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ラリーガ冬の通信簿2023

開幕から18節までの戦いを終えて年越しを迎えるラリーガをまとめておさらい。ゆるっと読んで年越ししましょう。各チームの
・設定できそうな目標
・上手くいっている感を5段階評価
・注目したいポイント
を書いていき、チーム状況、スカッド構成、後半戦の注目プレーヤーを解説していきます。

まずは順位表から。

transfermarktより

ジローナが大躍進。一方ビジャレアル、セビージャが不調で監督もそれぞれ2回交代。アルメリアがまだ未勝利。昇格組からはラス・パルマスがボール保持に固執して躍進。アラベスは健闘、グラナダは苦しんでいる。
バルベルデ体制2季目のアトレティックにも注目。



1位:マドリー

勝ち点:45
14勝3分1敗
39得点11失点(+28)

設定できそうな目標:優勝
上手くいっている感:
⭐︎⭐︎⭐︎
注目したいポイント:CLとの両立

●チーム状況
ベンゼマが退団し、エースストライカー不在で迎えたシーズン。18節でジローナに勝ち点で追いつき、得失点差で首位で折り返した。1敗はアウェーでアトレティコに1-3で敗れたもので、ナポリと同居したCLも6戦全勝で通過。39得点はジローナに次ぐ2位。11失点は1位(2位は15失点のラス・パルマス)。
クルトワとミリトン、さらにアラバが大怪我でヴィニシウスも珍しく離脱。さらにチュアメニ、カマヴィンガも離脱しセバージョスも怪我、アルダ・ギュレル(←フェネルバフチェ)はまだデビューも出来ていない。これだけ怪我人がいながら首位で折り返せたのだからここからは上がるのみ、なのか?怪我人が出てもピッチに秩序があり、能力もあるが課題はCLとの両立。チーム力が試される。

●スカッド構成
クルトワがいないGKはケパとルニンの争い。ミリトンがいないCBはアラバ、リュディガー、ナチョで回していたが、アラバまで離脱。ラージョから買い戻したフラン・ガルシアはポジションを掴み切れず、モドリッチ&クロースから卒業しようとしている中盤はチュアメニとカマヴィンガが怪我をした。セバージョスも万全ではなかった。
しかし何よりもジュード・ベリンガム(←ドルトムント)が圧倒的なパフォーマンス。バルサを沈めた2発で世界に新時代を告げた。ここまで13ゴールで得点ランキングをリードする。そうなるとは誰も思っていなかった。
FWはヴィニシウスが離脱してもロドリゴとホセル(←エスパニョール)が試合を決め続けた。案外ハマっているブラヒム・ディアス(←ミラン)含め、選手層は流石マドリーという質。

●後半戦注目プレーヤー
アントニオ・リュディガー
CBに怪我人が続出し、便利屋だった先季とは違い中心となる事が求められる。特に心配はしていない。

ルカ・モドリッチ
出場時間が激減したシーズン。必ずモドリッチの能力が必要になる機会が来る。そこに向けた準備は常に出来ている選手。

ホセル
唯一の純粋ストライカーはあと1点必要、というシーンで答えを出せるか。超一流への挑戦。



2位:ジローナ

勝ち点:45
14勝3分1敗
42得点21失点(+21)

設定できそうな目標:優勝
上手くいっている感:
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
注目したいポイント:2周目の勢い持続

●チーム状況
昇格一季目だった先季も良いチームだったが、今季前半戦を14勝3分1敗で駆け抜けた。マドリーと並ぶ勝ち点45で2位。
42ゴールはリーグトップ。平均ボール保持率57.3%は4位。先季から点が取れるチームだった(58得点)がさらに威力が増して、ちょっと引いちゃうくらいの破壊力を持つ。無得点はボロ負けした8節マドリー戦のみ。バルサからも4点取って勝った。ミチェル監督の評価も爆上がりしている。
最終ラインからビルドアップ強者を揃え、中央と大外を使い分けながら侵入していくスタイル。新加入のアルテム・ドフビク(←ドニプロ)が11ゴールと大当たり。37歳の大ベテラン、ストゥアニも6ゴールと100点満点のバックアップをする。補強が当たりすぎて勢いが止まらない。CL権獲得が現実的な目標になるが、優勝へ向けて突き進む。

