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【アトレティコ・マドリー選手名鑑23-24】遠い旅の空の下で

23-24シーズンも終了。今年の選手名鑑です。画像を送ってくれた皆様、ありがとうございました。

今年のタイトルはストレイテナーの「ネクサス」の歌詞から。僕らはたまたま同じ船に乗り合わせただけの赤の他人。サッカークラブってのはそういうもの。今日を大切にしながら、行きましょう。




GK

13.ヤン・オブラク(31歳🇸🇮)

ラリーガ:38試合(スタメン38試合)43失点
国王杯:5試合(スタメン5試合)7失点
スーペルコパ:1試合(スタメン1試合)5失点
CL:10試合(スタメン10試合)13失点

主力度指数:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
今季のタスク:大魔神
良かった点:インテル戦2ndレグ

公式戦全試合にフル出場した大魔神。気づけばアトレティコ生活10年目となった。ちなみにラリーガ38試合フル出場はこれが4度目。すごい。
なんだか目立たないシーズンではあった。当然チョンボがあるわけでもなく、チームがそれどころじゃなかった事もあり彼のセーブがチームを救うケースも少なかった印象。ビルドアップは安定。ただし、ラインを高く設定しようにもオブラクの守備範囲が課題になる場面は割とあったように思う。これはないものねだりではある。

CLでは例年のように不可欠な存在だった。インテル戦ではビッグセーブ連発。止める気しかしなかったPK戦で2本止めてヒーローになった。当たり前のパフォーマンスを一番大事な試合に出せるのは最高にプロフェッショナルだ。オブラクが重宝され常にトップクラスである理由はここにあるでしょう。外的要因に左右されないメンタル。足りない要素を補って余りある存在価値を示した。



1.ホラティウ・モルドヴァン(26歳🇷🇴)

ラリーガ:出場なし
国王杯:出場なし
CL:出場なし

主力度指数:⭐️
今季のタスク:もしもの備え

良かった点:来てくれた事

冬にルーマニアのラピド・ブカレストから移籍してきたが結局オブラクが全試合に出場したので出番なし。来季はどうなるやら。僕はホラっちょと呼んでいます。




DF

2.ホセ・マリア・ヒメネス(29歳🇺🇾)

ラリーガ:22試合(スタメン14試合)0得点
国王杯:3試合(スタメン3試合)0得点
スーペルコパ:1試合(スタメン1試合)0得点
CL:7試合(スタメン6試合)0得点

主力度指数:⭐️⭐️⭐️⭐️
今季のタスク:ハイライン維持

良かった点:全方向カバー

今季もちょこちょこと欠場しながら。特に2月のマドリーダービー、3月のバルサ戦、国王杯準決勝アトレティック戦の2試合、そしてCLインテル戦2ndレグを欠場しているのは印象が宜しくない。筋肉系は慢性的なものでもあると思われるので、別に彼個人の耐性がどうこうという次元でもないのだろう。おそらく。
ただしクラブも"ヒメネスがいないとチームが回らない"という編成にしているはずもなく、ヴィツェルが真ん中をやったりパウリスタを獲得したりといなくてもそれなりにどうにかなる。それはそれで悲しいが。
猛獣のようなボールへのアタックとハイラインを実現するスプリントはヒメネス最大の魅力で、やはりいる試合は設定がシメオネの希望通りになっていく。当たり前だが毎週いた方がいい。中央から繰り出すハイサイドへのロングボールも信頼がある。あとはコーチングがいいね。いるだけで安心感がある。特にヴィツェルとコンビを組むとお互いに担当役割を話し合って上手く分担できていた。
ハイライトはCL準々決勝ドルトムント戦で、180分通じてフュルクルクを完璧に封じていたベストパフォーマンスだったが、2ndレグ71分にザビツァーのパーフェクトなクロスにフュルクルクのパーフェクトなヘディングが飛び出して悔しい思いをした。彼の責任ではないがまだまだ道半ば。来季はウルグアイの小僧がスペインへ来て12シーズン目。ついに30歳となる。



3.セサル・アスピリクエタ(34歳🇪🇸)

ラリーガ:25試合(スタメン14試合)0得点
国王杯:2試合(スタメン1試合)0得点
スーペルコパ:1試合(スタメン0試合)0得点
CL:6試合(スタメン3試合)0得点

主力度指数:⭐️⭐️⭐️⭐️
今季のタスク:あらゆるポジションの起用
良かった点:キャプテンシー

チェルシーでビッグイヤーを獲った男が14年ぶりに母国復帰。5バックで戦うアトレティコからするとHVとWBのどちらも対応できるベテランの補強はピンズドだった。人とボールに強い守備能力は想定通りで、保持局面ではビルドアップよりも敵陣侵入で特徴が出た。というかけっこうビルドアップは下手。鋭い縦パスと献身的なランニングでサイド攻略の選択肢を増やした。必殺のアーリークロスもモラタと相性が良い。そしてスローインがとにかく上手い。
国王杯マドリー戦で怪我をして離脱したがCLインテル戦2ndレグに復帰。延長戦にいきなり投入されてPK戦に至る流れをまとめ上げた。クラブはこういう仕事をしてくれる選手を求めていた。ラインズマンとずっと揉めていたのはなんだったのか。
不思議とアトレティコ自体がアスピリクエタを必要とする方向に変化していっている気がする。生まれついてのカピタン。最終ラインの便利屋として、コケを助ける存在として不可欠な選手になった。



