越えられなかった壁 CL B組6節 ミランvsリバプール 2021.12.7

B組の最終節。
ポルトvsアトレティコの裏のこちらの試合。

5戦全勝で圧倒的に死の組勝ち抜けを決めたリバプール。3連敗スタートだったのにいつの間にやら"最終節勝てば"まで来たミラン。
ミランにとっては、ここの相手がもう0-10で負けても問題ないリバプール、しかもホームゲーム。千載一遇のチャンスが舞い込んだ。アトレティコファンの僕としてはリバプール先輩にここは一つ全力で戦っていただきたいところである


●スタメン
・ミラン

メニャン
カルル / トモリ / ロマニョーリ / テオ・エルナンデス
ケシエ / トナーリ / ブラヒム・ディアス / メシアス / クルニッチ
イブラヒモビッチ

メニャンがいつの間にか復帰していたものの止まらない欠員。
ジルー、カラブリア、レビッチ、レオン、ケアーが欠場。ケアーは膝の怪我で今季絶望。


・リバプール
アリソン
ネコ・ウィリアムズ / フィリップス / コナテ / ツィミカス
モートン / チェンバレン / 南野
サラー / オリギ / マネ

アリソン、サラー、マネ以外はお休み。むしろなぜサラーとマネは出るのか。

スタメン



●前半
・フワついた前半

怪我で人がいないミラン、ターンオーバーを使ったリバプール。
事情はそれぞれだが手探りだった両チーム。

ミラン

ミランはメニャンが戻ってきたのでCHが落ちずに構築ができる。が、"だから進める"とならないジレンマ。
ボールの受け手にサーレマーケルスもレオンもいないしジルーもいない。ブラヒム・ディアスはなんだか知らんがずっと裏抜けを狙っている。どこもかしこもノッキング、という雰囲気。
CFのイブラヒモビッチはコナテとの対人に勝てず、特に何も出来ない45分だった。球離れも悪く、効果的ではなかった。後はケシエの様子がおかしい。疲労なのかモチベーションなのか。内情は良く知らないが、良いパフォーマンスではなかった。

先制はCKからミランが。最後はトモリが押し込んで先手。勝つしかないホームゲームで先制できたのは大きい。

リバプール


一方のリバプールも中盤がそっくり入れ替わっており、どこからボールが進むのか手探り。主に南野がモートンの並列、チェンバレンはライン間(というかサラーの近く)という位置取りだが。こちらもボールを受けてから味方を探しているような状態でノロノロと。オリギやサラーが頻繁に落ちてきてボールを引き出していた。

同点

サラーの同点ゴールの場面。
右側のトライアングルを使いたいリバプールに対して、サラーをテオのマンツーで消そうとするミラン。大外のネコ・ウィリアムズに対してはクルニッチが頑張って戻る、という形で。原点に帰ればいつだって優位性を生むのはドリブル突破だよねという事で。チェンバレンがケシエをぶち抜いてシュート。こぼれ球にサラーが詰めて、同点。難しいシュートだったがさすがサラー


●前半終了
1-1。一時はリードしGL突破の可能性が大きく開けたミランだったが。どうも出足が悪い。リバプールは保持され出来ればマネとサラーがいるのでどうにかなる。オリギの出来も良かった。後半は、ミランはもう一点をどう取ろうとするのかが気になる点。


●後半
勝ち越し点が必要なミランは両SBが積極的に前に出る。バランスが良いのかは微妙なところ。ケシエとトナーリのカバー力に全振りする格好に。
一方リバプールの保持は、アンカーのモートンを使い始める。

アンカー


ここを放置するとポルト戦のようにマネ、サラーの裏を使われるのは明らかなのでミランはケシエorトナーリが対応。するとオリギがいなくなったCHのところまで降りてきてボールを引き出し、チェンバレンからマネの裏へ、と有機的に展開する。ボールを奪いたいミランは何をやっても後手に。


55分、残念ながら勝ち越し点はリバプールに。後方の保持でトモリのファーストタッチがやや大きくなったところをマネが見逃さず奪取。シュートのこぼれ球をオリギが頭で決めた。痛恨の一点。

トモリのミスはミスだが、まあ仕方ない。後方ビルドが今季のこのチームの良さだし。ただまあケシエがどっちかにサリーするのか、メニャンが真ん中に入ってビルドするのかが非常にあやふやになってしまったシーンではあった。この大一番で"意外と整理されてないな"では済まないミスが出た。

決勝点


トモリの位置がやや近かったのでマネが決め打ちでプレス

レーン

もう一つ開いていればメニャンを使って一列目プレスを外せたかも

ここでミランはブラヒム・ディアスとトナーリを下げた。ディアスはコンディションが明らかにベストではなく厳しいパフォーマンスに。トナーリは、もうちょい使ってもいいのになと思いつつ、いつも早めに替えられてしまう。

リバプールは64分にサラーとマネがお役御免。ケイタとジョー・ゴメスin。ネコ・ウィリアムズと南野をトップに。終盤はチェンバレンもトップになってた。

85分、ミランはケシエが裏抜けで1対1を迎えるがアリソンが立ちはだかって、万事休す


●試合結果
リバプールが全勝。
ミランは全部入れば勝てる、くらいの得点機は作れたがアリソンの壁は厚かった。

普段レギュラーではない選手達を使ってもサラーとマネさえいれば"リバプールのような何か"として戦えるリバプール。フレッシュなコンディションで戦えた事が、この試合においてはむしろプラスになった印象。2得点にはサラーとマネがそれぞれ絡んでいるのは流石である。

ミランはこの大会を通じて怪我人が多く、ベストメンバーで戦う事ができない試合が多かったのは残念だ。まだまだチームとしても若く来年も同じメンツで見たいねっていうチーム。ケシエが出ていくみたいだが。3連敗からカムバックしたのは見事だった。最後は大いなる壁に阻まれたが良いチャレンジだったと思う。セリエAは優勝を狙える位置にいるので、是非頑張っていただきたい


12/7
サンシーロ
ミラン 1-2 リバプール
得点者
【ミラン】’29 トモリ
【リバプール】’36 サラー '55 オリギ


これにて死の組、B組の全マッチレビューを終える。アトレティコにとっては本当に死の組だった。ミランの方が魅力的で、ポルトの方がソリッドだったと思う。勝ち抜けられて本当に良かった。進んでいこう。Partido a Partidoだ。


●ピックアップ選手
アレックス・オクスレイド=チェンバレン(リバプール)
同点ゴールは数的同数を腕力でこじ開けた。終盤はトップに入り速攻からフィニッシュでチャンスを作るなど好調。

ネコ・ウィリアムズ(リバプール)
スピードもバランス感覚も申し分無く、終盤まで運動量も保ったハイパフォーマンス。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?