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"自動詞+to不定詞"は何用法?

質問

自動詞のあとのto不定詞について
(TOEIC公式問題集6より)

He has always aspired to help run an international company.

以前* look to~の不定詞の用法についてご質問させて頂き、あえて分類をすると名詞的用法とお答えをいただきましたが、aspire to~という自動詞+不定詞で「〜すること」と訳す英文にまた出会い、改めてご質問させていただきたく思っています。
(*注:Polyglots協業時のアプリ内での質疑応答機能を用いたやりとりです。)

私のスクールでは不定詞の基礎として名詞的用法、形容詞的用法、副詞的用法があり、名詞的用法はSOCの英文の骨格の一部になっていている、対して「〜するために」といった副詞的用法はMになっています。と言った感じでレッスンをするのですが、

例:
<To study> English is fun.
My dream is <to become a soccer player.>
I want <to see> the new movie.
→to seeは他動詞 wantの目的語だとレッスンします。

なので look to や aspire toで自動詞にto不定詞がついてなぜ「〜すること」と訳すのですか?といった質問がもしあった際には、以前ガリレオ先生に回答でいただいたように、必ずしもこの3用法で分類できるものでは無いのだという説明で良いのか悩んでいます👀

これ以外にも、何用法かはっきりと分類しかねる英文に出会うことがありますが、そもそもの不定詞の捉え方としてTOEIC学習者にガリレオ先生だったらどのようにアドバイスをされますでしょうか。3用法の基本を捉えつつも、あまり深く考えすぎないようにとアドバイスされますでしょうか。

ガリレオ流・回答

まずガリレオの考え方としては、aspire to ~の to不定詞句がどのような要素と並行的か?ということを検討します。そうすると、動詞 aspireには「to不定詞」と同じように「to+名詞句」を従える用法もあり、書き換えても意味がほぼ同様になることが確認できます。

aspire to fame ≒ aspire to be famous
名声を熱望する

英語の歴史的にも to不定詞とは【前置詞 to + 動詞的名詞 (動詞&与格語尾)】から発達したものですので、aspire「熱望する・求める」の気持ちが向かう先を導くにあたって、その対象が名詞句で表すことのできる物事であれば前置詞 to「〜すること」に相当すれば不定詞の標識 toと袂を分かつにしても、元は同じ布地で繋がっている感覚があるものなのです。

ですので、学習文法的に分類するとなれば、aspire to fameの to fameと同様に扱うのが妥当となるので、一般的に言うならば Mという説明になる=副詞的用法と分類するのが良いのかな、という印象です。

※ただし aspireは「気持ちが向かう先」を情報として求める動詞となるので、動詞を修飾する副詞的語句 Adjunctを伴う SVAの文型で考えた方が良いとは思います:

生徒への教え方について

名詞/形容詞/副詞的用法の3分類は基礎として解説する必要と重要性はあると思いますが、まず日本語訳との対応関係に頼りすぎた説明をしてしまうと、今回のような SV+to doや SVO+to doの処理の際に歪みをきたすことになります。

ガリレオ自身としては、典型的な to不定詞の用法以外のものであっても、それぞれが何用法であるのか?というところまで上に示したような分析手法 (置き換えテスト)などを用いて深く考えますし、それこそが仕事なのですが、学習者にとっては分類そのものよりも例えば "aspire + to 名詞(句)/do"を使いこなせるようになることの方が有用であると判断します。

その意味で、少なくともレッスンとして一斉に教える場面においては、いわゆる5文型の枠組みでの構文分析よりも、「(主語)名詞句 + aspire + to do」で文を組み立てられるように鍛えることを重視します。その上で、分類について質問された際に、例えば SV + to doであれば以下のように考えることができることを教えます:

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