4.チャグラル・ソユンジュ(28歳🇹🇷)

ラリーガ:6試合(スタメン1試合)0得点
国王杯:1試合(スタメン1試合)0得点
スーペルコパ:出場なし
CL:2試合(スタメン0試合)0得点

主力度指数:⭐️
今季のタスク:オールドスクールCB

良かった点:なし

アトレティコが求めていた無骨なCBでありながら起用は限定的。冬にレンタルでフェネルバフチェへ移籍した。プレシーズンのイメージは良かったが、国王杯ルーゴ戦でビルドアップを狙われたりとなかなか厳しかった。
トルコでは順調に試合に出ていたが怪我をしてEUROを欠場するとの事。スペインに戻る意思はあるのでしょうか。



4.ガブリエウ・パウリスタ(33歳🇧🇷)

ラリーガ:5試合(スタメン5試合)0得点
国王杯:出場なし
CL:出場なし

主力度指数:⭐️⭐️
今季のタスク:ヒメネスのバックアップ

良かった点:戦術理解の速さ

バレンシアとの契約のゴタゴタなどで冬に加入。ソユンジュの移籍やヒメネス、アスピリクエタの怪我などで冬にもう一枚CBを補強したかったアトレティコからすると経験豊富なベテランの獲得は渡りに船であった。
ドライな事を言えば、結局そんなに起用しないで済んだのはアトレティコ的にはレギュラーの離脱が少なかったという事なのでそれ自体は悪くない事だった。純粋なCBが案外少ないスカッドで、ヒメネスの代替としてラリーガ5試合に出場。このクラスでまだまだ通用する事も示した。
28節のカディス戦では判断ミスから失点も招き、その印象が良くなかったのかそれ以降全く使われなくなってしまった。いてくれればもちろん助かるが、プレータイムを求めるのなら移籍でしょう。ただ、難しい時期にアトレティコに来る事を選んでくれたのは凄く嬉しかった。元々好きな選手だし。ベテランCBを探しているクラブでもう一花咲かせてほしい。



15.ステファン・サヴィッチ(33歳🇲🇪)

ラリーガ:23試合(スタメン19試合)0得点
国王杯:3試合(スタメン2試合)0得点
スーペルコパ:1試合(スタメン1試合)0得点
CL:6試合(スタメン4試合)0得点

主力度指数:⭐️⭐️⭐️
今季のタスク:タイマンバトル
良かった点:テュラムとのじゃれ合い

久しぶりに大きな怪我のないシーズンだったが、プレータイムは減った。ヒメネスが健康なら右CBはヴィツェルが起用され、さらに新たにアスピリクエタとも争う事となった。複数ポジションをこなせる彼らとの争いで後手に回ったのは仕方のない事。
CB一本の選手として持ち前の危機察知能力で広いカバーエリアを守ったがやはりプレス回避やコケのサポートではなかなか貢献できず、年々変わっていくアトレティコDFの需要から少しずつ離れていっている印象がある。失点が嵩みゴール前の堅さが要求された時期にも重用されなかったのは本人としてもなかなかきつかったと思う。
サヴィッチにとって象徴的だったのは国王杯準決勝でアトレティックに完膚なきまでにボコボコにされた試合と、逃げ切りが求められたドルトムント戦の2ndレグ、4失点したチームでピッチに立つ事すらできなかった事。キャリアの岐路に立つ選手だが、個人的にはあの試合を受けて"自分が出ていれば勝てたのに"と思っていて欲しいなと思っている。サヴィッチって、そういう男でしょう。だからもう一年、と思っていて欲しいなと思っている。
残留すれば来季でアトレティコ移籍10シーズン目。レジェンドとしてクラブを去るのならば、タイミングは今ではない。



16.ナウエル・モリーナ(26歳🇦🇷)

ラリーガ:30試合(スタメン19試合)2得点
国王杯:5試合(スタメン4試合)0得点
スーペルコパ:1試合(スタメン0試合)0得点
CL:10試合(スタメン10試合)0得点

主力度指数:⭐️⭐️⭐️⭐️
今季のタスク:右サイド占有
良かった点:宇宙開発シュート

リーグベストの右SBと言って差し支えなかった先季の衝撃と比べるとトーンダウンしたシーズンとなった。モリーナの特徴は大外レーンを独占できる点にある。守備ではヴィニシウスクラスの相手でもサポート不要でタイマンバトルを続け、ビルドアップで最終ラインを助け、左から侵入していく局面では一人でサイドチェンジを待ち、ボールが来れば敵陣深くまでランニングしてクロスを上げる。カウンターでも先頭を走ってシュートまで持ち込める選手。相手のSBとWGを一人で相手にしながら決定的な仕事をする。
その特徴を失ったわけではないが今季は各局面で少しずつクオリティが足りなかった。特に敵陣侵入のコンビネーションで周囲の意図を把握できずに手詰まりになってしまう場面が散見。なんとなくコレアがいる時の方がプレーしやすそうだったが、あいにく今季はコレアのプレータイムが多くなかった。
そうなると得点が欲しければジョレンテ、バランスと守備力を重視すればアスピリクエタ、となってしまうのは当然の流れで配置変更のために前半だけで交代される機会が非常に増えた。そしてプレータイムが減ってもほぼ休みなくプレーした先季よりパフォーマンスが上がる事がなかったのはなかなか誤算。結局徐々に使いにくくなっていった。アトレティコがSBに求めるタスクを考えれば重要な選手である事に変わりはないので来季はもう一度リベンジのシーズンとしたい。



