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【ラリーガ23-24全マッチレビュー】第9節


生きてます。
ラリーガ9節全部見た。やっていこう。




①アトレティック 3-0 アルメリア

●ホームチームが圧倒

10/6
サン・マメス
アトレティック 3-0 アルメリア
【アトレティック】'10 グルセタ '63 ダニ・ガルシア '81 サンセ

好調だったが前節ソシエダとのダービーマッチを0-3で落としたアトレティック。ボール保持も上手くいかず難しい試合になった。しかしニコ・ウィリアムズが復帰したのは朗報。ジェライ、ダニ・ガルシアも今季初スタメンになるなどテストも多い試合だった。
対するはいまだ未勝利のアルメリア。ここまで21失点はグラナダと並ぶリーグ最低だが、点も取れる(11得点)。最適解を見つけることはできるか。

アトレティックは開始早々のアクシデント。空中戦で背中から落ちたジェライが続行不可能で8分にパレデスと交代。
10分にアトレティックが先制。アルメリアの4-4-2は最終ラインになかなか圧力のかかりにくい配置で、縦パスでサンセが前向き。ペナ角でニコの1vs1が発動し外側から追い抜いたユーリからグルセタ。グルセタは得意のワンタッチゴール。
アルメリアとしては最終ラインの配球かライン間のサンセのどちらかは最低限捕まえておきたいところだが割とどちらもフリーウェイ。これではしんどい。25分にはCKに合わせたエレーラのヘディングがバーに当たるなど。

一方のアルメリアの攻撃はババの右落ちとロピの中央での引き取りをメインとするがびっくりするくらいアトレティックのプレスにハマり全く進めない。特にチュミはあまりビルドアップで苦戦するイメージはなかったが終始あたふた。縦パスも精度を欠いたし受けるのがコネではそもそも厳しい感じ。"受けるのが"というか受ける事もできていない。このチームはメレーロをトップ下で使うメリットを感じたことがないんだが、この日もサンセとは対照的に円滑さを欠いた。アトレティックはロスタイムにもCKからユーリに決定機。圧倒的に支配しながら1-0で折り返し。この辺でもうアルメリアは監督変えた方がいいなと思って見ていたがそういえばベンチにビセンテ・モレノいないなと気付き、もう首になっていたようです。失礼。監督変わっても引き続きメレーロがトップ下なのは尚更疑問だが。

選手交代なしで後半。アトレティックの追加点は63分に。また中盤で引っ掛けて攻撃開始。デ・マルコスの得意の角度からのアーリークロスがファーに逃げていったダニ・ガルシアにドンピシャ。完璧に決めた。

68分にアルメリアはようやく3枚替え。ポソ、アリバスと19歳のチャミ。
81分に3点目が入る。また左のペナ角でニコが1vs1。ニアにあげて最後はサンセの前に転がってきた。勝負あり。

アトレティックは前節ソシエダ戦と比較するとボールを持てて希望通り攻撃できた。先制点が早かったのも良かった。サンセの関わりが上手く相手を圧倒。プレスもハマり、たまに速い攻撃で突き抜けられそうになるとシモンの広い守備範囲で防いだ。
アルメリアは監督交代後2試合目(でした)だが配置は変えず、時間もなかったのか前進パターンもそんなに変わった印象はなしで、結局上手くいかなかった。中断期間を活用してどうにか良化したい。

●ピックアップ選手
オイアン・サンセ(アトレティック)
ライン間で自在にボールを引き出して試合の行く末を決めた。最後はご褒美のゴールまで。スペイン代表にも選出され充実している。



②カディス 0-1 ジローナ

●カディスらしさとジローナらしさ

10/7
ヌエボ・ミランディージャ
カディス 0-1 ジローナ
【ジローナ】'59 アレイシ・ガルシア

前節は5バックでアトレティコに2-0から逆転負けしたカディスだがいまだにホーム無敗(2勝2分)。怪我人も増えてきたが守り切れるか。
絶好調で上位争いに絡むジローナは資金石となるアウェーゲーム。前節はマドリー相手に今季初のスコアレス。流れを取り戻したい。

カディスは早速アルカラスが光の速さでイエローをもらいこれが早くも5枚目。次出場停止。そして10分、エレーラに対してマチスの足が高く上がり主審は迷わず一発レッド。カディスはいきなり難しくなった。
さて、ジローナの配置はヤン・コウトが大外でWG化してアレイシ・ガルシアがアンカーの3-1-5-1。

