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バツの悪そうな顔をして 5節 アトレティコvsバレンシア(A) 2023.9.16

少しお久しぶりです。こんなに日が経ってからレビューを書くのが初めてな気がしつつ、別に誰かにご心配やご迷惑をかけるわけでもないので何とも思っていません(言わなくていいことを言う)
しかしまあレビューがこれだけ日常になっていると、正直書かずに過ごす方がソワソワしてしまって自分を殺してでもさっさと書けば良かったとも思った。まあいいでしょう。待っていてくれた方はありがとうございます。やっていきます。

欧州サッカーは代表ウィーク明け。また、アトレティコは9/3の4節セビージャ戦が天候不良で延期になっているので久しぶりの試合となる。



●代表ウィーク振り返り

まずは代表招集選手たちから

🇦🇷デ・パウル
9/8 エクアドル戦 フル出場
9/13 ボリビア戦 76分まで

🇦🇷コレア
9/8 エクアドル戦 出場なし
9/13 ボリビア戦 87分から

🇦🇷モリーナ
9/8 エクアドル戦 フル出場
9/13 ボリビア戦 フル出場

🇪🇸アスピリクエタ
9/9 ジョージア戦 出場なし
9/13 キプロス戦 出場なし

🇪🇸モラタ
9/9 ジョージア戦 72分まで 3ゴール
9/13 キプロス戦 45分まで

🇪🇸(U-21)バリオス
9/9 マルタU-21戦 フル出場
9/12 スコットランドU-21戦 フル出場

🇫🇷グリーズマン
9/8 アイルランド戦 90分まで
9/13 ドイツ戦 フル出場 1ゴール

🇹🇷ソユンジュ
9/9 アルメニア戦 フル出場
9/12 日本戦 45分まで

🇸🇮オブラク
9/8 北アイルランド戦 フル出場 2失点
9/11 サンマリノ フル出場 無失点

🇲🇪サヴィッチ
9/8 リトアニア戦 フル出場 1ゴール
9/11 ブルガリア戦 フル出場 1ゴール

南米は早くもW杯予選が始まっている。コレアはメッシが欠場したボリビア戦で背番号10。デ・パウルとモリーナは2戦フル出場で連勝スタートに貢献。デ・パウルが怪我して帰ってきた。

欧州はEURO予選。スペインは2戦大勝。フランスはほぼ通過決定。グリーズマンはドイツとの親善試合にもフル出場してきた。負けたし
新加入ソユンジュのトルコは激戦のグループDで健闘。一試合消化の少ないクロアチアをアルメリア、ウェールズと共に追っている。サヴィッチはなんだか2戦連発でゴールを決めてチームも1勝1分。10月のセルビア戦が天王山になる。しかしこの組はなんか色々心配な組み合わせだな。オブラクはスロベニアの連勝に貢献。4強2弱の組で予断を許さないが一応グループ首位を守る。頑張れ。
また、U-21 EURO予選を戦うスペイン代表にはバリオスが選出され2試合フル出場。連勝スタートに貢献している。ちなみにバイチェティッチ、ガブリ・ベイガ、アルナウ・マルティネス、ニコ・ゴンザレスなど錚々たるメンツ。バレンシアのどっちがどっちかわからないディエゴ・ロペスとフラン・ペレスなどもいる。あとサム・オモロディオン。しかもこれでガビ、バルデ、ピノ、ニコ・ウィリアムズ、ヤマルはA代表に取られてるって言うんだから凄いよな


さて限界ボーイズ、バレンシアである。前回対戦

例年通り選手が抜けまくり、今季はユヌス・ムサ、カスティジェホ、キュマルト、ラトが出ていきレンタルで借りていたサムエウ・リーノ、ジャスティン・クライファートなどみんないなくなった。最終ラインはいいとしてとにかくFWがいない。中盤はハビ・ゲラの覚醒に期待。


●スタメン

・アトレティコ
オブラク
サヴィッチ / ヴィツェル / エルモソ
アスピリクエタ / ジョレンテ / バリオス / ルマル / リケルメ
グリーズマン / モラタ