17.ハビ・ガラン(29歳🇪🇸)

ラリーガ:5試合(スタメン0試合)0得点
国王杯:1試合(スタメン1試合)0得点
スーペルコパ:1試合(スタメン0試合)0得点
CL:2試合(スタメン1試合)0得点

主力度指数:⭐️
今季のタスク:4バックの可能性
良かった点:なし

セルタから加入。左SBで期待されたが対人強度を出せずになかなか試合に使いにくくなった。CLセルティック戦で相手選手のスピードに苦しみ、なかなか起用すべき機会が思い浮かばなくなってしまった。
冬のソシエダ移籍後は、そもそもソシエダに怪我人が出たから必要とされたわけだが、左SBのポジションを掴み活躍していた。CLのパリ戦も2試合とも先発。当然どのクラブでも必要とされる能力を持っている事をあらためて証明した。来季のアトレティコが4バックなのか5バックなのかで運命が変わりそう。



20.アクセル・ヴィツェル(35歳🇧🇪)

ラリーガ:35試合(スタメン30試合)2得点
国王杯:5試合(スタメン5試合)0得点
スーペルコパ:1試合(スタメン0試合)0得点
CL:10試合(スタメン10試合)0得点

主力度指数:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
今季のタスク:空中戦マイスター
良かった点:異常な稼働率

突然4000分プレーした35歳。今が全盛期。CLも10試合全てに先発。ついでに国王杯も全てフル出場している。2年も見ていると「逆になぜこれまでは中盤だったんだろう」みたいな気持ちになるから不思議である。
今季は主に3CBの右で。ヒメネスがいない日は真ん中でプレー。ビルドアップ魔人のイメージはいつの間にか薄れ、むしろ空中戦を制するアフロモンスターであった。ビルドアップは7節オサスナ戦で狙い所にされるなど勉強もあるシーズンとなった。
ライン間でHVが前向きに潰しに出ていく形を作っていたチームでは得意な対応が増えて攻撃的な守備機会が増えたのもヴィツェルらしくて良かった。ファールにならずに奪うのが上手。ファールする事に命を賭けているアスピリクエタとエルモソに教えてあげてほしい。
自陣ではサポートの距離が適切な事とPA内の対応が冷静な事。野生の勘みたいなものに頼らない準備力があった。特にヴィニシウスの対応を得意とし侵入ルートで捕まえまくった。ポケット取られた後の対応が上手。
被カウンターではゴール方向に戻りながら適切な処理を選べるのが強み。良いスライディングでピンチを防いでいった。13節ビジャレアル戦では嬉しい移籍後初ゴール。30節の同じくビジャレアル戦でもリケルメのCKに合わせて先制点を奪っている。
通算81試合に出場しているCLだが準々決勝に進んだのはベンフィカ時代の11-12シーズン以来12年ぶりだった。古巣のドルトムントに2戦合計5失点で敗退。これが"もう一年"のモチベーションになった事を願う。



22.マリオ・エルモソ(28歳🇪🇸)

ラリーガ:31試合(スタメン29試合)0得点
国王杯:4試合(スタメン3試合)0得点
スーペルコパ:1試合(スタメン1試合)1得点
CL:9試合(スタメン9試合)1得点

主力度指数:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
今季のタスク:ビルドアップ
良かった点:守備以外の全て

今季も3CBの左で。特徴である攻撃参加は、先季はゴール前に顔をだす事に特徴があったが今季は特にコケの隣に立つ形が確立されていき、ほぼCHとして組み立ての中心キャラであった。彼の立ち位置と配球がリーノに相手SBとの1vs1に集中できる環境を作り続け、このシステムは実質エルモソシステムなんだなと。
守備能力の低さは、常に悩みの種であった。もうこれについては何も言えない。そういうものと思うしかない。改善される事もなかったし、シメオネがそれを期待している様子もなかった。そしてヘディングはめちゃくちゃに強かった。チームの失点数をいつまで経っても減らせず、試合を見ているとそれがどの程度エルモソに責任があるのかもわからず、いなくなると今出来ている事まで手離す事に繋がりそうで、良くも悪くもエルモソと心中しながら戦っていったが、それが正しい道なのかどうかも正常に判断できていたかは怪しい。
がむしゃらに、ひたすら熱く勝利を追い求める姿には共感もあった。だからこそエルモソは愛される選手なのでしょう。だからレギュラーだった。でいいんじゃないかな。

アトレティコに移籍して5年。おれがこのチームのレビューを書いた期間です。アトレティコは守備のチーム、それを一切否定せずに過ごした5年間でした。今だからやっと言える、君の事はずっとよくわからんかった。君がいなければレビューは、アトレティコのサッカーはもっと簡単だった。だからこそ沢山考えて沢山勉強したよ。君を追いかけた5年間でした。ありがとうね。



23.ヘイニウド・マンダヴァ(30歳🇲🇿)