まだ11人いた頃

左はミゲルが内、サヴィオが外。カディスはマチスが退場して以降クリス・ラモスが左SHを埋める。特に大外はSHが頑張らないといけない。イバン・アレホがだいぶ頑張っていた。
いざ守るとなれば固く守れるカディスは退場者も出たことだし低くブロックを作り、ジローナはなかなか割って入れない。特にサヴィオ周辺でなかなか笛が鳴らずフラストレーションを溜めていった。カウンターとなるとちゃんとCK取るところまで行くカディスのコストパフォーマンスが、直前に見ていたアジア大会日韓戦でもやもやした気持ちを吹き飛ばしてくれる感。

後半も展開は変わらなかったが、じっくり攻めて59分にジローナが先制。右から押し込んで最後はアレイシ・ガルシアの正確な右足。これは見事。
直後にミゲル・グティエレスが怪我っぽい感じで交代したが選択肢はパブロ・トーレ。やはりミゲルはMFなのか。

試合の流れは変わらなかったがカディスは最後まで我慢。後半ロスタイムにはCKからハビ・エルナンデスにワンチャンス来たが決められず敗戦。
ジローナはマドリー戦の負けを引きずらない勝利で首位争いに留まった。

●ピックアップ選手
アレイシ・ガルシア(ジローナ)
両翼にロングボールを飛ばして攻撃を牽引。最後は自分で試合を決めた。



③マドリー 4-0 オサスナ

●理不尽さで押し切る

10/7
サンティアゴ・ベルナベウ
マドリー 4-0 オサスナ
【マドリー】'9 '54 ベリンガム '65 ヴィニシウス '70 ホセル

怪我人も戻り始めるマドリーはアウェーでナポリに勝ってきた。しかし今度はCBがいない。チュアメニを最終ラインに入れている。
引き続き上位相手には苦戦するオサスナは勝ち点1を持ち帰りたい。

オサスナはペーニャが普段の右ではなく左に入り、カルバハルをマークする役割。まずは失点しないことを念頭に置いて試合に入るが、9分。モドリッチからカルバハルへとんでもない縦パスが刺さりダイレクトの落としでベリンガムをフリーにした。あっさり先制。
ベリンガムは次どこにボールが進むのかわかっているようなランニングでフリーになっている。不思議な選手。そしてこのシーンが特徴的だがカルバハルは内側のポジションを取るのが上手いのであまり大外でマンツーマンで付くような対応はよろしくないかもしれない。

前半を通じてボールの奪い所の設定に苦しんだオサスナ。それでいてたまにゴール前まで攻め込めていたのは日頃の行いか、マドリーの緩さか。その分早めの失点が無駄だった。
マドリーはモドリッチがボールを引き取って割と前進は簡単に。ヴィニシウスの状態がほぼ戻っている感じもあり、余裕を持って突破口を探す。

後半も展開は変わらず、54分にベリンガムがペナ角でワンツーを使って侵入。2点目。どうやって止めるんだ
65分には中盤でカマヴィンガが引っ掛けてバルベルデ→ヴィニシウスへ一発でパーフェクトカウンター。凄い質。
70分にトドメ。チュアメニの配球に圧力が掛からずヴィニシウス→ホセルで終結。オサスナは割とどうしようもない試合。忘れましょう。

●ピックアップ選手
ジュード・ベリンガム(マドリー)
ボール関与は比較的少ない試合だったが決定的な仕事を2つ。8試合8ゴールで得点ランキングを独走する。



④マジョルカ 1-1 バレンシア

●マジョルカらしさはないけども

10/7
エスタディ・デ・ソン・モイシュ
マジョルカ 1-1 バレンシア
【マジョルカ】’6 ダニ・ロドリゲス
【バレンシア】’45+3 ディエゴ・ロペス

好調に滑り出したように見えて実はまだ1勝のマジョルカはここ3試合で9失点。まだ無得点のラリンと4得点と活躍するアブドンのポジション争いに注目。
勢いが止まりつつあるバレンシアはここ3戦で1ポイント。嫌な流れを変える選手は誰になるか。