コケ、メンフィスは間に合わず。代表でデ・パウルが怪我。ヒメネスはベンチに戻ってきた。カラスコの抜けた左WBにリケルメが起用される。

・バレンシア
ママルダシュヴィリ
コレイア / ディアカビ / モスケラ / ガヤ
ペペル / ハビ・ゲラ / フラン・ペレス / アルメイダ / カノス
ウーゴ・ドゥーロ

CBはモスケラが今季初スタメン。新加入のドリブラー、セルジ・カノスもスタメンに。


スタメン


●前半

アトレティコの前進は主に右からとなった。アスピリクエタがWBで使われる日は異常なほどに右サイドからの前進が増える傾向にある。なんでだろうね。

バレンシアは2CBと、あまりワイドに開かない両SBを使って前進を試みる。

アトレティコはCBからボールを奪えそうな気がしているのか当社比でまあまあ強めなプレス。バレンシアのビルドアップはSBコレイアもCBをサポートする位置に立つことを意識し、ディアカビからモスケラを飛ばして直接コレイアに渡す平行パスが多かった。CHはペペルが低い位置でハビ・ゲラが高い位置という役割分担。アトレティコはバリオスがペペルのところまで出ていく。また、ハビ・ゲラにはサヴィッチが意識的に前に出て対応する。ただ、上手くいかなかったのはこの箇所であった。

SBが上手くボールを引き取るバレンシアは、特に左のガヤがとても微妙な位置で前を向く。ジョレンテはここに正面から寄せていくが、この対応がそもそもあまりデザインされておらず、出ていく意味があるのかわからないまま、ガヤから良いボールが出てくる。ハビ・ゲラはシンプルに真っ直ぐ裏へ走り、この日のサヴィッチはこの背後の対応が悪かった。2試合フル出場してきた代表戦の疲労もあったのかもしれない。このボールでラインを下げられ、さらに左SHのカノスに対してアスピリクエタが後手に回ったのも誤算。結局このボールから5分に先制点を奪われた。バレンシアはクロスに対してウーゴ・ドゥーロはニアに飛び込んでくるくらいしか得点パターンがなく、しかも2枚(ヴィツェル&エルモソ)でマークできていた。さらにニアのボールはサヴィッチが立ってケアしていたにも関わらずニアで決められた先制点は弁解の余地がない。強いて言うならサヴィッチがあと数メートル距離を取ってサポートしていればクロスがすり抜けることはなかっただろうが、アスピリクエタがあからさまにカノスに振り切られそうに見えていたので近くでサポートしたのは仕方ない。おれにもそう見えていた。大外の守備で優位に立てないならこのポジションでアスピリクエタを起用する理由はほぼなくなるが、まだカノスのプレーを見た機会が少なく単純評価は難しいところ。

早い時間の先制点でバレンシアはゲームプランを完遂する意思を固める。バレンシアの4-4-2守備の特徴は2CHの低いポジショニングにあった。アトレティコは2トップとジョレンテ、そして両WBで5レーンを埋める。バレンシアは大外の対応に誰が出ていくかがポイントとなるが、この日はSBが対応する形を徹底

中間でボールを触りに来るジョレンテとグリーズマンにペペルとハビ・ゲラが対応する守備。大外のWBにボールが入ったら縦突破をSBが対応し、横方向をSHが必ず警戒する守備でアトレティコのボールの循環を止めた。右からの前進が多いアトレティコはルマルがこちらサイドまで出張してくることで数的優位を作るなど多少の工夫はあったが、そもそも中盤ラインを思いっきり下げてくるバレンシア相手にライン間で仕事をしたいグリーズマンと、SBとCBの間に走り込みたいジョレンテの組み合わせは最悪に相性が悪く、早めに失点したこともあってリズムを失った。ジョレンテよりも低い位置でWBを押し出してミドルパスを中央に捩じ込めるデ・パウルや、相手CBを背負って縦パスを受け取って局面打開できるコレアのどちらかが欲しい前半だった。