●スカッド構成
最終ラインの強度を担保していたサンティアゴ・ブエノ(→ウォルバーハンプトン)がいなくなり、中盤を支配していたオリオル・ロメウ(→バルサ)、敵陣侵入をリードしていたロドリゴ・リケルメ(→アトレティコ)、チームトップの13ゴールを決めたバレンティン・カステジャノス(→ラツィオ)がいなくなった。
補強したのがDFはデイリー・ブリント(←バイエルン)とエリック・ガルシア(←バルサ)と、お世辞にも堅牢とは言えなかった守備陣に強度を補完できず、中盤もパブロ・トーレ(←バルサ)、ポルトゥ(←ヘタフェ)とアンカーポジションを補強できなかった。ストライカーは無名のウクライナ人のドフビク。
しかし蓋を開ければボールを握り倒し、中央にアレイシ・ガルシアをハメ込んでピッチを支配する。極め付けは左WGに入ったサヴィオ(←トロワ)が今季最大級のサプライズ。ドリブルでPA侵入を繰り返して攻撃のキーマンとなった。
被カウンターに脆いのはどう見ても明らかだが、それを実践できるチームがいないほどに圧倒している。後半戦は疲労と怪我人をマネジメントしながら、2周目でも同じ破壊力を維持できるか。世界が注目している。

●後半戦注目プレーヤー
デイリー・ブリント
欠かせない存在となっているが、どこまで稼働できるか。今季のラリーガを決める存在。

アレイシ・ガルシア
絶対的司令塔はタイトルへの挑戦で運命を変えられるか。その先にEURO本戦、さらにCLが見えてくる。

ヤンヘル・エレーラ
実は替えが効かない選手。狭いエリアのボールコンタクトとゴール前への飛び込み、そしてヘディングの決定力が全て噛み合っている。後半戦もフル稼働が必須となる。



3位:アトレティコ

勝ち点:38
12勝2分4敗
36得点19失点(+17)

設定できそうな目標:優勝争い
上手くいっている感:
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
注目したいポイント:継続性


アトレティコは単品でまとめる予定!
できなかったらここにしれっと文章が追記されて証拠隠滅します。スクショするなよな!



4位:バルサ

勝ち点:38
11勝5分2敗
34得点21失点(+13)

設定できそうな目標:優勝争い
上手くいっている感:
⭐︎⭐︎⭐︎
注目したいポイント:非保持

●チーム状況
序盤から勝ち続け、7勝3敗で10節を終えたがその後はマドリーとジローナに負け、ラージョとバレンシアに引き分けた。特にライジングクラブのジローナに力負けした試合はバルサ内部的には許しがたかった雰囲気がありザワついている。首位通過はしたものの明らかに組み合わせに恵まれたCLで2敗した事もネガティブな要因になっている。
ガビ、テアシュテーゲンといういるのが当たり前だった選手達の離脱でチームには新しい風が吹くのか、このまま沈んでいくのか。チャビのキャリアの岐路になる。

●スカッド構成
デンベレ(→パリSG)とアンス・ファティ(→ブライトン)が抜けた前線はジョアン・フェリックス(←アトレティコ)とカンテラーノのラミネ・ヤマルを加えた。ブスケツ(→インテル・マイアミ)、ケシエ(→アル・アハリ)がいなくなった中盤はギュンドアン(←マンチェスター・シティ)にプラスしてジローナからロメウを連れてきたがフィット感は今ひとつ。最終ラインはイニゴ・マルティネス(←アトレティック)とカンセロ(←マンチェスター・シティ)を連れてきた。
案外スモールスカッドで回っているがガビが全休確定、テアシュテーゲンもまだ復帰できておらず、意外と屋台骨は緩い。セルジ・ロベルトは相変わらず怪我ばっかりだが出てくる度に点を取っている。レヴァンドフスキはなんだかわからんが批判されているらしい(8得点)。スカッドの最適解を探す旅を続ける事になりそう。

