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終わり良くなくてもまあいいじゃん 38節 アトレティコvsビジャレアル(A) 2023.6.4

長いシーズンもついに最終節。いつも通り行きましょう。前回対戦

開幕2節で対戦したので非常にお久しぶり。そんな関係性もあって、実は今季一番試合を見ていないのがビジャレアルでございます。これで12試合目かな。監督交代したばっかりの頃だけちょこっと見てた。

アトレティコは3位以内確定、マドリーの試合結果次第で2位でシーズンを終える。ヒメネスが膝の手術で一足先にシーズン終了し、カラスコも同様。一方ルマルとジョレンテがメンバー復帰している。勝てば2位の可能性はあるがホームゲームも終わってるし、オマケ感は強い。
対するビジャレアルは監督交代主力の移籍怪我人続出色々ありながらも勝っても負けても既に5位フィニッシュが確定で完全に消化試合。


●スタメン
・アトレティコ
グルビッチ
モリーナ / サヴィッチ / ヴィツェル / エルモソ / レギロン
コケ / バリオス / サウル
グリーズマン / コレア

ヒメネスが抜けてサヴィッチが最終節でスタメン復帰。ヴィツェルが真ん中でサヴィッチが右。カラスコがいないがレギロンが2試合連続で起用される。デ・パウルが出場停止でバリオスがスタメン。ジョレンテとルマルはベンチから。モラタもベンチ入り。

・ビジャレアル
フィリップ・ヨルゲンセン
キコ・フェメニア / マンディ / パウ・トーレス / アルベルト・モレノ
パレホ / カプエ / トリゲロス
チュクウェゼ / ジェレミー・ピノ / ニコラス・ジャクソン

アトレティコ以上にベンチに人がいない。
GKは若手のヨルゲンセンを起用。今季2試合目。


さあ最終節。



●前半
前提としてアトレティコの出足が全体的に悪く、コンディションよりモチベーションの影響かなと。ビジャレアルから積極的にボールを取り上げるような展開はそもそも狙っていなかったが、ボールを持たれる前提で試合が運ばれていく。

2トップのコレア&グリーズマンはパレホ周辺の警戒を強める。CBからの配球に気を配ってもたぶん止めるのは容易ではないし、これでいい。ただ全体的に足取りが重くズルズルとラインを下げさせられるシーンが目立った。まあしょうがないでしょう。

割と顕在化していたのはHVとIHの対応。ビジャレアルは押し込んだ状態だとさすがにSBが大外を駆け上がってWGと協力してチャンスメイクを試みる。特に左側はピノとアルベルト・モレノがアイディアを出し合いながら攻撃を組み立ててきた。
アトレティコはHV(サヴィッチ)がサイドに連れ出されるのを早めに許容。空いたスペースをIH(バリオス)が埋めるパターンを共有した。

序盤から何度もあったのでバリオスは口うるさく指示されていたと思われる。ただボール奪取時のバリオスのポジションが低くなるのは悪いことばかりではなく、彼を軸にプレス回避を狙うパターンなんかもあっていいと思う。
逆のレギロン側はチュクウェゼのドリブル突破への対応が主で、内側へカットインする形をサウルが警戒していた。サウルは同時に動き回るカプエを捕まえる仕事もやっており、持ち場にいない場合はグリーズマンが落ちてきてサポートしていた。さすがである。
IHの位置が低い分WBのモリーナ&レギロンが早めに高い位置まで出ていく必要があり負荷が増えるが、このチームはそもそもモリーナとレギロン(カラスコ)の負荷を減らそうなんて発想はそもそもないのでそういうものだと思うしかない。頑張って。


9分に失点。トランジションでDFラインとMFの間が琵琶湖くらい空いて余裕でカウンターを食らう。ニコラス・ジャクソンのフィニッシュは、上手いか?これ。触れない?
ということでモチベーションも低いままさっさと失点。その後もスローにボールを持つビジャレアルの最終ライン保持にレギロンがちょっかいかけてガラガラのエルモソの裏を取られるなどした。なんの実験?