いつの間にか4-4-2になっていたマジョルカがボールを持つ。中盤のサム・コスタとダルデルの組み合わせはさすがにかなり進める。アントニオ・サンチェスとダニ・ロドリゲスは内側思考の強いコンビ。駆け上がるSBがクロスを入れる設定と思われる。
バレンシアはウーゴ・ドゥーロを左にしてヤレムチュクを真ん中に。アマラーをIHに置いたり攻撃のポイントを複数持ちたい感覚はなんとなくわかる。早めに試行錯誤しておいた方がいい

マジョルカは6分に先制。中盤で前を向けるメンツで、右でジオバンニ・ゴンサレスがポイントを作りアントニオ・サンチェスが内から外へ走りサイド深い位置。折り返しを相手DFが空振りして最後はダニ・ロドリゲスが綺麗に合わせた。
バレンシアは16分にペペルの直接FKがポスト直撃。相変わらず良いプレースキックを持っている。
しかしマジョルカからボールを取り上げられずに苦しむ。33分にもセンターサークル付近でダルデルを捕まえきれずムリキの一発裏抜けを許すがギリギリオフサイド。
なかなか攻撃の形が見えなかった中で、前半ロスタイムにバレンシアが追いつく。中央でハビ・ゲラとペペルが繋いで右大外コレイアに配球。ダイレクトの折り返しにディエゴ・ロペスがなんか凄い合わせ方でヘディングを決めた。なんか凄かった。結局1-1で折り返し。マジョルカは当社比でボールを持てる試合だが、持って何をするかはまだこれからという様子。でも中盤はみんな上手い組み合わせ。バレンシアは普段通りスピードでドバッと行く方が話が早いんだろうが、それ以外の事にチャレンジしましょうねという中で再現性は無さそうだが点を取れたのは収穫。

後半もダルデル周辺からの配球が止められず、マジョルカのペース。しかしママルダシュヴィリの好セーブもあり勝ち越し点が奪えない。ラリンも出てきたが75分にQBKする。お祓い、行こうか。83分にはガブリエル・パウリスタのスーパースライディングも飛び出すなどして粘り強く守ったバレンシア。

思ったよりもボールを握ったマジョルカと思ったよりもちゃんと守れたバレンシアの不思議な試合。手応えを得たのはマジョルカなのかな。バレンシアは結局新しい攻撃パターンは見えてこなかったが引き分けで終えることができた。

●ピックアップ選手
セルジ・ダルデル(マジョルカ)
中盤中央でさすがの技術。すっかりチームの中心に。



⑤セビージャ 2-2 ラージョ

●崩壊を告げる日

10/7
ラモン・サンチェス・ピスファン
セビージャ 2-2 ラージョ
【セビージャ】'50 ソウ '90+6 エン=ネシリ
【ラージョ】'21 オスカル・バレンティン '26 アルバロ・ガルシア

セルヒオ・ラモス加入も前節はバルサに敗れたセビージャ。しかしオウンゴールの1点のみに抑え、CLもPSVに2-2ドローで帰ってきた。代表ウィーク後に控えるラモスの古巣マドリー戦を前に勝利が欲しい。
3戦連続ドローのラージョはFWが課題。前節ファルカオのゴールが生まれたがいまだ無得点のR.D.Tとカメージョの得点が待たれる。

あまりビルドアップが上手くいかないセビージャ。ラージョはイシの凄いボレーシュートなどが飛び出す序盤。セビージャはフアンルのインナーラップなどでチャンスメイク。そしてアクーニャ中心にずっとジャッジにネガティブ。
先制はラージョ。得意のセットプレーから。21分にイシのゴールに向かうFKに守備側のグデリが触ったらゴール方向に向かってポストに当たり、跳ね返りをオスカル・バレンティンが詰めた。バレンティンが点取るの初めて見たがプリメーラ初得点だった。ちなみにセグンダでも通算1点しか取ってない(国王杯はなぜか2点取ってる)
さらに26分、びっくりするくらいプレスにハマってアクーニャがフェルナンドに入れようとしたパスをロスト。R.D.Tのスルーパスで抜けたアルバロ・ガルシアが決めた。アルバロは2戦連発。