●後半戦注目プレーヤー
アンドレアス・クリステンセン
実はDFリーダーなんじゃないかと思っている。影は薄い。

イルカイ・ギュンドアン
新たな風を吹かせる予定だったが色々な事情でいないとチームが回らなくなった。大変そうですが、頑張って。

ハフィーニャ
速攻と遅攻の両方でフィットしてくださいと言われると彼が適任な気がするが、決定力を上げない事にはどうしようもない。確変待ち。



5位:アトレティック

勝ち点 :35
10勝5分3敗
34得点19失点(+15)

設定できそうな目標:4位以内
上手くいっている感:
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
注目したいポイント:プランB

●チーム状況
エルネスト・バルベルデ体制2季目。攻撃力をより高めた。先季47得点だったが18節終了時点で34得点。4得点が3試合、3得点が3試合とハマると止まらなくなる勢いがある。
最大の変更点はイニャキ・ウィリアムズを右WGに動かしFWにゴルカ・グルセタを固定したこと。2人とも揃って8得点と期待に応えている。左のニコ・ウィリアムズもイニャキ同様圧倒的に縦に速く、中央をぶち抜いてPA内で決定力を出せるオイアン・サンセも含めた構成は17節で3位アトレティコ相手にも一方的に攻め立てた(2-0勝利)。
敗れたのはマドリー、バルサ、ソシエダのみ。あとは欠場が続くジェライ・アルバレスと、役割が来ないイケル・ムニアインを組み込み、CL権に挑戦する。

●スカッド構成
イニゴ・マルティネス(→バルサ)が抜けたCBはアイトール・パレデスがポジションを確保。ジェライ・アルバレスを負傷で欠くシーズンにダニ・ビビアンとコンビを組んでそれを感じさせないパフォーマンスを見せている。SBはオスカル・デ・マルコスとユーリ・ベルチチェをどちらもイニゴ・レクエがバックアップする。欧州コンペティションがない今シーズンはこれでいい。三者三様の長所が活かされている。
中盤はルイス・デ・ガラレタ(←マジョルカ)を加え、さらにカンテラーノのベニャト・プラドスが躍動。また出てくるのかこのチームは。アンデル・エレーラも先季よりフィットネスを整え、層が厚い。
ウィリアムズ兄弟をWGにしてゴルカ・グルセタをセンターFWに固定する煽りを受けるのはアレックス・ベレンゲルとイケル・ムニアインの2人。特にムニアインは、トランジションのポイントになるトップ下がオイアン・サンセしか考えられないシステムの犠牲になっており出場時間が増える要素がない。バルベルデはサンセとムニアインの同時起用を否定しており、岐路に立つ。

●後半戦注目プレーヤー
ダニ・ビビアン
ついにDFリーダーとなった。後半戦の活躍で代表入りが見えてくる。

ベニャト・プラドス
ビルバオ産らしい熱さと、近年のスペインアンダー代表MFに多い総合力の高さを併せ持つ。チームを一つ上の段階に押し上げる存在。

ゴルカ・グルセタ
ついにストライカーポジションを奪取した。抜擢ではあるが、今季はスランプは許されない。



6位:ソシエダ

勝ち点:31
8勝7分3敗
29得点18失点(+11)

設定できそうな目標:4位以内
上手くいっている感:
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
注目したいポイント:勝ち切る力

●チーム状況
序盤は勝ち切れない試合が続き、1勝3分1敗でスタート。3強には全て負けたがそれ以外は負け無し。CLではインテルに2つ引き分けて首位通過(Round16の相手はパリSG)となった。
CL用に補強した両SBとストライカー、そしてIHの控えは機能しているか微妙なところだが今季はこれで乗り切れそう。
久保建英とブライス・メンデスのタスク比重が重く、固定されたスタメンが最後まで頑張れるかはポイントとなる。あとはストライカー。

