見出し画像

「間違ってたら怖いから」 thatを省略できない英語学習者へ

質問:仮定法現在の場合のthatについて

仮定法現在で insistや orderや recommendなど命令系統の動詞又は形容詞が来た場合、that節の中の動詞は人称に関わらず原形になりますが、この thatは省略することはできるのか、教えていただけますでしょうか。

コーパスで insistなどの例文をいくつか見て省略されていると思われる英文もいくつか見つけたのですが、確信が持てずにおります。

宜しくお願い致します。

ガリレオ流・回答

結論:thatの省略可能です。

『ロイヤル英文法』の「§381 (4) 接続詞 thatの省略」にて、

動詞の目的語になる名詞節を導く thatは口語調では省略されることが多い

と記載があり、参照先に挙げられている§291- 1️⃣ -(3) 注1 (b)に以下の例文が掲載されています:

They demanded (that) the passage (should) be deleted.
「彼らはその一節を削除するように要求した。」

つまりは、仮定法現在かどうかにかかわらず、【V + that節】の thatは原則的には省略可能と考えていただいて差し支えありません。

thatを省略してはいけない場合とは?

逆に、thatを「省略してはいけない場合」は、どんなものがあるのか?という視点で補足しますと、まず「等位接続された 2つ目の that節を導く that」が挙げられます。こちらについては note移行前のブログで記事にしてありますので、以下のリンクよりご覧ください:

また、筑波の大学院時代の先輩が、かつて日本英語学会にて that節の振る舞いをテーマにご発表をされていました。それに基づくと、murmur, scream, wisperのような「発話様態動詞」に後続する that節の場合、thatの省略が容認されにくいとされています:

Mary murmured *(that) it was a mistake.
【注】*(that)  = thatが無いと非文。

しかし、thatの省略が完全にダメというわけではなく、‘I shouted I would clear it.’ のように、発話様態動詞 shoutに後続しながら thatが省略されている例も存在することが指摘されています。

ここから先は

839字

¥ 2,000

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?