見出し画像

αβγ…って記号はなんだろう?

こんにちは、星空案内人のまいの(mai-no)です。
宙を見上げて、星座が少しわかるようになってきて
「この星座なんだろう?」
と本やネットで調べたりすることがあると思います。
その時に星のすぐ近くに付いているαβγ…この謎のような記号はなんだろう?というお話です。

バイエルさんが付けた星の名前

これは1603年、ヨハン・バイエルという方が付けた「バイエル符号」という星の名前の付け方の1つです。
星には色々な名前の付け方があり
・固有名:「ベガ、アルタイル、デネブ」等 特に明るい星には名前が付いている
・フラムスティード番号:「〇〇座41番星」星座の中の星を西側から順番に1.2.3…と番号を振っていったもの
といったものがありますが、固有名の次によく使用されるものがこの「バイエル符号」です。
星座の中の星を明るい順にα(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)、δ(デルタ)…とギリシャ文字の小文字で名前を付けました。

αβγδ…最後のω(オメガ)までいくと、bcde…とアルファベットの小文字で、最後のzまでいくとBCDE…と大文字、バイエル符号の最後はQで終了します。

基本的には明るい順に付いていますが、たまに順番がズレています。
例えばふたご座のバイエル符号をご紹介します。

ふたご座の中で一番明るい星はポルックスなので、ポルックスにαが付くはずですが、カストルに付いていますね。
このような順番のズレはいくつかありますが、バイエル符号を付けたのは今から400年程前にさかのぼります。
星の明るさを正確に測る機械はないので、見た目で判断しています。
多少の誤差はありますが、どうか優しい目で見てあげてください。

ペガスス座にαが2つある?!

あれ何で?!
と、一瞬間違いかと疑ってしまう星座をいくつかご紹介します。
ペガスス座のバイエル符号を見ると、肩とお腹辺りにαが2カ所あります。

実はお腹のα星はペガスス座のものではなくアンドロメダ座の星なのです。
この「アルフェラッツ」といわれるアンドロメダ座α星は、馬のへそという意味です。
バイエルが決めた時点ではペガスス座δ星になっていたのですが、国際天文学連合(IAU)が決めた星座領域でアンドロメダ座の領域となりました。

「エルナト」も昔はぎょしゃ座の一部でしたが、現在はおうし座の星となっています。

おうし座のβ星になってしまったので、ぎょしゃ座の「γ」が抜けてしまっていますね。

おうし座になっているのであれば、ぎょしゃ座に星座線を繋げなきゃいいじゃないか!
という話にもなってきますが、実際の夜空で見るとこの六角形がとても綺麗で、線で繋ぎたくなります。
ペガスス座も同様で、そこに綺麗な形があれば繋ぎたくなってしまうのです。

こういったバイエル符号や星座線・星座領域で正式に決まっていたとしても、これは共通認識するための1つの手段であり、それぞれ皆さんがわかりやすく星座を楽しめるのであれば、それが1番素敵なことだと思います。
「こんな名前の付け方もあるんだな」と感じながらバイエル符号を上手に使用してみてください。


文:まいの(mai-no)
星空案内人
千葉県出身。本職を星空案内にしたい、明るさと元気が取り柄の看護師。
宇宙や星も大好きだけれど、食べ物・音楽鑑賞・書道も大好きです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?