34分にバレンシアがカウンターから追加点。アトレティコはグリーズマンとバリオスにルマルが絡んで中央を打開しようとしたがペペルがボール奪取。受け取ったフラン・ペレスがエルモソを振り切り最後はウーゴ・ドゥーロが狙ったのか狙っていないのかよくわからんファントムドリブルでフィニッシュ。またウーゴ・ドゥーロか。ちなみにカウンターの失点というのがそもそも珍しいチームなので指摘しておくとエルモソとヴィツェルがどうにかすべきでしたね。あと一応バリオスは入れ替わられた時に一発でチャレンジする癖を直してください。たぶんこれは試合後めちゃくちゃ言われたはず。というかファールする気なら右足でチャレンジする角度じゃないでしょ。


●前半終了

よもやの0-2で折り返し。アトレティコは何もかもの設定がハマらずバレンシア側の魅力の引き立て役に終始した。もちろん2点取られたこともそうだが、後半の45分で2点返すのは難しいだろうなという内容が寂しいね。


●後半

アトレティコは後半開始からコレアとモリーナを入れる。サヴィッチとリケルメがout。

後半

前半途中の4バックから再び3CBに戻した。右サイドではコレアとアスピリクエタが近い距離に立つことで大外のモリーナに時間を与えることができ、51分に早速モラタの決定機を用意した。しかし54分、中央でエルモソの信じられないゆるふわな対応でハビ・ゲラにゴラッソを叩き込まれて決着。そりゃメスタージャも大騒ぎである。アトレティコは早めに交代カードを使い切り、反撃の手順を探すことなく残り時間を過ごすこととなった。


●試合結果

7点取ったり雨天延期になったり3点取られたり、忙しいシーズンである。
久しぶりに魅力のない試合をしたアトレティコだったが、長いシーズンたまにはこういう試合もあるでしょうねということで。個人的にはリアルタイムで見ていなかったので穏やかな気持ちで通過させていただく。
噛み合わせで気になったのはWB(アスピリクエタ&リケルメ)が相手SB(コレイア&ガヤ)相手に優位を持てなかったこと。特にリケルメは一度縦突破でコレイアを置き去りにしたシーンはあったがそれ以外全くポイントを使えず、そりゃ前半で替えられますねという内容に終わった。期待値が高いことも最適なポジションではないことも理解するが、その上で「そりゃ前半で替えられますね」以外に特に言うことはない。「それなら後半はIHで試してみたら」と思うこともない程度のパフォーマンスだったことは本人が一番わかっているだろう。アスピリクエタがカノス相手に手こずったのは予想外。ここは今後も注視したいポイント。引き続きコンディションが良かったコレアの使い方含め、まだスタメンは流動的になりそうである。

この日はバレンシアの若いスカッドの良さが活きた。そしてアトレティコキラーのウーゴ・ドゥーロの2発。彼らしいニアでのワンタッチとカウンターの抜け出し。どちらもアトレティコ目線で見れば止めないと駄目なプレーだったが、ウーゴ・ドゥーロの得意な場面を前半から準備したバレンシアを褒めていいだろう。アトレティコは失点後のリアクションも悪く、後半にトドメの3点目をもらったのは深く反省してほしいところ。2点目3点目ともに久しぶりにエルモソの悪いところが出たがこれもまあ今さら指摘しても。
ミッドウィークにはローマに飛んでCL初戦がある。劇的に引き分けたと聞いています。その後はマドリーダービー。褒めるだけ褒めて悪い試合に悪口ばかり言うのは趣味ではないので、この辺で。おれ自身も徐々にペースを取り戻していきますので改めてよろしくお願いします。


9/16
エスタディオ・デ・メスタージャ
バレンシア 3-0 アトレティコ
得点者
【バレンシア】'5 '34 ウーゴ・ドゥーロ '54 ハビ・ゲラ


●ピックアップ選手

バリオス
ハイボールを自分の物にして前を向くのが抜群に上手かった。代表帰りでさらにクオリティを高めた。

コレア
ボールを持てるようになった後半に投入され、敵陣PA内で正確な技術を披露。グリーズマンとのコンビネーションでチャンスを作った。

ハビ・ガラン
ようやく公式戦デビュー。対人対応と縦突破を期待されていることは理解の上であろう。

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