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月って毎晩見えるものじゃないの?

こんにちは。星空案内人のまいの(mai-no)です。
前回は月齢(げつれい)についてお話しました。月が満ち欠けすることは、多くの方がご存知だと思いますが、そもそも月って夜になれば必ず見えるんじゃないの?!という疑問について少しお話していきたいと思います。

どうして月は毎晩同じ時間に見えないのか?

月は地球のまわりを回っている(公転している)からです。
地球が365日かけて太陽のまわりを1周しているように、月も地球のまわりを29.5日かけて1周しています。
太陽のように同じ位置にずっと居て、自分の力で光ってくれていたら、昼間は太陽、夜になったら星と月!と毎日同じ時間に出会えたのかもしれませんが…
月も公転していることで、出没時間が少しずつずれて夜限定ではなく、日中に見られることもあります。
太陽の光が反射しているおかげで、月は満ち欠けをしていて、日々変わる姿を楽しむことができます。

今日は上弦の月?下弦の月?

「弦(つる)」は弓の糸が付いている部分で、月が沈む時に糸の位置が上か?下か?で名前をそれぞれ付けていますが
どっちが上弦?下弦?どっちがこれから満月になって、どっちがこれから新月になっていくのでしょうか。

上弦の月:これから満月になっていくタイプ。沈む時の弦は上を向いている。沈む時間帯は夜中。月齢は7前後。

下弦の月:これから欠けて新月になっていくタイプ。沈む時の弦は下を向いている。沈む時間帯は昼間。月齢は22前後。

このような特徴があります。
「沈む時の弦は…」とお話しているのは、月が東から昇って、南の宙を通り、西に沈む…の間で弦の向きが変わってしまうからです。

こちらの図をご覧ください。

ただ横に移動するだけなら何も変わりませんが地球から見ると、月はアーチ状のように宙を移動して見えます。東の宙の月は弦が下を向いますが、移動していくと西の宙の月は弦が上を向いていますね。

わかりにくい方はお寿司の図もどうぞ。

お寿司が同じようにアーチ状に移動しています。お寿司が東→南→西へただ移動しただけですが、東と西の宙でネタの向きが逆になって見えますよね。

これが「沈む時の弦の向き」の謎です。
今自分が見ている月が上弦か下弦を知りたい時は、沈む時の弦の向きか出没時間帯で考えてみましょう。

ちなみに月は、太陽と同じ方角から昇ってきて、同じ方角に沈みます。どちらか覚えていますか?
昇ってくるは東、沈むのは西です。是非、方角も意識しながら見てみてください。これを真逆に覚えてしまうと上弦・下弦も全て逆になってしまうので気をつけてくださいね!

この写真は上弦・下弦のどちらでしょう?朝4時南東の宙に昇ってきた時に撮影されたものです。

正解は下弦の月です。

弦が上向きだから上弦か?と一瞬思ってしまいがちですが、昇ってきた時に撮影されたもの。下弦の月は夜中に昇って昼間に沈みます。弦の向きも沈む頃には下向きになることが想像できましたか??


文:まいの(mai-no)
星空案内人千葉県出身。本職を星空案内にしたい、明るさと元気が取り柄の看護師。宇宙や星も大好きだけれど、食べ物・音楽鑑賞・書道も大好きです。

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