●スカッド構成
CLへ挑戦するシーズンにSBをアマリ・トラオレ(←スタッド・レンヌ)、キーラン・ティアニー(←アーセナル)と補強。まずは大きな怪我人なくシーズンを送れている事がポジティブだ。特にオヤルサバル。どのポジションもほぼ固定されておりスタメンの負担はかなり大きい。正直ポジションを奪うような選手も見当たらない。それで来季のCL権を確保できるかと言われると、実はかなり厳しい印象を持つ。失敗すればスカッド解体もあり得る。

●後半戦注目プレーヤー
アマリ・トラオレ
欧州の戦いのために連れてきた選手であり、後半戦に真価を発揮する機会が求められる。ソシエダの緻密なコンビネーションに上乗せする直線軸を生めるか、異物となるか。

ロバン・ル・ノルマン
ソシエダのゴール前を守り切るには彼の活躍は不可欠。怪我と警告には気をつけたい。

アンデル・バレネチェア
ようやく花開いた純粋WG。ポテンシャルはもう一段上にある。



7位:ベティス

勝ち点:28
6勝10分2敗
20得点18失点(+2)

設定できそうな目標:欧州圏内
上手くいっている感:
⭐︎⭐︎
注目したいポイント:フェキルの復帰

●チーム状況
アトレティック、バルサに敗れて開幕5戦で2勝1分2敗となったが、そこからは無敗で終えた。それ以降複数失点は一度もなく、無得点も2回しかない。ある意味一番安定していた。フェキルを除けば主力に怪我人も少なく、ファンミとホアキンの不在を感じさせないサッカーができているのはポジティブ。首位だったELグループステージは最終節で大逆転の3位に終わりECLに回る事となったが、割り切って若い選手達のチャレンジの場とできるか。

●スカッド構成
セルヒオ・カナレス(→モンテレイ)が退団、ナビル・フェキルが怪我でほぼ休み。誰のチームやねんの状態だったが安定して戦った。ペジェグリーニの積み重ねをようやく実感できた感じがして嬉しい。
最終ラインも色々いなくなったがバルサから借りているチャディ・リアドが定着するとW杯王者のヘルマン・ペッセッラも正気を取り戻した。やっぱりルイス・フェリペが悪かったんでしょうか。
左WGには昨年冬に加入したアヨセ・ペレスがFW化する仕組みで大活躍。エースになっている。右は18歳のフィジカルモンスター、アサネ・ディアオがポジション奪取。ファンミ(→アル・リヤド)とホアキン(→引退)の不在を忘れさせた。中盤はリーズから連れてきたマルク・ロカが今季最大級の大当たり。ビルドアップに守備対応にとスペイン代表も視野に入れるハイパフォーマンスを見せている。ちなみにFWがボルハ・イグレシアスからウィリアン・ジョゼに変わった理由はあんまりわからんが、活躍してるのでいいでしょう。

●後半戦注目プレーヤー
ヘルマン・ペッセッラ
人が変わったような安定感でチームを引っ張る。W杯効果だと思いたい。

マルク・ロカ
ラリーガを代表するオールラウンドMFになれる選手。相棒を選ばない総合力でチームを勝利に導きたい。

アヨセ・ペレス
ベストフィットな役割を与えられて自信満々にプレーしている。10点は取りたい。



8位:ヘタフェ

勝ち点:26
6勝8分4敗
24得点23失点(+1)

設定できそうな目標:トップ10
上手くいっている感:
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
注目したいポイント:出場停止選手の調整

●チーム状況
上位クラブとの試合でラフプレーが度々話題になるが今季も平常運転。ボルダラス節の戦いで26ポイントを稼いで8位で年越しを迎えた。勝ち点はともかく得失点差プラスで終えたのは意外だった。
負けた4試合は全てアウェーでホームは無敗。ちなみにマドリーとアトレティコもホーム無敗なのでマドリード全体に結界が張られていたのかもしれない。得意の守備で7回のクリーンシートはリーグ3位タイ。1-0勝利も3試合あった。アトレティコと3-3、アトレティック、セルタと2-2、オサスナに3-2と撃ち合いで勝ち点が拾えたのも大きい。
絶対的エースのエネス・ウナルを負傷で欠くがここまではメイソン・グリーンウッド獲得(←ユナイテッド)という”賭け”に勝っている。

