【ラリーガ24-25全マッチレビュー】第2節
ラリーガ2節全部見た。
①セルタ 3-1 バレンシア
●ビルドアップスタイル
8/23
エスタディオ・デ・バライードス
セルタ 3-1 バレンシア
【セルタ】'23 ミンゲサ '28 アスパス '60 ベルトラン
【バレンシア】'14 ディエゴ・ロペス
なんとなく開幕戦でスタイルの見えた両チーム。概ね形は変えずに2節。セルタは連勝を、バレンシアは連敗阻止を狙う。
セルタのビルドアップをバレンシアの4-4-2が待ち構える展開。セルタはHVの持ち運びを増やし、相手のブロックを動かす狙いを持つ。
バレンシアの先制点は14分。セットプレーの流れからだったが、なんでそんなとこにスペースがあるねんという形を作り、最後はラファ・ミルがバイシクルで折り返したところにディエゴ・ロペスがフリーになっていた。19分コレイアがスペースを得てミンゲサを股抜きでかわして決定機。個人の感想ですが、コレイアが高い位置で勝負できる環境は相手の守り方に問題がある気がする。
セルタは愚直にビルドアップ。24分にはアスパス付近に3人固まってフリーの前向きを作り大外のミンゲサへピンポイントのアーリークロス。3-4-2-1で配置している狙いが顕在化した同点ゴール。アスパスのボールも良かったしミンゲサはさすがミンゲサ。バレンシアは完全に大外が一枚足りなくなった。
直後にトランジションで前方に広いスペースを持ったミンゲサが運び、上手に溝をついたアスパスが綺麗にゲット。アスパスすぎるゴールで前半のうちにホームチームがひっくり返した。
トランジションでミンゲサ周辺にスペースを与えてしまった原因は右SHからスタートするラファ・ミルがFWポジションに移動する事にあり、バレンシアはここの修理にディエゴ・ロペスと左右を入れ替える事に。ラファ・ミルがミンゲサのポジションを押し込む事ができれば良かったが、このサイドの押し引きはバレンシアに優位があった。やむを得ないが後手の対応。
セルタはドゥビカスとスウェドベリが縦に突っ走ってロングボールを呼び込む形がどうやらバレンシアの守備の狙いを外しているらしく、余裕を持ってプレーできた。ロスタイムにはセットプレーのハンドでPKを得たがアスパスのキックをPK得意なママルダシュヴィリが完璧にキャッチ。事なきを得た。
後半からセルタはカードをもらったミンゲサに替わってカレイラを投入する。右WB。
だんだんとセルタの守備がハマり始め、バレンシアはコレイア付近で突っかかってボールロスト。セルタが少ない人数でゴール前へ、という展開が続く。そんな中60分にセルタが追加点。CKの跳ね返りをベルトランのゴラッソ。こんなの初めて見た。優位な展開をスコアに繋げた。バレンシアはアラベスからの移籍を発表したばかりのルイス・リオハを投入する。
バレンシアの次のチャンスは82分にラファ・ミルのヘディングがポストに当たるまでなく、上手く守られてしまった。
セルタはこれで開幕2連勝スタート。カンテラーノを多数使いながら上々の結果を得た。ストライカーを放出したクラブが多いシーズンで、アスパスの決定力はシンプルにチームを勝たせる事が出来る。
バレンシアはセットプレーで先制逃げ切りという得意パターンから完全に崩されて失点、カウンターで失点、セットプレーで失点とバラエティに富んだやられ方で開幕連敗。"どういう展開なら勝てるのか"に悩み始めそうだが、ルベン・バラハの求心力に期待したい。
●ピックアップ選手
オスカル・ミンゲサ(セルタ)
大外に入り込んで見事な先制ゴール。スペースを得てアスパスに完璧なタイミングでラストパスを通したアシストとチームを勝たせた。怪我でないといいが前半のみで交代。
②セビージャ 1-2 ビジャレアル
●勝敗は別の話
8/23
ラモン・サンチェス・ピスファン
セビージャ 1-2 ビジャレアル
【セビージャ】'45+6 ルケバキオ
【ビジャレアル】'2 ダンジュマ 90+5 アヨセ・ペレス
開始2分になぜ抜け出せたのかよくわからないがダンジュマの単独裏抜けで先制。バデの位置が中途半端だったような。6分にもバエナとぺぺが抜け出したがニーランがよく止めた。試合を継続。