ラリーガ:16試合(スタメン7試合)2得点
国王杯:2試合(スタメン1試合)0得点
スーペルコパ:出場なし
CL:1試合(スタメン0試合)0得点

主力度指数:⭐️⭐️⭐️
今季のタスク:元気に復帰する事
良かった点:元気に復帰できた事

昨年2月の前十字靭帯断裂から年末のセビージャ戦で復帰。一先ずはお帰りなさい。大怪我明けでプレータイムを制限しながらの起用だった事はもちろんあるが、それ以上に今のチームはエルモソを必要としておりなかなかヘイニウドがレギュラー扱いされる事はなかった。
本人が怪我を気にしてプレーしているとは思わないが、"もっと速かった気がする"という場面や"取れた気がする"という場面があったのは否めない。間に合うと思って飛び込んだ判断が間違えていたシーンなどもあり、身体がついてきていないのか心が追いついていないのかはまだ何とも言えない。
CLを勝ち上がる必要のあるクラブは、本当に戻るのかもわからないヘイニウドの本調子を待っている余裕がないのも事実。結果、起用されるとしても終盤に左WBで使われる事が多く、特に点が欲しい場面でクロスを上げる事を期待されると"攻撃シフトでヘイニウド?"という矛盾が付きまとった。
左利きのCBとSB兼用はアトレティコが必要としている選手であり、だからこそ本当にヘイニウドで良いのか判断が迫られる。



27.イリアス・コスティス(21歳🇬🇷)

ラリーガ:出場なし
国王杯:出場なし
スーペルコパ:出場なし
CL:1試合(スタメン0試合)0得点

主力度指数:⭐️⭐️
今季のタスク:馴染み
良かった点:でかい

CLのフェイエノールト戦でトップチームデビューしたが怪我の影響で後半戦は出場なし。Bチームでは5月12日の試合で復帰している(71分から途中出場)
シメオネはレンタルせず手元に置きたがっているなんて話もあった大型CBは補強もありそうな最終ラインのスカッドに残れるか。





MF

5.ロドリゴ・デ・パウル(30歳🇦🇷)

ラリーガ:34試合(スタメン25試合)3得点
国王杯:5試合(スタメン4試合)0得点
スーペルコパ:1試合(スタメン1試合)0得点
CL:8試合(スタメン8試合)1得点

主力度指数:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
今季のタスク:中盤の支配
良かった点:プレス回避

加入3シーズン目。プレータイムはこれまでで一番長くなったが引き続き功罪ある選手である。ドリブルで突き進んでいくプレーは間違いなくチームを動かし、プレス回避の主役となり幅広く動き回れる選手。ファールのもらい方も上手く、相手選手にダル絡みするのも得意なので味方にいると非常に助かる選手。ピッチを幅広く活用するという意味ではワールドクラスの選手であるが、創造性に乏しくコンビネーションプレーも上手くはない。アイディアが必要な場面ではピッチにいてもやれる事は少なく、守備面では自分本位なポジショニングと理解不能なタイミングでスイッチを入れる単独プレスがピンチを招く悪癖も全く改善されない。攻守ともに相手選手と距離が近くなるビッグマッチになると得意なプレーを連発できるがスペースを受け渡す、味方をカバーするといったプレーが要求されると途端にノーパワーに。いないと試合にならない日といても何もできない日が共存するややこしい存在である。

いつも楽しそうで躍動感がある選手なので、愛されキャラなのは感じるし彼とプレーするのが嫌だという味方もきっと存在しないであろう。そして改善が難しい事もわかっているので付き合い方なんだと思う。代替する選手次第で価値が決まる選手。来季は自身の更なる価値を示せるか。



6.コケ(32歳🇪🇸)

ラリーガ:35試合(スタメン32試合)0得点
国王杯:5試合(スタメン4試合)0得点
スーペルコパ:1試合(スタメン1試合)0得点
CL:9試合(スタメン8試合)0得点

主力度指数:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
今季のタスク:カピタン
良かった点:タッチダウンパス

カピタンの23-24シーズン。欠場は序盤の4試合だけで、その期間チームは1つしか勝てなかった。今季も中心であり支柱。そして魂だった。
システムが5-3-2で確定した今シーズンはアンカーポジションに固定。また、5-4ブロックを作る試合ではデ・パウルと中央のタスクを分けた。
今季はビルドアップのタスクが重く、3CBと近づいて前向きを作る作業を担当。また、高い位置に出てくるエルモソとポジションを分け合いネガトラに気を配った。敵陣では左サイドへ近づき、サポート役とやり直しを担当、サイドチェンジの出し手にもなった。右へ大きいボールを使って自分で右まで走っていってサポートする役割は見慣れていたが意味不明。フリーで前向きになるとコレアやメンフィスに決定的なタッチダウンパスを出して攻撃を活性化。インテル戦2ndレグ、メンフィスの得点のように、FWの足下に強烈にぶつけるラストパスにも磨きがかかる。アンカーポジションにいながら(というか動き回ってどこに行ったかわからなくなりながら)マークを離す事ができない厄介な存在であった。

5人交代時代になってからの印象だが、スピードとボディコンタクトに劣るコケは縦のスピードが速くなる試合終盤にタスクがなくなる傾向にある。その意味でもプレシーズンにこのポジションでバリオスを試したのは面白い取り組みだったと思う。

コケの存在は変わらない、と思いがちだが移り行くチームの中で毎年のように役割を変えているコケは本当に凄い。きっと来季も、チームが必要として、いつの間にか"コケにしか出来ない"となっている仕事をいくつも担当しているはず。その先にタイトル獲得がある事を心から信じている。



8.サウル・ニゲス(29歳🇪🇸)

ラリーガ:34試合(スタメン14試合)1得点
国王杯:4試合(スタメン3試合)0得点
スーペルコパ:1試合(スタメン1試合)0得点
CL:10試合(スタメン5試合)1得点