●スカッド構成
早速4-4-2を"作り直した"ボルダラスはFWを4人並べてみんなで守る面白いチームを作っている。カルレス・アレニャが状況を変えられなかった中盤はルイス・ミジャが怪我から復帰して安定感を加えている。ミジャからのロングボールの先にいるのはハイメ・マタとメイソン・グリーンウッド。特にグリーンウッドはスペースがあると手が付けられないスピードを持ち、クロスに至ればヘディングモンスターのファンミ・ラタサとPA内の仕事人ボルハ・マジョラルが待っている。
1点取ってしまえばパンチ&キックも辞さないハードな守備で上位勢を苦しめている。ここからは累積の出場停止も増えるだろうが、乗り切れるか。

●後半戦注目プレーヤー
ディエゴ・リコ
正確な左足クロスがターゲットだらけのチームにフィットしている。一撃必殺の精度は大きな脅威になる。

ルイス・ミジャ
11節にようやく復帰し、中盤にバランスとダイナミズムをもたらした。ハイサイドへ届ける正確なロングキックは替えが効かない存在。

メイソン・グリーンウッド
徐々にリズムを取り戻し、システムにもハマり始めた。両足から繰り出す強烈なキックはやはりプレミア上位級。



9位:ラス・パルマス

勝ち点:25
7勝4分7敗
15得点15失点(±0)

設定できそうな目標:残留から欧州圏内まで
上手くいっている感:
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
注目したいポイント:得点パターンの構築

●チーム状況
スペイン有数のロマン派クラブは17-18シーズン以来6年ぶりのプリメーラ挑戦。7節まで2得点、しかもその内1点はPK、センターFWはプリメーラ通算4ゴールのマルク・カルドナ。など勝ち負け以前の問題のようにも見えたが、ハビ・ムニョス、エンゾ・ロイオディス、キリアン・ロドリゲスという3人合計でプリメーラ出場が1試合という謎トリオがはちゃめちゃに上手く、パス成功数、平均ポゼッション率が共にリーグ3位とボールを握り倒した。8節以降は6勝2分3敗と普通に勝ち始め、ここまで複数失点が7節マドリー戦の一度のみ。これは首位マドリーと並んでリーグ最少である。点さえ取れれば勝てるようになったチームはマキシモ・ペローネ(←マンチェスター・シティ)がさらに中盤のクオリティを高め、アルベルト・モレイロがバケモノの片鱗を見せ始めた。さて後半戦はどうなるか。

●スカッド構成
FWは以外は固定メンツで戦えている。サウル・ココとミカ・マルモルはラリーガ随一のプリティな名前がポイント。SBは縦挙動と突破ができる選手を揃える。特に左のセルジ・カルドナは良い感じ。右のアレックス・スアレスは対人勝率が凄い。
中盤とWGは全員クオリティを装備し、全く説得力のないストライカーをどうにか支えている。どうやって点を取るかは最後まで悩む事になりそうだが、ボールを握れない相手が思いつかないので守備が崩壊する事はなさそう(フラグ)

●後半戦注目プレーヤー
マキシモ・ペローネ
マンチェスター・シティからレンタルで来た。イメージ通りのシティの選手という感じでここでのプレーが肌に合っている。

キリアン・ロドリゲス
エリートをキリキリ舞いさせる技術は見ていて気持ちがいい。ラス・パルマス産の27歳がここまで無名で眠っているのだからサッカーは面白い。当然プリメーラは初挑戦で、市場価値は開幕前時点から7.5倍に。

