ワイド攻略を再設計する時 5節 アトレティコvsアトレティック(H) 2021.9.18


※お知らせ
これまで当ブログ内でアトレティック・クルブまたの名をアスレチック・ビルバオの事を便宜上"ビルバオ"と表記していましたが"アトレティック"に変更します。

そもそも僕はアトレティックと呼んでいるのですが、DAZNがビルバオと表記していたのでわかりやすいように合わせていましたが小澤さんの鶴の一声?によりDAZN側もアトレティックと表記を変えたので、もういいかなと。

ちなみに僕がアトレティックと呼んでいた理由は誰かに"そっちが正しいから"と言われた事があった、くらいの記憶で別に強い意図はありませんでして。今回ちゃんと調べました。

正式名称はAthletic Club de Bilbaoなので、別にビルバオが間違えているわけではないんですが。"ビルバオだけでなくバスク州全体のクラブだ"的な意図で”アトレティック・クルブ”と名乗っているようでございます。違ったらごめんなさい。てかスタジアムにもAthletic Clubって書いてあるよね

まあアトレティコと似ててややこしいんだけど。一応これでいきます。DAZNからビルバオって表記消えちゃったしね。ビルバオってなに?ってなってしまってもアレなので。ツッコんでくる奴いたらダルいし

ちなみに似た感じでポルトガルのスポルティングCPはスポルティング・リスボンて書かれる事多いよね。あれは確か完全に間違いだったはずです
あとボルシア・メンヒェングラードバッハをボルシアMGと略すのは確か日本特有で、現地ではやらないそうです。いや略せよ笑


以上、お知らせでした。


さてと。
CL1節、ホームのポルトでなかなか渋い試合をしてしまったアトレティコ。
同組のリバプールvsミランがスペクタクルだった分、対比が凄いのよ

中2日でホームにアトレティックを迎える。
この試合はルマル、コケを欠く事になった

アトレティックはここまで2勝2分。わずか1失点である。しかもバルサ戦
引き続き決定力に課題があるが、プレスもビルドアップもマルセリーノ式が型にハマってきた感はある。ミランデスへのレンタルから帰ってきた22歳のビビアンがCBで安定した活躍。前節マジョルカ戦ではプリメーラ初ゴールも決めている


●スタメン
CL明けのスタメン!

・アトレティコ
オブラク
サヴィッチ / ヒメネス / エルモソ
トリッピア/ コンドグビア / デ・パウル / ジョレンテ / ロディ
コレア / グリーズマン


後ろ3枚。
左WBはロディが初スタメン。
コケとルマルが怪我で欠場の中盤はコンドグビアを真ん中にデ・パウルとジョレンテ。
前線はグリーズマンを使う

・アトレティック
シモン
レクエ / ビビアン / イニゴ・マルティネス / バレンシアガ
ベンセドール / ダニ・ガルシア / ベレンゲル / ムニアイン
イニャキ・ウィリアムス / ラウル・ガルシア


4節と同じスタメンで。右SBとイニャキの相方以外は固定して戦えている今シーズン。

スタメン


●試合結果

9/18
ワンダ・メトロポリターノ
アトレティコ 0-0 アトレティック

いきなり試合結果から入りましたが笑
今日はちょっと書き方を変えます


●アトレティコのビルドアップ
序盤からジョレンテがチャンネルを狙ったりと意思統一を出来て試合に入った感のあったアトレティコ。実際は全くそんな事なかったが

構造

左IHがルマルの場合、ジョレンテがアンカーと並列でビルドアップする場合が多いが、この試合はデ・パウルがいるためジョレンテのスタートポジションが高い。

で、右、左ともに非常に多かったボールの巡り方。
HVから出しどころがなく、WBが低く降りてきてボールをもらう。

画像3

そもそもここがアトレティックの設定している奪取ポイントであり、ここで詰まる。HVにボールが戻る。

画像4

画像5

サイドチェンジしか選択肢がない。


この繰り返し。トリッピア→ジョレンテのチャンネルが2,3回あったが、それくらい。サイドチェンジさせてる分にはアトレティックの守備の勝ち、という展開。


●ワイドレーンの使い方を考える
今日の主題。
90分間、メンバーを入れ替えても割と疑問だった部分。3バックで試合をする時のアトレティコは、”ビルドアップの終着点”がWBの足下になる事が非常に多い。というかほとんどそう。しかも多分デザインされていない。なんとなく行き着くだけ。
右サイドは上述の通り、たまにジョレンテがチャンネルで受けてチャンスを作れる。トリッピア、コレア、ジョレンテの組み合わせだとほとんど心配ない。

