伝説という名の日常を 14節 アトレティコvsマジョルカ(H) 2023.11.25
●前段
プレビューはこちら
あらためて代表戦の出場時間をおさらい
ブラジルに勝ったアルゼンチンでモリーナは2試合フル出場。デ・パウルもなんか揉めたりしていた。ウルグアイはそのアルゼンチンにも勝って現在首位。ヒメネスはキャプテンもやっていた。
欧州では自国スペイン代表でモラタは1試合だけ出場。リケルメは代表デビューおめでとう。
それ以上に出場していたのはU-21のバリオス。たぶんアンカーだと思われる。
余裕で予選突破が決まっているフランスでグリーズマンはまた2試合フル出場。もう何も言うまい。
スロベニア代表のキャプテンオブラクは2試合フル出場で見事予選突破を決めた。EUROへ。おめでとう。
一方サヴィッチは勝てば突破の可能性が残るハンガリー戦でショボスライにとんでもないゴールを決められて1-3で撃沈。残念。
ソユンジュは招集されたが出場なし。
ここまでのマジョルカはアトレティコと同じく一試合未消化で1勝6分5敗で17位。気づけば2ヶ月勝てていない。前回対戦。
ルイス・デ・ガラレタ、イ・ガンイン、イドリス・ババと中盤の中心キャラがごっそり抜けた今季はセルジ・ダルデル(←エスパニョール)とサム・コスタ(←アルメリア)が頑張っているがまだばっちりハマっている印象はない。7.5m€使ったサイル・ラリン(←バジャドリード)が全然点取らないのもしんどい。
ちなみに13節のカディス戦が延期になったのは10月シリーズに開催予定だったEURO予選のコソボvsイスラエルが延期となっていたためで、この試合が11月12日の”インターナショナルマッチウィーク期間外”に行われるため、 FIFAから「コソボとイスラエルの両国クラブを除く国外クラブに対して最低1名の選手派遣を強制する通知」が送られたそうな。マジョルカのムリキがコソボ代表のこれに当たると。それをマジョルカがラリーガに相談して延期になったそうです。カディスは怒ってたみたいだけど。延期試合は29日に無理やりぶち込まれてます。
こちらを
ちなみに関係ないですがイスラエル代表は今回
12日vsコソボ(A)
15日vsスイス(H)
18日vsルーマニア(H)
21日vsアンドラ(A)
というとんでもないスケジュール。ホームといっても国外で試合だからずーっと遠征。可哀想。
●スタメン
・アトレティコ
オブラク
アスピリクエタ / ヴィツェル / エルモソ
ジョレンテ / バリオス / コケ / リーノ
グリーズマン / コレア / モラタ
コケの公式戦600試合出場の記念試合。
アスピリクエタCBバージョンでした。
グリーズマンとコレア併用。
メンフィスとヘイニウドがベンチに復帰。ルマル以外は全員帰ってきた。
・マジョルカ
ライコヴィッチ
ジオバンニ・ゴンザレス / ヴァリエント / ナスタシッチ / コペテ / ラト
サム・コスタ / ダルデル / アントニオ・サンチェス / ダニ・ロドリゲス
アブドン
いつも通りの5バック。ムリキはやはりメンバー外。アルゼンチン代表に初招集されたパブロ・マフェオは出場はなかったがベンチスタートとなった。カナダ代表のラリンもベンチ。
●前半
マジョルカは5-4-1のケースと5-3-2のケースがある。この日は5-4-1をベースにしているが気持ち的には5-3-1-1という感じ。
例に倣ってコケを自由にしないようにダルデルが圧力を掛けてサム・コスタは真ん中に残る。概ね左のダニ・ロドリゲスはバリオスを、右のアントニオ・サンチェスはエルモソを担当する事が多く、アトレティコは構造上フリーになるアスピリクエタが得意のドリブル前進でボールを運ぶ機会が多かった。
アトレティコが右でボールを持つとマジョルカの3人のCB(ヴァリエント、ナスタシッチ、コペテ)が近いコレアに1人、奥のモラタを2人で見る形になる。アトレティコは右でバリオス、ジョレンテ、コレアのトライアングルをアスピリクエタがサポートするのでここでポケットを取るなり速いボールを入れるという選択でチャンスを狙った。3分にはバリオスのアーリークロスがモラタに合いそうなシーン。
マジョルカは明確な5-4-1ではないのでWBの1vs1のサポートがあまり期待できない守り方をしており、
アトレティコはここの突破が期待された。リーノは6分に縦に突破してコレアの得点機を作ったが、こちらも単発。
失点の可能性はほぼない前半だったが、ボールを握りながらも侵入に苦労し各選手のコンディション差も影響したのかチグハグな時間を過ごした。
●前半終了
0-0で折り返した。ボールを持てて守備も一切のリスクを負わずに戦ったが、一方でマジョルカの守り方を打開する説得力はどこにもなかった。
・ピックアッププレー〜不格好な右の侵入〜
この日の左右のバランスはあまりボールを握って相手を切り崩す戦いに向かない。
特に右サイドの侵入。わらわら人ばっかりいて説得力に乏しい。なんのために4人もいるんだ。