18分にセットプレーから同点。グリーズマンのFKでサインプレーをやってコレアをフリーにしたがびっくりするくらい綺麗に決まった。こんなの決めたことなさすぎて無警戒だったのでは。お見事でした。またグリーズマンのアシスト。

その後はビジャレアルがボールを持ってアトレティコがプレス回避で逃げ出せるか、という時間。抜け出せません、という時間。25分にはバリオスの完全個人技で一度抜け出したがレギロンのクロスが精度を欠いた。


●前半終了
グリーズマンのシュートでアイサ・マンディのハンド疑惑(支え手判定?)があったりカプエのシミュレーションがあったり、さらにカプエのバー直撃のシュートがあったりしたが、全体的には少し緩めの内容。

それにしてもバリオスの回避能力が凄まじく、それを楽しむだけの時間のようだった。いつになく首を振っているようにも見えたな。周囲を使うことを意識していたというか。守備のタスクを多めに振り分けたのも良かった気がする。忙しいくらいがちょうどいい。


●後半
後半も展開は変わらず。ビジャレアルがスローにボールを持って、アトレティコは受けて構える。ビジャレアルはピノがライン間で引き出そうとした背後にニコラス・ジャクソンが裏抜け、など慣れたコンビネーションも見られた。
アトレティコ側も普段通り60分過ぎ頃の選手交代までは特にペースを変える意図もなく。普通に守れていたので特に違和感なかった。

56分、PA手前でショートパスを掻っ攫って一気にカウンター。グリーズマンとコレアの2人で完結し、勝ち越し。コレアは最終節に2得点。
今季の良い守備が最後の試合でも出た。中央ルートを堅めて、そこで引っ掛ければ一気にゴールまでいける。良い守備から良い攻撃へ。
64分にはGKを使ったプレス回避から全員で局面打開して最後はレギロンに決定機。決めたかったね。

こういう相手のプレスを外す全体前進は先季マドリー戦であったね。ナチョの背後を取ったやつ。良い時間帯でした。ビジャレアルはロチェルソとバエナを入れて中盤の戦闘力を強化。チュクウェゼがお役御免となった。


で、ヴィツェルが退場。まあ、なんかこういうプレーで良し悪しを語るのは異論が入るからいつも避けていますが、一応発言します。
ヴィツェルのスライディングは、”上手かった”です。断言。ただ、ロチェルソが速かった。なのでスライディングが足にいったのは不運です。全然悪くないプレー。このプレー見てヴィツェルを責めてる馬鹿がいたら普通に言ってやってください。よろしく。

で、エルモソの対応が違う。シンプルサボりです。これは駄目。そもそも足遅いんだからカバーは深く。不用意な判断でしたよ。でも誰も責めません。時間の無駄だから。以上。終わり。


さてこの退場で実質シーズンは終わり。タコ殴りにされていく。そしてグルビッチが指を痛めて交代。カンテラーノのアントニオ・ゴミスが起用された。同時にルマルとモラタが復帰。

ロスタイムにモラタが膝蹴りされている間にニコラス・ジャクソンに裏を取られ、最後はグダグダしていつから出てきたのかもわからん43番のもじゃもじゃ君に決められて同点。試合終了。


●試合結果
3位でシーズン終了。もうちょっとで2位だった。総括自体は別の記事でするのでこの試合の話を。

前回対戦、開幕2試合目で感じた”何のための前プレか”を考え続けたシーズンであった。相手のスローペースに向き合い、効果的な攻撃を許さず、ボールを奪って一気に仕留める。カウンターが打てなければプレス回避を工夫する。そういうサッカーを目指したシーズンで、最後の試合までそれを形にできたのは良かったこと。これが来季の軸になったら良いなと思う戦い方。

これで今季のレビューはおしまい。ラリーガ38試合、CL6試合、国王杯は2試合。公式戦を46試合レビューできました。先季も最後の試合は来季のために、と言って終わったな。来季こそは、今度こそは。続けていきましょう。
あとはまとめ記事も出していくのでよろしくです。すでに優秀選手賞は昨日上げております。よろしくお願いします。では


6/4
エスタディオ・デ・ラ・セラミカ
ビジャレアル 2-2 アトレティコ
得点者
【ビジャレアル】'9 ニコラス・ジャクソン ’90+2 パスクアル
【アトレティコ】'18 ’56 コレア


●ピックアップ選手
バリオス
ここ最近では圧倒的に良いパフォーマンス。ベストなプレス回避と配球で試合を動かした。

コレア
2得点で成績の見栄えを良くした。特徴を出した試合でシーズンを締め括り。

グリーズマン
最後の試合までフル出場。2アシスト。来年こそ。

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