セビージャはアクーニャがプレーすることよりもR.D.Tをどつく事が優先だったりグデリが競り合いで明らかに肘が出ていたり。もうプレーに集中できていないような状態。前半のうちにフェルナンド→ラキティッチを替えたが、フェルナンドはロッカーに直行。明らかに文句を言っておりチームの終焉という感じ。キャプテンマーク付けていたのに可哀想な仕打ちだった。ロスタイムにはジブリル・ソウの終わってるアフターチャージも飛び出してディストピア感が出てきた。

後半頭からオカンポスとペドロサ投入。50分にCKのセカンドボールをジブリル・ソウが強振。プレシーズンからやばそうなミドルシュートを打っていたがとんでもないのが決まった。その後も右のフアンルから鋭いボールが何本も入ってラッシュを掛ける。
ラージョはウナイ・ロペスを入れて中盤の強度を補完。しかしセビージャの勢いは止まらずルケバキオの振り向きざまの強烈な右足などでゴールに迫る。
ラージョは前線でボールが収まらないのでサンドバッグ状態になり、R.D.Tに替えてカメージョ。それでも流れを変えるには至らず、ラファ・ミルがゴール前で宇宙開発するなどしながら最後はロスタイムにCKからエン=ネシリのエン=ネシリらしすぎるヘディングで同点に追いついた。

この世の終わりのような前半から、何らかのスイッチが入って圧倒的に攻め立てた後半。試合後にはメンディリバルの解任を発表。これをセビージャ浮上のきっかけとできるか。
ラージョは圧倒的に優先だった前半から急転落した後半に。R.D.Tが前線でボールを収められない問題が表面化し、セビージャの波状攻撃から逃げられなくなったのは当然の帰結かもしれない。とはいえカメージョに替わってからもたいして流れは変わらなかったので後半のセビージャを褒めていいかも。鬼気迫るものがあった。

●ピックアップ選手
ジブリル・ソウ(セビージャ)
ほぼ立ってるだけのような前半から一転してスーパーゴールを決め、最後は同点ゴールに繋がるCKを獲得。クオリティを発揮した。



⑥ビジャレアル 1-2 ラス・パルマス

●悪い事は重なるもので

10/8
エスタディオ・デ・ラ・セラミカ
ビジャレアル 1-2 ラス・パルマス
【ビジャレアル】’90+2 ジェラール・モレノ
【ラス・パルマス】’45+2 ココ ’51 セルジ・カルドナ(PK)

監督交代第一号となったビジャレアル。パチェタ就任後も調子が上向く様子はない。ラス・パルマスとのボール保持バトルに挑む。
そのラス・パルマスは前節セルタ戦でようやく初の複数得点。未だアウェーでは無得点であり、まずは得点パターンを確立したい。

このカードでもボールを持つのはやはりラス・パルマスの方。ただ、CBと中盤の3人で効率よくボールを持てるのはビジャレアルも同じ。この日はピノのクオリティとスルロットも背後を狙う動きでチャンスメイクを連発。このレベルの相手だったらピノに得点までやっちゃって欲しいんだが、このピノ&フォイスを中心に相変わらずジャッジへのネガティブなリアクションが多い。
ラス・パルマスはさすがに対人で抜ける箇所があるはずもなくビジャレアルは普通に守る。トランジションの優位もビジャレアルにあった。ところでラス・パルマスはクロスの精度もあまり良くないな。
そんなこんなだったが前半ロスタイム、ゴール正面でFKを得たラス・パルマスはサウル・ココの素晴らしい無回転シュートが決まり先制。このファールをしたのもピノである。ちょっと落ち着きなさい。

後半。ビジャレアルはピノ→モラレス。ピノは怪我したとのこと。
開始早々にラス・パルマスがPKで追加点。ゴール前の競り合いでアイサ・マンディの手に当たってしまった。これで0-2に。

その後もビジャレアルが攻撃を繰り返すが運もなく、なかなかゴールが遠い。カプエが引き続きめちゃくちゃ走っている。
最終盤、ロスタイムに入ってから途中出場のジェラール・モレノが凄いミドルシュートを決めて1点差まで迫り、最後はアルベルト・モレノに触ればゴールの場面なども訪れたがここまで。ビジャレアルはオープンな展開になるとスルロットがあまり生きなくなるのは気になるところ。
ラス・パルマスは今季初の連勝で勝ち点を11まで伸ばした。得点はどちらもセットプレーで引き続き得点パターンはなかなか厳しいが、クローズが下手というよりもクローズする気あんのかみたいな終盤の過ごし方は果たしてこれでいいのだろうか。