主力度指数:⭐️⭐️⭐️
今季のタスク:便利屋
良かった点:非保持の質

前プレ要員であり、トランジションのバトラーであり、撤退強度を補完する存在。そしてシーズンに1、2回くらい試合を決める貴重なゴールを決める存在。"こんな選手だったっけ"を毎年更新している気がするが中盤のオールラウンドな便利屋である事はずっと変わっていない。あと怪我しない。今季はルマルの負傷離脱もあり左IHとしてフィルターからFW役まで幅広く走り回った。アンカー横のサポートからゴール前の的まで同時にこなすタスク力は長年の積み重ねの賜物である。色々やっていた。
ただまあ、一人で何かをどうにかできる選手ではなく、攻撃が手詰まりになると交代の一番手になってしまうのは事実でフル出場は全部で8試合しかなかった。"このタスクだとサウルが最優先"という物の発見に苦戦している。ずっとそう。むしろ上手く使ったでしょう、シメオネは。強烈な対人守備の質と殺人タックルは真骨頂。空中戦に強いって本当に便利ですね、を地で行くタイプ。
アトレティコで生き残ろうとしたらコケのバックアップみたいな仕事になるのかもしれないが、本人がそれを望むとも思えず。今年もまた、悩ましい夏になる。



11.トマ・ルマル(28歳🇫🇷)

ラリーガ:3試合(スタメン3試合)0得点
国王杯:出場なし
スーペルコパ:出場なし
CL:出場なし

主力度指数:⭐️
今季のタスク:前3枚プレスのキー
良かった点:-

開幕4試合目のバレンシアでアキレス腱を断裂。長期離脱となった。プレシーズンから割と重要性が高そうだったIHの攻撃タスクを担当する選手が実質ルマルしかいないスカッドだったので残念。直線的なジョレンテやデ・パウルとの対比でライン間にルマルがいたら活性化しそうだなという気配は常にあった。
シーズン終盤の37節オサスナ戦で無事ベンチに戻ってきた。いない期間にチームは「ルマルがいたらな」という方向に進んでいる雰囲気があり、実は来季のキーマンかもしれない。



12.サムエウ・リーノ(24歳🇧🇷)

ラリーガ:34試合(スタメン25試合)4得点
国王杯:4試合(スタメン4試合)1得点
スーペルコパ:1試合(スタメン1試合)0得点
CL:7試合(スタメン6試合)3得点

主力度指数:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
今季のタスク:カラスコ
良かった点:連続性

バレンシアで左WGとして良い一年を過ごし、保有元のアトレティコに戻ってきた。アトレティコでは当然カラスコがやっていた左WBでプレーする事になり、カラスコと比べられる事が宿命付けられた。
個人的にこの選手は文句を言わずに継続できるのが良い所。結果が出なくてもメンタル的にブレない良さがある。それが、どう考えても過負荷な役割を背負う事に耐えられた要因でもあると思う。
目に見えたものは全て切り捨てる武士スタイルのドリブルが魅力だったが、アトレティコのWBである以上は2人引き付けてボールを離す要求があり、その仕事も十分にできていたように思う。また、雑にボールを蹴っ飛ばしてもちゃんと追いかける犬性能(とおれが呼んでいる)も高く、デ・パウルとグリーズマンの犬としてよく走っていた。おつかれ。守備も及第点。というか前任者が下手すぎた。

自分の仕事を覚えていきながら徐々にグリーズマンの位置を確認し始めるのはアトレティコに来た選手の通過儀礼で、必ずグリーズマンの居場所を把握する事を意識するようになってアトレティコの選手になっていった。36節ヘタフェ戦のグリーズマンの3点目はまさに"グリーズマンの居場所"に準拠したドリブルコースとスルーパスだった。この能力はカラスコを上回れるポテンシャルがある。
割と「今日決めたら格好いいぞ」という日に点を取るタイプで、愛され属性がある。左足でシュートが打てるのも良い点だが、惜しいで終わるシュートが多かった。これが決まり出すといよいよブラジル代表に呼ばれ始めるだろう。



14.マルコス・ジョレンテ(29歳🇪🇸)

ラリーガ:37試合(スタメン29試合)6得点
国王杯:5試合(スタメン2試合)0得点
スーペルコパ:1試合(スタメン1試合)0得点
CL:9試合(スタメン6試合)0得点

主力度指数:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
今季のタスク:全部
良かった点:ポリバレント

いつも鉄人だがまた一風変わった鉄人になった。とんでもなく足が速く体力がありボディバランスに優れて空中戦に強く、技術的に優れてチームプレーを心掛けるナイスガイ。非の打ち所がない。顔もかっこいい。なんか怪しい食生活をしている事ぐらいしか欠点がない。イメージだが緊急事態で誰かがGKやってPK止めなきゃいけない時に選ばれそうな男である。ちょっと見たすぎる。
今季はIHの起用が多かった気がするがモリーナが不調の時期は右WBを担当。試合途中に2度3度ポジションを変えるのが段々当たり前になっていき、非保持と敵陣プレス改善を画策した時期にはFWでも使われてしっかり点も取っていた。バランスを取れるのでスタメンMFで使いたいが試合終盤に縦のスピードを出したい時はWBで使いたい、をまじで一人でやり切れる能力は色々危ない。これに慣れるといなくなった時に絶望しそう。個人的にはWBで使った時のノーステップサイドチェンジが好きです。軌道が綺麗。
長い目で見た時にバリオスを手懐けた功績は割と大きい可能性があり、右サイドで良いコンビネーションを築いていた。バリオスはマッチョへの憧れがありそうな顔をしている(偏見)ので、どんどん距離が近づいていくと良いですね。とりあえず来季も健康第一で。死ぬほどキャッサバ食ってください。



