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appear, look, seemのニュアンスの違いは?|【ガリレオ流】違いのわかる英語の授業
appear, look, seemは、共に SVCの文型で用いられ、「SはCであるように見える」というような意味を表す。
しかし、全く同じ意味を表すのであれば、わざわざ 3つも動詞が存在する必要もない。今回の記事では、以下の (1)~(3)の例文に見られるような appear, look, seemのニュアンスの違いについて解説します:
(1) The baby appears (to be) hungry.
(2) The baby looks hungry.
(3) The baby seems (to be) hungry.
appear: 外観はそう見える(だが実際は違うかも)
appearは seemや lookに比べるとフォーマルな語であり、ガリレオとしては、特に論文などで appear(および派生語の apparent/apparently)が使われている場合には、後に butや howeverなどの逆接を表す語が続くことを予測して読みます。
つまり、appearのニュアンスとしては、「外観としては〜のような印象を与える」という意味を伝える一方で、「実際にはそうではないかもしれない」という含みを持つ場合が多いことを押さえておくと役に立つでしょう。
He appears to be a perfectly normal person (= but there is still some reason to suppose that he might not be).
「彼は至って普通の人に見える(=だが、ひょっとするとそうではないかもしれない、と思う理由もある)」
'seem'の項;日本語訳・太字強調はガリレオによる
look: 外観から判断・実際もそうらしい
lookも appearと同様、外から観察して得られる印象を元にした「〜であるように見える」という判断を表しますが、「実際もそうである」という含みが多いというニュアンスの違いがあります。
You look angry — what's the matter?
「怒ってるみたいだけど…どうしたの?」
518:1 'look'の項;日本語訳・太字強調はガリレオによる
seem: 主観的な印象・判断
appearや lookが話者/筆者の視覚的情報に基づいた印象・判断を述べるのに対し、seemは話者/筆者の頭の中から湧き上がってくる主観的な印象・判断を示します。
He seems older than he is.
「彼は老けて見えます。」
576:2 'seem'の項;日本語訳・太字強調はガリレオによる
【補足】 To be, or not to be…
‘appear/seem + C’と ‘appear/seem to be C’のニュアンスの違いとは?
(1)と(3)で示したように appearと seemについては、後に補語 (C)を直接取る形と、to beを続けてその後で Cをとる形が可能です。
Practical English Usage (4th eds.)によると:
・seem to be → 客観的事実 (objective facts)に基づく判断
(4) The doctors have done the tests, and he definitely seems to be mentally ill.
「医師が検査をしたところ、彼は間違いなく精神疾患を抱えているようです。」
・seemのみ → 主観に基づく印象 (subjective impressions)
(5) It seems crazy, but I think I'm in love with my bank manager.
「バカみたいだけど、銀行の支店長が好きになっちゃったみたい。」
576:2 'seem'の項;日本語訳はガリレオによる
また、『英文法総覧 大改訂新版』にも、以下のような解説が載っています:
(6) He seems sick.
「彼はどうも病気のようだ」
→ 直接本人に会っている場合のみ用いられる。
(7) He seems to be sick.
「彼は病気らしい」
→ 直接本人に会っていなくても良いが、そういう判断を自分で下している。
p.527;太字強調はガリレオによる
両書をまとめると要するに、‘to be’を挟んだ形の方が、より客観的に一歩引いたところから判断を下しているニュアンスを帯びるのに対し、‘to be’を伴わずに直接 Cを取る形の方が、より直接的で主観に基づいた判断を述べるニュアンスが強いということが言えるでしょう。
※ただし、この区別は厳密なものではなく、どちらで言ってもニュアンスが劇的に変わるほどのことではありません。
参考文献
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