セビージャは直後に左サイドをオカンポスとペドロサで擦って最後はイサク・ロメロからまたもやフアンル。サウルの左落ちから始まった形は準備を感じるパターンだったが惜しくもオフサイドだった。
さて、パレホ無しでどれだけビルドアップ出来るかというビジャレアルだが、想像以上に全く出来なかった。コメサニャもゲイェもキャラ違いだよな。先制点もGKまでハメられたところからなんだか抜け出して決めており、課題は多そうな試合。ただしニコラ・ぺぺの謎トラップなどで抜け出せてしまう。
セビージャはプレス形が良く、保持も能動的で最初の失点さえなければ希望通りのホームゲームだったと言える。37分はサウルがポケットに抜けていく彼らしい形でチャンスメイク。最後はロスタイム+6分、タイミングをずっと狙っていたオカンポスのロングボールにルケバキオが抜け出して右足で決めた。やっと枠飛んだ。同点にして前半を終えた。
後半もセビージャが安定してボールを持つ。サウルは信頼されてるね。大外にしてもライン間にしても良いところでフアンルにボールが回ってくるのが悩ましいところで、彼はその次の仕事をしてほしい選手。
60分にビジャレアルのビルドアップを攫ってカルモナの強烈なシュート、こぼれ球にイサク・ロメロが詰めたがコンデがよく止めた。イサク・ロメロは開幕戦から運もない。64分にはサウルの直接FKが枠に飛ぶがこれもコンデ。当たっていた。
65分にビジャレアルはアヨセ・ペレスと新加入のティエルノ・バリーを投入。2トップを入れ替えた。バリーはすんごいムキムキ。
69分に右サイドからのクロスにコメサニャが合わせて決めるがオフサイドでした。ビジャレアルはバエナがとにかく縦パスを引き出して完全にハマっていても突破できるのが非常に有用。セビージャはジブリル・ソウと新加入のエジュケを入れる。パレホとピノが出てきて、セビージャはイヘアナチョとマルコンも。そしてバイリーがたぶん怪我でアルビオルと替わった。最後はナバス投入。慌ただしい。
セビージャはエジュケのやばすぎるドリブル突破やイヘアナチョのイヘアナチョっぽすぎるシュートなどでゴールに迫るが、ロスタイム+5分、右サイドから放り込んでアヨセ・ペレスにこれまたアヨセ・ペレスっぽいシュートを決めてついにビジャレアルが勝ち越し。勝負あった。
ホームのセビージャは良い感覚があった。このメンツがデフォルトになる可能性はある。イサク・ロメロがいつ爆発するかだが、そればかりを待つわけにもいかない。
ビジャレアルは前節のレビューで言った、
「パレホとバエナがいてジェラール・モレノがいればこういうサッカーがちゃんと出来るんだなという感じ」
の流れで言うと、パレホとジェラール・モレノがいない事でビジャレアルらしさに欠ける試合になった。ビルドアップで捕まり、打開はバエナの個人能力に依った。2点取れたのは決定力と言っていいのか、たまたまなのか。
●ピックアップ選手
アレックス・バエナ(ビジャレアル)
実験的なスタメンだったが一人で違いを作り続けた。この試合では格が違った。
③オサスナ 1-0 マジョルカ
●正しい形を信じる
8/24
エル・サダル
オサスナ 1-0 マジョルカ
【オサスナ】’55 ルベン・ガルシア
マドリーと引き分けたマジョルカと、レガネスと引き分けたオサスナ。互いにちゃんと守りつつ、中盤の打開に拘る様子もなく。ボールを持つオサスナが外回りでゴールに迫った。
16分のアレソ→ブディミルは良いボールだった。18分にはビルドアップを攫ってアイマールのシュート。28分にもアレソからルベン・ガルシアで決定機。39分にはアイマールの直接FKなど。チャンスは複数作ったがグレイフの好セーブもあり先制できず。
マジョルカはロスタイムにCKからファーサイドで待っていた浅野がどフリーでへなちょこヘディング。0-0で前半終了。
後半も同じ展開から55分、アレソがサイドで頑張って腰を回して折り返し、アイマールのシュートが弾かれたところにルベン・ガルシアが詰めて先制。
マジョルカは人を入れ替えながらもあまりペースを変えられず、お互いのファールでぶつ切りになる場面も多い中でゴールに迫る道筋を作れなかった。特にモヒカ周辺からのクロスボールは精度を欠き、ゴール方向に飛び込む選手も少なく効果は薄かった。