右

意思統一されたデザイン。
では左側はどうか。

左

この日でいえばロディ。彼の足下がビルドアップの終着点になる。
ニアゾーンにポジションするのはグリーズマン。先に言うが正直フェリックスでも問題点はそんなに変わらん。グリーズマンだけが悪いわけでもない
サポートポジションに入るのはIHのデ・パウルとHVのエルモソの2人。


・ニアゾーンの狙いは?
まず、グリーズマンに関してはどこでボールを受けたいのか終始わからなかった。いくら何でも周囲の選手との意思統一がない。繰り返すがこれはフェリックスでも変わらなかった。つまり悪いのはグリーズマン単体ではなく周りの選手も同様。ロディがどこにボールを出したいのかも不明。
右サイドのように

・トリッピアの足下にボールが入る
・ジョレンテがチャンネル抜け
・コレアが釣られたCBの空けたスペースにin、その後ジョレンテのクロスをニアで狙う

という意思統一がないのだ


・ロディの選択肢

ロディが足下でボールを受けた場合に非常に多い場面として、「ファーストタッチしてからルックアップして、クロスをあげる」という選択だ。彼の判断が悪いと言うのもあるのかもしれないが、チーム全体でロディの位置にボールが入った時にPA内のFW配置がどうなっているのか、そもそも第一の選択肢がニアゾーン侵入なのかクロスなのかの設計がされていない。確認しないと味方の配置が全くのランダム。だからボールを受けて初めて考えている。当然PA内の選手の足は止まっており相手も守りやすい。
カラスコならいいのか、という話だが、実際カラスコは”ドリブル突破”という選択肢を持っているため相手を迷わせる事ができるし、対面のディフェンダーが距離を詰めにくい(足を出せない)という、個人能力の違いがあるだけで、カラスコなら解決と言う話でもない。
そしてこの試合単体で言えば右SBのレクエの対人守備能力が鬼だったので、カラスコでも多分抜けなかった。カラスコ×ルマルのコンビならワンチャン、と言う感じだろう。しかしこれは単に”この2人が抜群に巧い”というだけの話である。

だから、私は口酸っぱく”デ・パウルが大外に立つ選択肢を見たい”と言っている。やっとここで開幕から書き続けている事の結論。


●ワイド攻略とネガトラ
これは2季前から永遠に言い続けている事なのですが。ワイド攻略の設計とネガトラの設計を、アトレティコは一から見直す時期なのではないか。4バックの方が良いと主張する事の結論でもあるんだが。

4枚


ネガトラの人数調整を。
カラスコは外に立ってボールを引き出すかあるいは

4枚2

内に立ってロディがデ・パウルを使って縦に抜けるとか、デ・パウルがランニングして大外に立つとか

多分この設計にするとコレアの使い道がなくなると思うけど。
いずれにしても同じ事をしていても先季同様、個人技術でなんとか勝つチームから脱却できないし、CLはグループリーグで負けるでしょう


●ジャッジについて
この試合の最大の関心事はヒル・マンサーノがジョアン・フェリックスを退場にしたジャッジでしょう。
"レビューを書く"という自分の行動のためなんだけど、僕はアトレティコ戦で審判の文句はなるべく言いたくありません。達観したようなスタンスを立っていて申し訳ないが悪しからず。

まあ、フェリックスのファールが正しいジャッジだったかは疑問だと思う。相手のファールとも取れるシーンだったでしょう。
でもそれと、2枚目をもらうようなリアクションをフェリックスがした事は全くの別問題だと思います。

押していた後半の退場で、仕留め損ねた試合になったが、もしビハインドであの退場をしていたら僕はフェリックスを烈火の如く批判していたと思います。得点もアシストもできないくせにいい気になるな。プレーしろ。



●ピックアップ選手

デ・パウル
この日はほぼ彼の責任でボールが動いた。結果無得点だったが、質の高い配給はできていた。自らドリブルで進む選択も悪くなかった。
後ろからボールをもらう動きが課題か

エレーラ
コンディションは問題なさそうだった。
相手を押し込む試合での球出しはやはり彼。デ・パウルとの並列は良い印象だった

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