相手は5バックで、FWのコレアに左CBのコペテが付いてくる形も確定していた。狙いは通常その奥のポケット。
ただ5バック相手なので、ジョレンテが早めに裏を狙うとスペースがなくなる。じゃあバリオスが背後を取れば良いもののあまりそこを狙えず、そもそもコレアがコペテを引き連れてハーフスペースからなかなか退いてくれず。
バリオスはこの日、パス成功だのタックル成功だのというスタッツだけ見れば多分かなり良い数字だが、全然良くなかった。自身の立ち位置を変えて狙い所を設定するようなポジショニングがなく単調。コレアを動かして残りの3人でトライアングルを再構成するような選択も全くなかった。お勉強。
右に人が多い影響をモロに受けたのは左WBのリーノで、グリーズマンしかサポートがおらずドリブルチャレンジは少なめだった。そして左右どちらの構築にも関わらないモラタは何してんだかわからなかった。
●後半
後半もアスピリクエタ→モラタのアーリークロスでチャンスを作るなど、回答はアーリークロス感が出ているが試行回数が増えてこないアトレティコ。セカンドボールを拾えていた事と、ダルデルが守備に追われていてカウンターの脅威が全くなかったのでこういう選択になってくる。後にアギーレはここにテコ入れをしていく。
62分に先に交代を使ったのはマジョルカで、最前線にラリンを入れ、マスカレルも入れる。ダルデルを前でプレーさせるための交代と思われる。
アトレティコはリケルメとデ・パウルin。交代はコレアとコケ。コケはプレータイムの調整。
こうなった
リーノとリケルメを一時的に共存させた。
直後にアトレティコが先制。リーノ&リケルメで相手の注意を引いてフリーでエルモソがアーリークロス配球。トライアングルの押し込みってのはこういうもんだという形を一発回答してこのボールがグリーズマンにピンポイントで合った。相変わらずヘディングが上手い。これがアトレティコでの170ゴール目。アラゴネスまであと3ゴール。その時が近づいてきた。
そこからはサウルを入れてヒメネスを入れて、メンフィスを復帰させながら2点目を狙うでもなく時間を過ごした。バリオスのボールロストからアマトに決定機を作られるなどしたが事なきを得てホームゲーム16連勝。そして待ち侘びたラリーガでのホームゲーム初のクリーンシート。代表ウィーク明けの初戦でそれなりを成果を得た。
●試合結果
1-0勝利。地味に今季初の1-0。勝てば良い試合をしっかり勝ったのは評価したい。薄い内容だったし。グリーズマンを休ませられなかったが彼はもう大丈夫なものと考える。
一方モリーナを丸々休ませて、メンフィスを復帰させた。エルモソがカードをもらわなかった。必要条件は満たした試合と言える。
プレビューと照らし合わせると、サヴィッチではなくバリオスを先発させ、コレアをスタートで使った。
南米組の扱いはデ・パウル&ヒメネスは後半途中からの出場に留め、モリーナを休ませる事ができた。まだ先制点を取る前だったが60分付近でスッパリとコケも休ませた。
サヴィッチとソユンジュをどちらも使わなかったのは意外だったが、どちらもぶっつけ本番でいけるという判断なのだろう。2点差だったら違ったのかもしれない。そしてヘイニウドはベンチに入ったが出場はなし。復帰はバルサ戦より後になると思われる。
マジョルカの都合で言えばミッドウィークに延期のカディス戦があり、勝ち点を取るならそっちだろう。カディスの試合は日曜なので日程的に有利でもある。ホームだし。マスカレルを入れてアマトを入れる流れは突拍子の無い失点がなければ十分に効果を発揮できた可能性もあり、ムリキ不在でもカディス戦も似たような試合ができると思われる。とはいえこれで4試合連続の無得点。ここからのホーム3連戦でそろそろ勝利が欲しい。
アトレティコはこれからオランダに飛んでフェイエノールトとの重要な一戦。言い訳無用のメンバーが揃った。あとは勝つだけ。
11/25
シビタス・メトロポリターノ
アトレティコ 1-0 マジョルカ
得点者
【アトレティコ】’64 グリーズマン
●ピックアップ選手
グリーズマン
代表ウィークを挟んで公式戦3戦連発。クラブ170ゴール目で試合を決めた。我々は現在進行形で伝説を目撃している。IH起用には問題ないがこの日の配置だとタスクが絞られすぎる。難しいところ。
バリオス
ギャンブルチャレンジしてダニ・ロドリゲスに入れ替わられたシーン、またビルドアップエラーでピンチになったシーン。ドリブル成功数なんかで褒められてる場合じゃない。まだまだです
メンフィス
9月24日のマドリー戦以来の復帰。少ないプレータイムだったが理解不能な1stタッチで決定機を作った。
コケ
アトレティコの選手として600試合出場達成。唯一の目標へ、カピタンは未開の地を進む。彼もまた、アトレティコの伝説。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?