オサスナはブライアン・サラゴサが開幕戦に続きPA付近で際どいシュートを放ったが、右に移って以降のクロスにあまり夢がなかったのは今後の課題。ただしゴール前を集中して守り、クリーンシートで今季初勝利を掴んだ。
マジョルカは悪い試合はこんな感じ。ホームで上位相手の方がやる事が煮詰まっている感はあるが3ポイントを取りに行く手段はアラサテがここから準備する必要がある。
●ピックアップ選手
ヘスス・アレソ(オサスナ)
対面するモヒカを上回りチャンスメイク。アーリークロスの精度が高く点で合えば、というボールを数回用意した。アレソの質を活かすならサラゴサは左にいた方が良いかも
④バルサ 2-1 アトレティック
●やりたい事を表現できた方の勝ち
8/24
モンジュイック
バルサ 2-1 アトレティック
【バルサ】’24 ヤマル ’75 レヴァンドフスキ
【アトレティック】’42 サンセ(PK)
いつになったらカンプ・ノウに戻るんでしたっけ。
お互いに保持とゴールに向かうスピードに自信を持つ。ライン間の縦パスとPA内にダイレクトに送り込むボールの質が高く神経を使ってゴール前を守った。バルサは再奪回の出足が良くハフィーニャとフェラン・トーレスの神出鬼没な運動量がアトレティックを混乱させた。それでも再奪回を外せば一発を局面をひっくり返すスピードを持つアトレティック。ニコ・ウィリアムズはクンデ&クバルシに見張られながらもカウンターでも押し込んでも仕事をする充実のパフォーマンス。このニコのスピードについていけるイニャキとベレンゲルを絡めた攻撃は脅威的。
バルサはヤマルを起点にしたカウンターでもチャンスを作る。こちらもハフィーニャとフェラン・トーレスがヤマルのスピードに付き合えるのが良い点で、レヴァンドフスキのポスト直撃の決定機を作っている。
ヤマルのシュートがレクエに当たった先制点、サンセのPKに繋がったアトレティックの攻撃も双方狙った形が出ていた印象。
後半、アトレティックが元気を失っていった感じ。もちろんバルサの保持は良かったが。アトレティック的には良くなかった原因を自分達に求めたかった試合だと思われる。バルサはレヴァンドフスキに複数回チャンスを用意するが運も向かずなかなか決まらなかったがペドリの3人称ポケット取りで上げたクロスに合わせて75分にようやく勝ち越し。その後は危なげなく逃げ切った。
バルサは開幕連勝スタート。このくらいのボール保持が理想なのかもしれない。とにかく縦に速い攻撃を繰り出す時に必ずついていけるハフィーニャとフェラン・トーレスの存在感が徐々に大きくなってきた。
アトレティックはこういう波に乗れない試合をいかに減らすか、と何年も言い続けている気がするが、これがバルサ戦で出るのは痛恨。プラドスは引き続き状態が良くない。もっとやれる。
●ピックアップ選手
ラミン・ヤマル(バルサ)
先制点もそうだがトランジションで放置すると危険すぎる。監督が変わってラストサードの関与はまだ探っている感。
⑤ヘタフェ 0-0 ラージョ
●
8/24
コリセウム
ヘタフェ 0-0 ラージョ
マドリードを本拠地とする2チームの試合。ラージョは2試合続けてアウェーゲーム。
決め手の少ない両チームの対戦だが、この日はラージョが慎重に試合に入った事もあり、両方のトップがウチェとエンテカでボールが収まるんだか収まらないんだかもよくわからない環境だった事もあり、ボンボコロングボールを蹴り合ってガチガチに何も起こらない展開となる。あと両方GKのパントキックがめちゃくちゃ飛ぶ。10秒早送りするともう逆のゴール前まで来てる。そして繋がらない。
27分にはアレックス・ソラが気合と根性で2人引き連れてPA内に侵入してシュートまでいった。ラージョはデフルートスが頑張って走る事で進んでいくが、チャンスとまではいかない状態。90分保たなそう。
ハードにマークされたヘタフェのウチェはアトレティック戦でなんであんなに目立っていたのかわからないくらい封じられイライラしていた。そう甘くはない。それでも52分にCKからまたヒーローになりかけたので凄い。57分には開幕2試合通じて初めてディエゴ・リコが深い位置からクロスを蹴る場面が訪れた。ここは武器にしたい箇所。