●ピックアップ選手
ジェラール・モレノ(ビジャレアル)
途中出場だったがさすがの存在感。彼がトップフォームに戻らないとなかなか浮上のきっかけは見えてこない。



⑦アトレティコ 2-1 ソシエダ

●支配の最後は幸運で

10/8
シビタス・メトロポリターノ
アトレティコ 2-1 ソシエダ
【アトレティコ】'22 リーノ '89 グリーズマン(PK)
【ソシエダ】'68 オヤルサバル

フルマッチレビューはこちら!

●ピックアップ選手
サムエウ・リーノ(アトレティコ)
前半の先制ゴールは嬉しいアトレティコでの初ゴール。その後の試合の流れを決めた。



⑧セルタ 2-2 ヘタフェ

●チグハグな展開に泣く

10/8
エスタディオ・デ・バライードス
セルタ 2-2 ヘタフェ
【セルタ】’24 バンバ ’43 ラーセン
【ヘタフェ】'2 マジョラル '33 グリーンウッド


昇格組のアラベス&ラス・パルマスから1ポイントしか取れなかったセルタは難敵ヘタフェをホームに迎える。まだ得点のないイアゴ・アスパスは前節ついにスタメンを外れたが浮上のきっかけを掴めるか。
相変わらずの筋肉サッカーで上位を苦しめるヘタフェは今季アウェー未勝利(1分3敗)。粘り強く勝ち点を狙う。

試合は前半2分、蹴っ飛ばしたらボルハ・マジョラルが一人で抜け出す。なんでやねん。落ち着いてGKをかわして決めた。
そしてCKのニアサイドでウナイ・ヌニェスがマクシモヴィッチに蹴っ飛ばされてPKゲット。まだおれはヘタフェの配置もわかっていない状態。そして今季まだ無得点のアスパスがポストに当てて失敗。PK得意GKのソリアは触れそうだった。さすが。

セルタはラーセンが右に左に動いてハイボールを待つ形で前進する。バンバとアスパス含めて割と自由に動き回る。カルレス・ペレスが相変わらず豪快に外している。
24分に同点。バンバとデラトーレの2人でポジトラをやり切ってゴールまで。ヘタフェはサイドを駆け上がるデラトーレへの対応が緩かった。相変わらずヘタフェはカードが早く、27分までにマクシモヴィッチ以外にもドゥアルテとジェネもカードをもらう。ジェネはすでに5枚目。30分にはドゥアルテが2枚目をもらって文句無しの退場グッバイ。次のプレーでハイメ・マタにもイエロー。可能なら少し落ち着いて欲しいがたぶん不可能。
33分にスタルフェルトがハイボールに激緩な対応をしてマジョラルに抜け出されグリーンウッドに初ゴール。退場したのに勝ち越した。
ただ、前半のうちにセルタは左のクロスにアスパスがどフリーで合わせてこぼれ球をラーセンが決めた。ヘタフェは人が減ったからかわからんがゴール前スカスカ。なんだか不思議な試合だ。

前半終了にかけて、バンバの突破をダミアン・スアレスが手で止めるとバンバが思いっきり悪口言って揉める。その後、スアレスは得意のボールのないところでの肘打ちをお見舞いして終わった感じになっていった。

後半。一人減ったのでヘタフェは仕方なくアレニャ→アルデレーテ。
55分にアクシデントがあり、審判が交代した。怪我かな?
結局後半を通じてボールを握って攻め続けたセルタだったが度々飛び出すソリアのパラドンもあってゴールを破れない。久しぶりに見たセルタだったが、良くも悪くもアスパスを意識する部分が減ったのかな、という感じ。ただ試合終盤のどうしてもここで一点、という場面においてはアスパスを意識した方が良い気もするが。ベニテスが見ているのはもっと長いプロジェクトなのだろう。
ヘタフェは自由にしてもらっていいんだがヘイトを溜めすぎないように。