25→17.ロドリゴ・リケルメ(24歳🇪🇸)

ラリーガ:34試合(スタメン17試合)3得点
国王杯:4試合(スタメン1試合)1得点
スーペルコパ:1試合(スタメン0試合)0得点
CL:8試合(スタメン2試合)0得点

主力度指数:⭐️⭐️⭐️⭐️
今季のタスク:未来
良かった点:ソリッド

先季ジローナで活躍して復帰したイケメンカンテラーノ。すぐ泣く。リーノと左WBのポジションを争いながら時々右でも使われた。25番で開幕したが冬に17番に変更。
本来はもう少しゴールに近い位置でプレーする選手のようにも思うが、よくやっていた。最初は守備対応が酷くてどうなる事かと思ったが徐々に慣れていった。一生慣れなかったカラスコはいったいなんだったのか。
パッと見た感じではリーノが直線的なドリブラーでリケルメは内側に侵入するテクニシャンに見えるが、どちらかというとリケルメの方が縦に速くガムシャラ。CLでも通用するスピードは魅力的だった。一番の強みは右足でファーサイドに落とすボールで、モラタと相性抜群。このボールはCKでも活かされた。
個人的にはライン間でグリーズマンのような仕事ができる選手だと思っているが、リーノと併用される際は必ず内側がリーノでリケルメは外側で使われる。FWに近づいて細かいコンビネーションを使える選手だと思うのでもっと新しいチャレンジをしていってほしい。
シーズン最大のハイライトはインテル戦の2ndレグロスタイムに試合を決めるシュートを吹かした事。そしてその後のPKを左隅にしっかりと決めた事。良い経験ができたはず。フルシーズンでプレーした今、もうリケルメはアトレティコの未来ではなく現在である。一段飛ばしに登って行かなければ置いていかれる世界だ。攻撃をリーディングできる選手に成長する事を期待している。



18.アルトゥール・フェルメーレン(19歳🇧🇪)

ラリーガ:5試合(スタメン2試合)0得点
国王杯:出場なし
CL:出場なし

主力度指数:⭐️⭐️
今季のタスク:投資
良かった点:新風

冬にアントワープから€18.0mで移籍してきたベルギーの若手有望株。このクラスの選手が10代のうちにアトレティコに来る事はなかなかないので驚いた。ベルギーA代表にも普通に呼ばれている。移籍してくる前にCLでバルサから得点も決めた。
20節ラージョ戦でアトレティコデビュー。右IHで使われた。びっくりするほどブロック守備の理解が低く、コミュニケーションの問題というよりはそもそも学んできていなそうな雰囲気があった。隣がバリオスだったので壊滅的。あとは圧勝だったラス・パルマス戦とボロ負けだったカディス戦で使われたが個人的にはノーインパクト。悪目立ちばかりしていたのは気の毒だったが使い道があまりわからなかった。38節ソシエダ戦ではトップに近い位置でプレーしてようやく特徴を発揮。囲まれても落ち着いてプレーできていたのとダイレクトフリックが上手かった。あとは自分がマークを捕まえている感覚が上手い。自分にIH張り付いてるからそっちから進んでください、この角度でサポートすれば自分もボールを受けられますね、みたいな周辺理解に長けている。攻撃に関しては守備と違い英才教育を受けている感があり、あらゆる意味で感覚派のバリオスと真逆。来季プレータイムを伸ばせるかどうかはフォーメーションと補強に左右されるがレンタルの手もなさそうなので、どうなるやらである。



21.ヤニック・フェレイラ・カラスコ(30歳🇧🇪)

ラリーガ:3試合(スタメン3試合)0得点

開幕3試合に出場したところでカタールのアル・シャバブへ移籍。
途中の中国旅行を挟んで7シーズンと少し、左サイドを駆け回った。望まれてアトレティコに移籍し、勝手にいなくなり、帰ってきたと思ったらまた勝手にいなくなる。プレースタイル同様掴み所がなく飄々としている。いつもしなやかでそんな素ぶりを見せずとも誰よりも速く、横に並んだ相手を置き去りにしてキックフェイントでGKをかわし、幾つもの重要なゴールを決めた。そんなカラスコが大好きだった。
アトレティコの選手として、CLで決めた初ゴールは2016年の決勝マドリー戦。非保持バランスを放棄してでも後半から投入され、79分にファンフランのクロスで大外に飛び込んで同点ゴールを叩き込んだ。中国から帰ってきた20-21シーズンには左WBで戦術の中心に。最後の10試合で4ゴール6アシストと獅子奮迅の活躍で自身初のラリーガ優勝を引き寄せた。シメオネのサッカーに必ず必要な選手だった。いつまでもずっと大好き。「一番好きなWGは」と問われればいつだって君の名前を叫ぼう。冗談みたいな体力で100mドリブルした後に3回切り返すんだぜって話そう。君は規格外で、ぶっ飛んでいたよ。また会おう。



24.パブロ・バリオス(20歳🇪🇸)