63分頃にラージョはようやくイシとアルバロ・ガルシアを入れて自発的に点を取りに行く意思を見せる。さらにカメージョ、ウナイ・ゴメスも出てくるがヘタフェはそもそも引き分けで良さそうなリアクション。そんな事言ってもベンチにFWがいない現状なので仕方ない。ピーター・フェデリコと18歳のアルベルト・リスコが出てくるのが精一杯だった。
ヘタフェのこの開幕2戦引き分けはボルハ・マジョラルの復帰であったり新加入のFWが計画されているのか、これが限界なのかで全く評価が変わる。38試合全部試合を締め殺すわけにもいかないだろう。ここからベティス、ソシエダ、代表ウィーク明けセビージャという難しい日程だったが幸いベティスのECLプレーオフの都合でミッドウィークは延期となる。
ラージョは相手のペースに付き合うふりをしてリスクを減らしていたのか、本当にペースに付き合うだけでアイディアがなかったのか。アウェー2試合で4ポイントは悪くない結果だが次はバルサ戦。
●ピックアップ選手
フアン・イグレシアス(ヘタフェ)
CB兼用で4バックと5バックを行き来する時に便利、くらいのイメージだったが巧みなコントロールで相手を出し抜きエスピノの股を抜いてPA内に侵入するなど攻撃で目立った。キックの精度が伴えば武器になる。
⑥エスパニョール 0-1 ソシエダ
●千両役者の一発
8/24
ステージ・フロント・スタジアム
エスパニョール 0-1 ソシエダ
【ソシエダ】’80 久保
唯一開幕戦に負けたチーム同時のカード。昇格組のエスパニョールはホーム開幕戦となる。ローマからローンで来たクンブラがスタメン。左SHはイルヴィン・カルドナ。ソシエダはセルヒオ・ゴメスをスタメンにしてスビメンディもスタートから出てきた。
エスパニョールはバジャドリード戦と比較すると慎重な試合の入り。最終ラインまで行くプレスは控えめに4-4-2ブロックを維持してソシエダの侵入ルートの確認を行なった。ソシエダ側はスビメンディの登場であからさまにボールの循環がスムーズに。劇的な変化である。そりゃプレミアが欲しがるだけある。前節から一番変わったのはネガトラで、ソシエダの両翼は比較的無頓着にポジションを移動する(特にセルヒオ・ゴメス)がスビメンディがSBをコントロールしてカウンターを待ち受けた。安心感がある。侵入ルートはベッカーが左大外に立ち、右は流動的な動きにIHが関与する感じだったがどこもコンビネーションはまだまだ未着手といったところ。サイドからのクロスに突破口がないので決め手を欠いた。
エスパニョールは確率の低そうなカウンターぐらいしか手順がなかったが右SBのエルヒラリは何だか足が速かった。20歳。
後半もボールを持てども突破口がないソシエダとカウンターを打ってもベリスが空振りするエスパニョール。ソシエダはサディークを入れてどうにか基準点を作る。回答は80分、久保が左大外から2人のDFの間を割って個人技で決め切った。役者が違いました。
ソシエダはFWが足りないのはもはや解決策がないのでこんな感じのシーズンなのかもしれない。もう少し定番の侵入パターンは増やしたいがそうなるとブライス・メンデスのタスクの重さがとんでもない事になりそう。
エスパニョールはソシエダが全然良くなかった事を差し引いてもクンブラを入れて真ん中を破られるようなピンチはほぼなく、水準程度には守れるなという印象。1点を追う終盤にアグアド、ペレ・ミジャなどが出てくるがちょっと救世主としては弱い。もしかしてプアドとベリスの代わりは誰もいないのでしょうか。
●ピックアップ選手
久保建英(ソシエダ)
何故か途中出場だったが一人で決めた。フラストレーションの溜まり方が半端なさそうだが、ところでなんで残留したんでしょう。
⑦マドリー 3-0 バジャドリード
●それだけでは勝てない壁
8/25
サンティアゴ・ベルナベウ
マドリー 3-0 バジャドリード
【マドリー】’50バルベルデ ’88 ブラヒム・ディアス ’90+6 エンドリッキ