●ピックアップ選手
ダビド・ソリア(ヘタフェ)
今週もよく止めた。後半はCBとコミュニケーションが取れず危ない場面が複数あったが、今季も残留に導けるか



⑨アラベス 1-1 ベティス

●狙った形が出たのはどちらか

10/8
エスタディオ・デ・メンディソローサ
アラベス 1-1 ベティス
【アラベス】'35 OG(ベジェリン)
【ベティス】'32 アヨセ・ペレス

ホームではセビージャとバレンシアに勝っている昇格組アラベスはベティス戦。スコアレスが5試合もありなかなか苦しいが、消耗戦に持ち込みたい。この日はルイス・リオハがキャプテン。
調子の上がりきらないベティスだがELはスパルタ・プラハに勝ってこの試合に。ラリーガとEL合わせて3戦連発中の18歳アサネ・ディアオに注目。

ストライカータイプをトップに置かないベティスは右WGディアオの質優位を中心に。なるほどこれはなかなかのパワー。スピードも凄い。
この日のアラベスはグリディが中盤でプレー。このチームは相変わらず相手最終ライン手前のコンビネーションが上手く、ベティス相手でも決定機は作れそう。10番のハジがトップ下でボール回しを加速させる。意外と大外をSBが取ってWGを内側に入れるのが上手く、リオハも内から外へのランニングでチャンスメイクした。引き続きストライカー次第かな。ところでリオハはネタにしがちだがオフザボールはガチ。一瞬のスピードがとんでもないのでいい立ち位置を取れれば相手を置き去りにできる。変な才能。

アラベスの守備は両WGをSHがどうにかする対応。どこまで保つか。ベティスは得意のロングボールからチャンスを。この日はGKもブラボなので背後まで高品質のボールが出てくる。ロドリのポスト直撃のシュートを演出するなどした。

ベティスの先制は32分、ギド・ロドリゲスのミドルシュートにプレッシャーが掛からず、GKシベラもちょっとファンブル。アヨセ・ペレスが上手く詰めた。ミスとは言えないまでも防げた失点だが、アヨセは最前線で使われて仕事をした。
しかし直後にセットプレーで追いつく。アラベス、降格前とは別物になってけど普通に好きだな。いいチーム。

ベティスは後半からギドに替えて、ウィリアム・カルバーリョ。これでより中央のボール保持に傾倒する。アラベスは撤退する時はがっつり引くが、二次攻撃をあまりされない要素はなんだろう。ロドリはイスコを解放するために必要に見えるがイスコをイライラさせていたのもまたロドリだった様子。
その後アブデに変わったが、右から進む形が良かったので左にもWGを置くのはどうなんでしょうね。ただディアオも下がったわけだが。
アラベスは我らがサム・オモロディオンを入れたりアルカインを入れたり。足が攣ったハビ・ロペスを下げたり。この選手良かったね。21歳。
選手交代で優位性を生めないのはベティスのテーマなのかもしれない。アラベスはそれとなく守り切りの体制。何なら反撃もできていた。ロスタイムにはウィリアン・ジョゼがセドラルに羽交締めにされ、ひっくり返ったジョゼのスパイクでセドラルの手を蹴ってしまったが、これが一発退場になるのはちょっと可哀想。結局1-1のまま試合を終えた。

5試合勝利なしのアラベスだがこの試合単品で見ればベティス相手にドローは上出来。規則正しく戦い、可能性を示した。ベティスは前線の配員が悩ましいところ。起用はミッドウィークのELとの兼ね合いもあるだろうが、別にこれがベストメンバーというわけでもなく。ペジェグリーニは相変わらず頑固にターンオーバーする監督なのでこういう日もある。

●ピックアップ選手
ヤニス・ハジ(アラベス)
個人的に(たぶん)初見だったアラベスの10番。トップ下ポジションのボール関与が割とラストサードの質を決める今のアラベスではかなり重要な仕事。ボールの扱いが上手く期待値は高い



