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未来のことなのに現在形?|動詞 + on/for/-ingのニュアンスの違いとは?

質問

こんにちは💡
『TOEIC 公式問題集5』 Part 3の、leave onについて質問をさせていただけますでしょうか。
I can't send or receive text message. I leave on a work trip tomorrow, and I need to be able to text my colleagues while I'm traveling.
1️⃣なぜ未来の事なのに現在形で表すのか、アドバイスをいただけますと幸いです💦

2️⃣leave onのニュアンスについて
また、leaveは自分が対象物?から離れる感じ、何かをほったらかしてどこかに行くと言うイメージで捉えています。なので leave for Japanの場合は今いる場所をほったらかして日本に向かって (for)、と言うことで日本に出発すると言う認識をしています。

この leave onのニュアンスが掴みづらいのですが、onは〜に従事して、目的・要件での onだと思いますが、“〜に従事するためにある場所を離れる(出発する)”といった風に認識すればよいでしょうか?🤔💧

3️⃣ go on/go for/ go ingについて
https://www.vocaboost.net/go-to/
このサイトの画像をお送りします。
〜に行くといった表現には違いがあるかと思いますが、“go to 場所”はわかりやすいのですが、for や onや -ingの本質的な違いがわからず、どのように捉えれば良いか、ガリレオ先生のお考えを聞かせていただけませんでしょうか。

onは接触なのである程度の時間が続く感じ、forは少しの時間で終わる動作を求めてちょっと出かけるといった感じ、-ingはその動作を場所として捉えている印象を受けました。

宜しくお願い致します。

ガリレオ流・回答

1️⃣なぜ未来の事なのに現在形で表すのか

実際に出来事が発生するのは未来のことであっても、発話時=現在の時点で公的に決まっている予定 (scheduled future)は単純現在形で表すことが可能です。

典型的には、公共交通機関の運行スケジュールなど、決まった日時に繰り返し発生する出来事に言及することが多いのですが:

My train leaves at six p.m.
→ 自分の都合とは関係なく、鉄道会社の決めたダイヤに従って公的に「6時発」と決まっている。

以下のようなスポーツの対戦日程も単純現在形で言えます:

Chelsea play Manchester next Saturday.
「チェルシーは次の土曜日にマンチェスターと対戦する。」
→ フットボール協会などによって、仮にトーナメントで勝ち上がった結果としても、対戦スケジュール自体は予め公的に決まっている。(なお、チームを個人の集合体と捉えているため、動詞は playと複数で一致している。)

ご質問の文脈でも、work trip=出張ということは、少なくとも会社や取引先との間では「公的な予定」として組まれているスケジュールで、心理的には発話時にも既に成立している感覚が話者の中で発生しうるものであるため、単純現在形が選択されています。

ちなみに、この用法は無条件に使えるものではなく、実際に出来事が発生する未来の時点は文脈の中で明示される必要があります。ご質問の例では tomorrowという語の存在により、scheduled futureを表す単純現在形であることが聞き手にも了承される形になるわけです。

2️⃣leave onのニュアンスについて

3️⃣の質問とも関わることですが、ここでの質疑応答のやりとりとして便宜的に「この leave on ~は…」と言うことはあるにしても、英文法的には今回の leaveと onはまとめて捉えない方が良いです。

つまり、

I: 私は / leave: 出発する / on a work trip: 出張に / tomorrow: 明日

のように、leaveと onが何らかの文法的なまとまりを形成しているわけではなく、ここでの onはあくまでも前置詞として a work tripという名詞句を従えて前置詞句を作っているのです。

その前提に立って、動詞 leaveと 前置詞 onのニュアンスをそれぞれ考えていけば良いかと思いますが、まず leaveに関しては「何かをほったらかしてどこかに行く」で基本的に問題ないと思います。ただし、このようなコアイメージというものは、多義語の様々な意味合いをできるだけ柔軟に取り込めるように1つにまとめて表すという側面を持っているので、当該文脈ではどの部分に焦点が置かれているか?と一歩踏み込んで考えるとより良いでしょう。今回の場合、出張に行くからといって「何かをほったらかして残す」という意味は薄いでしょうから、「離れる・出発する」という部分だけに注目すれば充分と言えます。

他方、onに関しては、やはりコアイメージである「接触」からの派生で「目的・要件:〜に従事して」というニュアンスで捉えて結構だと思います。ですので、ご質問の「“〜に従事するためにある場所を離れる(出発する)”といった風に認識すればよいでしょうか?🤔💧」というところで問題ないでしょう。

onは「接触」イメージの通り、「主題としてピッタリくっついて離れない」というような感覚が伴うものです。

a book on physics → 物理学の専門書
a book about physics → 一般読者向けの物理学の本

ご質問の文の on a work tripも当然「出張」が主目的ですし、3️⃣の go on {holiday / a trip / a tour / ... / strike / vacation など}について先に答えますと、やはり onの後に来るのは主目的と考えられる活動であり、したがって時間的な接触感=「ある程度の時間が続く感じ」に繋がるのも不思議のないことです。

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