ラリーガ:24試合(スタメン17試合)0得点
国王杯:4試合(スタメン1試合)0得点
スーペルコパ:出場なし
CL:7試合(スタメン2試合)1得点

主力度指数:⭐️⭐️⭐️⭐️
今季のタスク:得意タスクの確立
良かった点:天才性

2022年10月に19歳でトップチームデビュー。そこから当たり前のように起用されてきた。迎えた2年目はプレシーズンでコケを代替するアンカーポジションでも試され中盤全ポジションの2番手のような立ち位置に。
意識的に筋肉量を増やしている様子が見られ、開幕からボディコンタクトを前面に押し出してプレーした。それが出来ないとこのチームでポジション取れなそうだなと本人が考えているのならとても喜ばしい事。
天才であるが故、周囲環境に無頓着で"ボールが来てから考えます"が癖になっていたが徐々に最低限グリーズマンの居場所を把握するようになったのは誰かに言われたのか自分で考えたのか。結果的にコケとの距離感も良くなり周囲とコネクトできるようになっていった。ライン間タスクをやらせるとアイディアが全く出なくなるのが可愛い所。生粋のMFです。だからこそアンカーは面白いと思うけどね。シーズン終盤にはジョレンテとのコネクトが良くなり右ポケットを取りに行く形を上手く作れるようになった。世渡り上手である。
ブロック守備は自分で立ち位置を決められないのが課題で、デ・パウルの位置取りの悪さに振り回されて穴を開ける場面も。彼自身スペースを把握できていないケースが散見され、攻撃は技術でどうにかなっていても守備ではまだまだお勉強。一発で足を出す癖も治らない。
とはいえまだ20歳だ。この年齢の時のコケなんて一生センタリング上げるマンみたいな選手だったわけでバリオスの方がよっぽど大人。アトレティコの最高傑作になってほしい。




FW

7.アントワーヌ・グリーズマン(33歳🇫🇷)

ラリーガ:33試合(スタメン31試合)16得点
国王杯:4試合(スタメン3試合)1得点
スーペルコパ:1試合(スタメン1試合)1得点
CL:10試合(スタメン10試合)6得点

主力度指数:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
今季のタスク:タイトル
良かった点:タイトルを取れなかった事以外の全て

今季は開幕から絶好調。10節セルタ戦のハットトリックまでにラリーガ9試合で7ゴール。CLもグループステージ6試合で5点取った。国王杯Round16のマドリー戦の延長、CLインテル戦の2ndレグで記憶に残るゴールも決めたまさにエース。ドルトムント戦の時期は足首の怪我の影響で本調子ではなかった事が悔やまれる。
今季は味方の組み合わせによって右と左を行き来し、どちらでも変わらないパフォーマンスを出した。本当に全く変わらない。すごい。時々話題になるが中盤外側の守備にも参加し、今季は組み合わせ次第でIHのような位置にいる事もあった。もちろん守備タスクを軽減し相手ゴールに近い位置でプレーした方が良いが、どこで何をしていてもあまり関係ないのがこの選手の凄いところで、今季あらためてそれを証明した。全コンペティションで24ゴール。アトレティコのエースは全身で叫んだ。「今が全盛期だ」と。何度もエンブレムにキスをした。「ずっと一緒だ」と。国王杯でマドリーを打ち破るゴールを決め、インテル相手に「死んでいない」と世界に伝えるゴールを決めた。
グリーズマンがやりやすいようにプレーできるのが勝利に近づく最適解であり、今季のそれは間違いなく相棒としてモラタを起用する事であった。あとは困った時に蹴っ飛ばす先としてのリーノ。そして自分に必ずパスをくれるコケ。自由人天然ボーイのバリオスでさえ、途中からは「グリーズマンの位置を確認すれば良いんだ」と気づき始め、チームの仕組みにハマっていく一助となった。このチームはグリーズマンが全てで、彼がボールを触る事でチームが動き始める。

大いなる目標は、また途中半端となった。別に、メガクラブに移籍しても良い選手でしょう。バルサに行ったっていい。プレミアに行ったっていい。でもグリーズマンはアトレティコを選んで、このクラブで頂点を目指す。CLはグリーズマンに連れていってもらう。同時にラリーガは周りが、グリーズマンにタイトルを取らせてあげるステージになったらいい。そんなチームになる事を夢見る。アトレティコは進む。グリーズマンと共に。まだ時間はある。



9.メンフィス・デパイ(30歳🇳🇱)

ラリーガ:23試合(スタメン9試合)5得点
国王杯:5試合(スタメン2試合)3得点
スーペルコパ:出場なし
CL:3試合(スタメン0試合)1得点

主力度指数:⭐️⭐️⭐️
今季のタスク:相棒
良かった点:インテル戦2ndレグ

シュートが上手い、決定力が高い、崩しの関与が上手い。開幕前はモラタからポジションを奪う勢いがありモラタがいじけていたし、実際開幕3試合で2ゴール。しかし調子が乗ってきたところで怪我をするタイプでそれがなかなか起用を難しくした。
プレシーズンからコレアとの連携が良く、グリーズマンのタスクを軽くする事もできる。トランジションで相手を背負ってボールを受けられる事もチームを助けた。モラタとの2トップだと全く仕事しなくなるのも特徴。