⑩グラナダ 2-2 バルサ

●ニュースターの輝きで

10/8
ロス・カルメナス
グラナダ 2-2 バルサ
【グラナダ】’1 ’29 サラゴサ
【バルサ】’45 ヤマル '85 セルジ・ロベルト

最適解を見つけられず試行錯誤するグラナダはホームにバルサを迎える試合。止まらない失点をいかに抑えるか。
無敗のバルサはCLも2連勝と好調。

17秒でグラナダが先制。1stプレーでガビからボールを攫ってサラゴサが上手く抜け出した。シュートもしっかり枠へ。

グラナダの守備はよく準備されていて、左SHはカンセロを警戒して最終ラインに吸収される。右はウズニが内側を警戒し、ガビへのパスコースを埋めた。先季アトレティコのジョレンテがやった対応に似ている。それでも進んでくるバルサはさすがに上手かった。
バルサは内側に絞ったWGがフリックしてIHがすり抜けていく形をけっこう狙っていた。ハーフスペースの部位破壊。
途中からはサラゴサが左に移動して完全に5-4-1に。これも準備されていた感じ。そしてグンバウがプレスを外してサラゴサの裏一発。クンデを振り切るとんでもないクイックネスでこの日2点目。最後はお洒落だった。その後はクンデが怪我で途中交代する嫌な感じ。それでも前半のうちに1点返したのはバルサの強さ。ゴール前の混戦から最後はヤマルが初得点。

後半。バルサは相手を押し込んでの縦パス部位破壊が極まってくるがグラナダが耐える。グラナダはもう少しトランジションに狙いを持ちたいところ。速い縦パスを狙ってる相手だからカウンターは打てそうなんだが。
バルサは60分頃フェルミン・ロペス→セルジ・ロベルト。なんでだろう。フェルミン良かったけどね
グラナダは縦パスを怖がらない5バックの設計が上手かった。色んなシステムを経験してる強みがあるチームって感じで。GKアンドレ・フェレイラもよく止めている。単独で2人抜かれるような箇所がない限りは逃げ切れそうな気配を見せながらボイェのとんでもないロングボールの収め方で度々カウンターを打っていく。
85分に同点に。ガビからバルデ、最後はセルジ・ロベルト。押しただの殴っただので揉めたが得点が認められる。直後にグラナダはブライアン・サラゴサがハットトリックチャンスを迎えたがポストに当てる。忍ばせたナイフを最後まで振り回す勇敢な戦いを見せた。
バルサは時間をかけて縦パスを刺していく形を狙っていたので前半の2失点は誤算だっただろう。ロスタイムにはフェリックスのヘディングが決まるがオフサイドで取り消し。同点までで試合を終えた。

●ピックアップ選手
ブライアン・サラゴサ(グラナダ)
バルサ相手の2発。走り出したら止められないスピードでハットトリック未遂。世界に自己紹介した。試合後スペイン代表に初選出。スターダムを駆け上がる。



●まとめ

早いもので日程の約25%を終えた23-24シーズン。
上位は3強と絶好調のジローナで争う形に。
今季の特徴は3強を追いかける第2グループが全部不調なこと。
ベティスは主力離脱とフェキルの怪我。そしてボルハ・イグレシアスが無得点とまさかの誤算。
ソシエダは序盤の不調は脱したがマドリー、アトレティコに負けてすでに2敗。
セビージャは先季のEL優勝も全く波に乗れず、ここでメンディリバルを解任。
ビジャレアルはさらに状況が悪く、セティエンを解任しても主力放出の穴が大きすぎて状態が上向かない。
代わりに堅調なアトレティック、ラージョが上位にいるが3強崩しは難しいだろう。ヘタフェ、カディスが勝ち点を積めているのも納得の状況。ラリーガのバロメーター。

昇格組はラス・パルマスがここ4戦で3勝して浮上。今週は直接FKとPKで勝ったが、引き続きかなりボールを持てるが前線のリソースが足りず得点パターンに乏しい。この課題を抱えたまま残留まで辿り着けるか。
セグンダを優勝してきたグラナダは守備に苦しむ。ここまでクリーンシートなしの23失点はアルメリア(24失点)に次ぐワースト2位。一方で15点取れている得点力は魅力で、ブライアン・サラゴサのスピードはわかっていても止められない。クンデを振り回すパフォーマンス。パコ・ロペスの運用次第で浮上の可能性を見せる。
アラベスは勝ちが遠いが説得力のあるサッカーを見せている。中盤に怪我人が出た時が怖いが、この強度を保ちたい。

絶不調アルメリアはいつのまにか監督も変わっていたので静観。セルタはここからの上積みは厳しそうなので現有戦力の気合いが求められる。降格予想第二弾はまたの機会に。

さて、代表ウィークを挟んで10月はクラシコもある。ジローナの進撃をどこが止めるか。お楽しみに。次は10月スペイン代表の記事です。

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