだ。既存事業で儲けながら余裕がある間に新規事業開発に取り組む。常に両輪で取り組んでいくべきだ。

  • まずはリスクが低いビジネスで参入し、業界に慣れる。そして徐々に独自性の高いビジネスに移行するのが基本である。1歩目から派手な独自性を追求すると、ほとんどが失敗に終わる。

  • この安定した稼ぎを生み出すには、「大きくスケールしづらいが最初からある程度儲かる」ビジネスを持つとよいだろう。

  • 基本的にはこの安定事業を通して顧客や商材のことを学びながら、次のステップを目指すという二段階で考えるとよい。

ビジネスタイプ

一歩目として最もやりやすいビジネスは受託(開発、コンサル、アウトソーシング)、仲介、営業代行、メディアのように、身一つで開始出来るビジネスである。

勿論、事業の効率は悪いところから始まるが、最初から効率のよい事業を初心者が開始することは出来ない。

金をもらいながら修業する段階と考えよう。

独自性が高いサービスの生存率は極めて低い

他人との差分が大きければ大きいほど、売れれば利益の源泉にはなるのだが、売れない可能性も同時に高まっていく。

最初は比較的低い利益率であっても確実に売れるということを重視しよう。

セグメント

  • 基本的に初期は幅広いセグメントを探り、試行錯誤を繰り返しながら注力するセグメントを発見するしかないと考えたほうがよい。

  • 「自分・自分たちの強み」はセグメントを選定するにあたり無視出来ない要素である。前作でも繰り返し書いたことであるが、スモビジの強みは属人性を武器と考えることである。スケーラブルなビジネスを目指すと属人性は悪とされる。しかし、属人性とは「あなたにしか出来ない」ということであり、超え方を変えれば競争力なのである。あなた、もしくは自分たちにしか出来ないことがある。

持続可能な優位性の作り方

  1. 逆張りを狙う

  2. 調達で差を生み出す

  3. 時間差を狙う

  4. パートナーで差をつける

  5. 競合が手薄な地域を狙う

変化が遅いというスモビジというのは、重要な競争力を失っているのだ。

あえて極端に言うなら、「サービスや商品」と「営業・販売チャネル」の重要性は、同等程度と認識する位で良いだろう。

この次は、組織を作り上げ、改善し続ける半自動運転状態を目指していこう。

FAQ

  • 撤退の基準:「思い描いた姿が実現できない」と判断したタイミングである。撤退をする際は、明確にサービスをクローズすると言うより、そちらに投下している人員や自分の時間を減らしていくと言う場合が多い。

  • スモビジにとって人とのつながりは極めて重要である。むしろ多くのスモビジは人脈に依存して維持しているという方が適切なほどだ。良質な顧客及び供給者と積み上げた、信頼関係が人脈と呼べるのである。

  • 成果と投下時間は如実に比例する。だからこそ、突破口が見つかった際には、まず時間を投下することを意思決定すべきなのだ。儲かりそうなビジネスを探査・発見、コピーから参入し学習、独自性を発揮し、より大きな突破を図ると言う動作が基本である。

あとがき

本書の内容については是非、スモビジを実行しながら取り組んでみてほしい。

「十分学んでから」実行するのではなく、学習と実行を同時にしてほしいのだ。

スモビジの場合、よほど下手な戦略で始めない限り、成功を決めるのは「実行のスピード」である。

本書に記載されている基本に忠実であることを意識しながら、自分が出せる全速カでスモビジを実行してほしい。

本書が1つでも多くのスモビジ成功の役に立てば幸いである。

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