エポックメイキングなゴールも多く、インテル戦2ndレグの弾丸のような同点ゴールはもしCLを優勝するような事があれば今季を象徴するゴールとなるはずだった。PKも"外すはずがない"という蹴り方がチームを鼓舞した。その後のドルトムント戦を怪我で欠場したのは残念。
今季限りで退団となる事は心から残念。勝利に貪欲な姿勢は見ていて気持ち良く、通年健康で見たい気持ちもありつつ、このクラブで通年健康だったら出場機会に文句を言いそうでもある。やっぱり出ていった方が彼のためでしょう。引き続きオランダ代表でも重要な選手。新天地での活躍も楽しみにしている。



10.アンヘル・コレア(29歳🇦🇷)

ラリーガ:32試合(スタメン14試合)9得点
国王杯:4試合(スタメン2試合)1得点
スーペルコパ:1試合(スタメン0試合)0得点
CL:10試合(スタメン2試合)1得点

主力度指数:⭐️⭐️⭐️⭐️
今季のタスク:自分探し
良かった点:価値の証明

開幕から15試合でスタメン機会は2回だけ。2得点。出場時間に悩んできた近年以上に試合に出られない日々が続き冬には一度サウジアラビアへの移籍も決意した。それ以降も特に待遇が変わったわけではないが、出番が回ってくれば自分の仕事をした。どんな状況でも自身の得意なプレーを表現する姿はプロフェッショナルで、そしてこれまで9年間の積み重ねを感じた。スタメンで出場した試合だけで見ると16試合で9ゴール。意外だが過去に2点しか決めていないCLでは準々決勝ドルトムント戦2ndレグで一時再逆転となるゴールを決めてヒーローになりかけた。結局先季を上回る合計11ゴール。
どんな局面でも全力で、トップスピードでもテクニカル。簡単にポケットを取り切るプレーはワンチャンスでゴールを生み出した。前プレを画策したチームでは貴重な前線プレスの担い手としても躍動。間違いなく存在価値を示したシーズンだった。しかし先季に続きシーズンの行方が決してから出場機会が増えており、本人の満足値は確実に低い。去年も同じ事を書いたがアトレティコの目標が変わらない限りはコレアの待遇が改善される事は考えにくい。不動のレギュラーとなる日は永遠に訪れない。だからこそ冬の移籍騒動もクラブ側は「金銭的な問題をクリアすれば」という態度であった。ダメだよと言える状況ではないので。それも今後も変わらないだろう。



19.アルバロ・モラタ(31歳🇪🇸)

ラリーガ:32試合(スタメン21試合)15得点
国王杯:5試合(スタメン3試合)1得点
スーペルコパ:1試合(スタメン1試合)0得点
CL:10試合(スタメン8試合)5得点

主力度指数:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
今季のタスク:ゴール
良かった点:キャリアハイ

今季は開幕から5試合で5ゴールと量産すると半分の19節までで12ゴールをあげてキャリアハイのシーズンになるかと期待されたが、後半戦は3ゴールに終わった。なんでやねん。全コンペティション合計だとマドリー時代の16-17シーズンとユベントスの20-21シーズンの20ゴールを上回るキャリアハイの21ゴール。特に先季無得点だったCLではグループステージで5点を集めた。決勝トーナメントで無得点だったがまあそれはそれ。
グリーズマンの相棒争いではメンフィスの方が良いのでは、という雰囲気があってポジションを失う可能性がチラつくと敏感に察知して移籍を匂わせるなどしていたが結局メンフィスに負傷離脱が多かったので暫定レギュラーとなった。とはいえ実はラリーガのスタメン出場は先季の23試合より少なくなった(21試合)。意外です。そして欠場した試合のチーム成績が良いのも気の毒(5勝0分1敗)
ダイレクトシュートが上手いので今のアトレティコには合っているのだがどうにも「もう少し」を期待したくなる箇所が多い選手である。ずっとそう。ストライカーの宿命だがドルトムント戦2ndレグなど重要なシュートを外したのも印象深い。流石に上積みを期待できる年齢でもなく、間違いなくキャリアハイペースだった今季がこの終わり方だとなかなか考えさせられるものがある。



30.サリム・エル・ジェバリ(20歳🇲🇦)

ラリーガ:1試合(スタメン0試合)0得点
国王杯:出場なし
スーペルコパ:出場なし
CL:出場なし

主力度指数:⭐️
今季のタスク:-
良かった点:-

28節カディス戦でトップチームデビュー。U-23モロッコ代表でもプレーする。たぶん左WGが主戦。Bチームではレギュラー。縦突破が得意な左WGは現状トップチームに需要はないがライバル不在である事も事実。



39.アブデ・ライハニ(20歳🇲🇦)

ラリーガ:1試合(スタメン0試合)0得点
国王杯:出場なし
スーペルコパ:出場なし
CL:出場なし

主力度指数:⭐️
今季のタスク:-
良かった点:-

32節アラベス戦でトップチームデビュー。彼もU-23モロッコ代表。でかくて電柱型のFW。PA内の仕事に自信がありそうでかなりボールを呼び込んでいた。ちなみにBチームでも途中出場がメインでアラベス戦以外はトップチームのベンチに一度も入っていない。




以上29選手。全員好き。
これまで以上に入れ替わりの多い夏になりそう。特にサヴィッチ、エルモソ、サウル、メンフィスあたりはもう具体的に移籍交渉が始まっている様子。モラタとオブラク、コレアは状況次第なのかな。夏も楽しんでいきましょう。

最後は総括記事を書きます。まだ1文字も書いてなくて震えている。最後までよろしくお願いします。

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