開幕戦を引き分けたマドリーはホームでバジャドリードと。バジャドリードは同じく昇格組のエスパニョールに勝ってこの試合。スタメンは5人変えてきた。この日は最初からキュマルトがCBで、アンカーにユリッチを入れる。マドリーは怪我をしたベリンガムの代わりにギュレルがスタメン。4-2-3-1の風味が強い。
バジャドリードは4-1-4-1で全体のブロックをかなりコンパクトに作る。低くなりすぎず、ボールに圧力が行くように気を使った良い守備。マドリーのSBに対してSHが必ず落ちてくる約束事で粘り強く守った。前に出ていくのは流石に難しかったが一定の水準で成果を得た。0-0で折り返し。マドリーとしては引いたブロックを崩す理不尽さをどこに持つかだが、人を変えずにまずは変化をつけようと後半からフラン・ガルシアがトップポジションまで出てきて2-3-5を作った。早速PA付近で得たFKをバルベルデが強烈に決めて先制。こういう飛び道具もあります。
バジャドリードは同点に意欲を出してラウル・モロとアマラー投入。それなりにマドリーゴール前まで進めるがマドリーは落ち着いたもの。クルトワとミリトンが元気なのは大きいですね。多数のカウンターを食らいながらも88分にミリトンのキック一発でブラヒム・ディアスが抜け出して追加点。これで勝負あり。最後は初出場となったエンドリッキも見事なシュートを決めた。18歳。
バジャドリードの守備網に想像以上に苦しんだが、それだけでマドリーからポイントを取れるわけではないなと思いつつ、先週マジョルカは取ったな、とも思う不思議な感情。特に後半失点して以降はしっかりシュートチャンスも作れたのは非常に印象が良い。プリメーラへようこそという気持ちであり何度も残留を失敗しているクラブはこういう試合を求めていただろう。
●ピックアップ選手
エデル・ミリトン(マドリー)
カウンター対応で味方に指示するどころか「いいからおあめらもう一点取ってこい」という雰囲気を出せる。しかも自分のロングパスで点に繋げてしまった。支配的だった。
⑧レガネス 2-1 ラス・パルマス
●もがく浪漫派
8/25
エスタディオ・ムニシパル・デ・ブタルケ
レガネス 2-1 ラス・パルマス
【レガネス】’71 フアン・クルス ’85 フランケサ
【ラス・パルマス】’90+3 サンドロ・ラミレス
昇格クラブのレガネスはホーム開幕戦。とても眩しそうな時間。
この日はセビージャから移籍してきたオスカル・ロドリゲスをスタメン起用。多分4-2-3-1。選手の移動が多くて何が何だかわからなかった。流動的すぎる。
ビルドアップサポートはネヨウが行う。この選手、ボールに強いだけでなくパスゲームの関与がとても良かった。注目の選手。ダニ・ラバはボールが入る前から内へ移動してきてミゲル・デラフエンテと2トップのような配置になり左SBのハビ・エルナンデスが高い位置へ動くとオスカル・ロドリゲスとセイドゥバ・シセが大移動を始めて配置を動かしていく。42分にはPA内に移動してきたブラシャナツをラス・パルマスは誰も捕まえられないゆるふわ対応をして大ピンチになったがシュートが外れた。レガネスはデラフエンテのシュートもダニ・ラバのミドルも永遠に点にならなそうなのが玉に瑕である。というか致命傷である。
さてラス・パルマス。浪漫を追い求めるより試合に勝ちたい、という雰囲気のスタメンだがモレイロをトップ下に置いたのは浪漫である。
マッケンナはビルドアップではないところに価値がありそうな選手で、シレッセンも相変わらず危なっかしいパスミスをする。MFを一枚減らしたスタメンで保持ができず、いつになくロングボールを使った。チャンスメイクは右からのクロスでサンドロ・ラミレスに2つ決定機。その後マクバーニーが英国すぎるジャンピングボレーを放つが今が旬のシュートストッパー、フアン・ソリアーノがこの日も立ちはだかった。神セーブ。
後半。アレックス・ムニョスがオスカルをそりゃPKだろっていう掴み方をして絶望するがダニ・ラバのPKがもっとがっかりした。62分にラバとブラシャナツを下げてタピアとフアン・クルス投入。
