be to不定詞の使いどころとは?
質問
特定の英文の内容についての質問では無いのですが、be to 構文は具体的にどういう時に使うのかについてアドバイスをいただけますでしょうか。
be to 構文は以前スタディサプリで学び、このたび新しく使用する教材にも出てくるので改めて復習と準備をしているのですが、もし生徒さんに具体的にどういう時に使うのかと聞かれたら答えられないことに気が付きました🙁
文法書(表現のためのロイヤル英文法や関先生の本)には「助動詞と考えることもできる、やや改まった感じの言い方である、〜することになっていると訳す」とあるのですが、普通に助動詞を使用するのではなくあえて be to 構文を使用するのは改まった表現にするためなのでしょうか、そしてあまり話し言葉では聞いた印象がないのですが、主に書き言葉で使用されるのでしょうか。
YouTubeでスピーチのようなシュチュエーションで be to 構文を使用している動画を見つけたので話す時にも使うのだなと思ったのですが、主に書き言葉で、スピーチなど改まった場面では使用することがある?改まった表現にするために使用する?といった感じなのかと想像しているのですが、シチュエーションについてアドバイスをいただけますと幸いです💦
宜しくお願い致します。
ガリレオ流・回答
まず be to不定詞は「不定詞部分の表す行為に向かう(to)状態の中に存在する(be)」という構成になっており、よってベースは「〜することになっている」と考えて成立しやすい形になるのです。
そして重要なのは、本人の意思とあまり関係なく「〜する方向に存在する」と言えるところにあり、これが改まった感じに通じます。
助動詞は全く逆で、話者の主観表現となるものです。”You can do it!” は主観的判断で励ましにもいえますよね。
対して “The president is to visit Nigeria next month.”という be to不定詞を用いた場合、presidentや話者の意思は関係なく、【公的な予定】というニュアンスが強く出ます。これが個人の旅行・訪問予定であるならば、be to不定詞は用いずに、予定の確定度に応じて他の未来表現を使うことになるのです。
Iや weなどが主語でも be to不定詞は言えるのですが、以下の例文も状況を考えてもらうと予定そのものは公的なスケジュールであることがわかります:
I felt nervous because I was soon to leave home for the first time.
「進学・就職などで」初めて実家を離れることになっている
また、話し言葉でも場合によっては使えます。親→子への注意として以下のような例があります:
You’re to do your homework before you watch TV.
これも話者である親の意思を乗せずに「宿題をすることになっている」と言うことで、押しつけ感を出さずに(少なくともそこを隠して)子供に宿題を促す効果が表れるわけです。
【意思のニュアンスを出さずに】「〜することになっている」と表現できるところが本質的なポイントということになります。
質問者さんより(追加質問)
こんにちは!
そのようなニュアンス、また助動詞とはそのような違いがあるのですね、ありがとうございます😄💡
一点すみません、be supposed to ~のニュアンスに近く、それより丁寧な言い方という印象を受けたのですが、いかがでしょうか?💦
ガリレオ流・回答②
確かに be supposed toは似てますね。丁寧と言っても良いかとは思います。
be supposed to doは受動態なので「〜によって」が隠れているわけで、この場合は “according to the rules or the law”の意味合いがあり、I/we以外に対して使うと権威に基づいて促す感じもあります。
その意味で be to不定詞の方が丁寧というかニュートラルな感じと言えるでしょう。
次の Sherlockの名シーン集 (BBC One) 1:33~に、警備員が Sherlockの変装であると明かされた女性が ‘Am I supposed to be impressed?’と言う場面があります。
WOMAN: Who are you?
SHERLOCK: Sherlock Holmes.
W: Am I supposed to be impressed?
S: You should be.
この文脈ですと、be to不定詞 (Am I to be impressed?)では「公的に決まっている」というニュアンスが強すぎて不自然と考えられます。他方、実際に発せられた ‘Am I supposed to be impressed?’というのは、名探偵として名を馳せる Sherlock Holmesと予期せずして相見えることになった瞬間に、「それで、感銘を受ける(お会いできて光栄と思う)べき?」と、一種の ‘権威’を持つ存在と捉えられる相手である Sherlockに対して、「感銘を受けたような反応を見せることでも期待しているの?」といった気持ちを込めて発したセリフとなります。やはり、受け身表現である be supposed to doでは、supposeしている主体が(暗に)意識されると考えると良いでしょう。
対する Sherlockの ‘You should be.’も興味深く、「〜すべき(感銘を受けるべき)」と義務を表す用法・「〜であるはず(実際に感銘を受けているはずだ)」と推測を表す用法…の「どちらか?」というよりは、両方のニュアンスが込められた shouldという助動詞のコアイメージが活かされているように感じます。この応答に選ぶ助動詞は shouldであるべき、というところですね (^^)
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