71分、ラス・パルマスの不格好なプレスを簡単に外すとフアン・クルスが左足を強振。完璧なコースに決めて2戦連発。ホームのレガネスが先制する。ラス・パルマスはロイオディスを入れて保持を安定させたところでプレス形が整わなくなったのは単純に準備不足。監督が悪い。85分にはトランジションでオスカルに中央を突っ切られ途中出場のフランケサに試合を決めるゴールを決められた。これじゃ勝てないね。ロスタイムに入ってサンドロ・ラミレスが一点返すが既に遅かった。この場面もそうだがマクバーニーが思ったよりポストプレーが上手いのは収穫。
これでレガネスは1勝1分と上々のスタート。この日の勝利は自信を深めるのに十分だった。
ラス・パルマスはもう一度スカッドを見つめ直すべき。どんな試合をしたいのかが全く見えなかった。自滅からの失点でもある。
●ピックアップ選手
フアン・ソリアーノ(レガネス)
当たりまくり止めまくり。チームを救い続けたがたまたまではなさそうな安心感がある。注目。
⑨アラベス 0-0 ベティス
●
8/25
エスタディオ・デ・メンディソローサ
アラベス 0-0 ベティス
ベティスは中間にECLのプレーオフでウクライナのクリフバスとアウェーゲームをやってきている(2-0で勝利)。かなり忙しい日程の中で疲れそうなアラベス戦。
開幕戦同様ルイバルが最前線。なかなか厳しいメンツですね。ルイバルが落ちてきてファンミが一番前になる機会も多かったが、そもそもルイバルは落ちてきたところで何ができるのか。サイドに置いてあげたい。
アラベスは2トップで4-4-2風。18分にコネクニーのクロスにファーでカルロス・ビセンテが合わせたがオフサイド。ただ、狙った形を具現化するイメージが相変わらずできている。直後にも右サイドを抉ってGK前にクロスを供給している。途中からカルロス・ビセンテが左に動いて前残りしていたがどういった狙いだったか。コネクニーが守備で評価されてる選手なのかとか、その辺がまだわかっていない。
ベティスは明らかに前半は0-0通過で良いという省エネ。後半からリカルド・ロドリゲス→プロー。
アラベスは試合で見るたび"そういえば足速いですよね"となる電柱キケ・ガルシアがベティスの最終ラインを引っ張ってランニングゲームに引きずり込む。
ベティスは60分過ぎにアブデとチミー・アビラが出てきてからようやく得点モードの感じだったがアラベスはルカ・ロメロ、カルロス・マルティンを入れて走力を維持。という事でベティスはなかなかリズムが出ないがミッドウィークのECLプレーオフ2ndレグがチラつくとこれ以上の抵抗も難しかった。85分にチミー・アビラとアブデのコンビネーションからフェキルに決定機を用意したがこれが外れると引き分け濃厚に。86分にまたもや抜け出したチミー・アビラをセドラルが腕で止めて退場。すでにイエローをもらっていたが多分一発レッド。ロスタイムにはCKからまたまたチミー・アビラが強烈なシュートを枠内に飛ばすがシベラにようやく仕事が来た。
アラベスは得意の走力要求試合に持ち込み、決定力を欠いたが納得感はある。今季もこんな感じ。ベティスはとにかくプレーオフを抜けてきてください。
●ピックアップ選手
チミー・アビラ(ベティス)
後半途中からの出場だったがチーム合計の得点機の80%近くに関与していた。前半戦の勝ち点は彼にかかっているかもしれない。
⑩アトレティコジローナ
●新加入のフィット感
8/25
シビタス・メトロポリターノ
アトレティコ 3-0 ジローナ
【アトレティコ】’39 グリーズマン ’48 ジョレンテ ’90+4 コケ
単品レビューはこちら。アトレティコは初勝利。ジローナは厳しい開幕に。
●ピックアップ選手
パブロ・バリオス(アトレティコ)
中盤を支配し後半は守備面でも貢献。充実している。
以上。エスパニョールは唯一2試合無得点。バレンシアも連敗。ジローナ、アトレティックが無勝利なところを見ると今季もラリーガは簡単じゃない。連勝はセルタとバルサのみ。勝ち筋を見つけるのに苦労しそうな印象があったのはラス・パルマスとマジョルカ。あとはヘタフェ。一方レガネスとバジャドリードは悪くない印象。さて既に始まっているミッドウィーク。いよいよ強度が求められる。
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