アルベルト・モレイロ
10節に怪我から復帰するとゴール方向へ向かうドリブル侵入で違いを作り始めている。ボールを持つと何かが起こる雰囲気のある選手。



10位:バレンシア

勝ち点:23
6勝5分7敗
19得点22失点(−3)

設定できそうな目標:残留
上手くいっている感:
⭐︎⭐︎⭐︎
注目したいポイント:もう一度好調期を作れるか

●チーム状況
今年も駄目かと思いきや思いがけぬ連勝スタート。と思ったら去年も18節終了時点では12位でした。記憶にございませんでした。放出が多かったが獲得は少なかったので案外スカッドは先季のメンバーが多く、自前選手も多い。ディエゴ・ロペスとフラン・ペレスは本当にどっちがどっちか覚えられません。左右逆だったらすまん。
得点はウーゴ・ドゥーロに依存するが個人で何かをどうにかできる選手ではなく、お膳立ては確実に必要。その仕事をやるべきアンドレ・アルメイダが怪我から復帰してから、本当の評価が下される。

●スカッド構成
大量引き抜かれ軍団は今年も風物詩の如くユヌス・ムサ(→ミラン)、カバーニ(→ボカ・ジュニアーズ)が出ていき、レンタルしていたサムエウ・リーノ(→アトレティコ)、イライシュ・モリバ(→ライプツィヒ)、ジャスティン・クライファート(→ローマ)、ニコ・ゴンザレス(→バルサ→ポルト)といなくなり、これも毎年の事だが「なんでガヤは残ってんの?」という状態で開幕を迎えた。逆に。
補強は昇格できなかったご近所のレバンテからペペルを連れてきてヤレムチュク(←クラブ・ブルージュ)、セルジ・カノス(←ブレントフォード)にセリム・アマラー(←バジャドリード)と絶妙に名前ぐらいは知っているところを持ってきた。
ブレイク中のハビ・ゲラ含め伸び盛りの若手も多く、ウーゴ・ドゥーロしか点が取れない環境をどうにかする事さえできれば上昇できるかもしれない。

●後半戦注目プレーヤー
ホセ・ガヤ
いつまで経っても出ていかない男は今季は大きな離脱もなく活躍している。目標設定の難しいシーズンだが背負う役割は大きい。

セルジ・カノス
ひたすらドリブル突破するキャラクターはどこかで仕事が来るはず。クロスの精度、と言いたいところだが合わせる側にも問題はある。

ペペル
相変わらずの強度と連続性はチームを助ける。なぜか上手いPKで今季2得点。



11位:ラージョ

勝ち点:20
4勝8分6敗
16得点24失点(−8)

設定できそうな目標:トップ10
上手くいっている感:
⭐︎⭐︎⭐︎
注目したいポイント:FWのクオリティ

●チーム状況
主力の大量放出、極め付けはアンドニ・イラオラ監督の退任で試練のシーズンになると思われたが、良くも悪くも普段通りの戦いを続けた。粘り強く試合を締め殺して数少ない得意な形を得点に繋げてポイントを奪い、中位争いを続ける。課題はやはりFWのクオリティで、15節から4戦連続無得点で前半戦を終え、最後の勝利は10節のラス・パルマス戦まで遡る。逆にそれでも残留は余裕な位置にいられるのが凄い。すっかりトップ10付近にいて当たり前のクラブになっている。

●スカッド構成
アレハンドロ・カテナ(→オサスナ)、フラン・ガルシア(→マドリー)、サンティ・コメサニャ(→ビジャレアル)と主力の放出で解体が進んだシーズン。しかしアリダネ・エルナンデス(←オサスナ)、アルフォンソ・エスピノ(←カディス)、キケ・ペレス(←バジャドリード)、ホルへ・デフルートス(←レバンテ)を加えてフロリアン・ルジュン、セルヒオ・カメージョを完全移籍に移行。たぶんけっこう思い切ってお金を使ったと思う。これで先季までの強度を担保し、フランシスコ監督もベンチで暑苦しく振る舞ってラージョらしさの良いところを維持している。CHの取っ替え引っ替え以外は相変わらず途中出場で流れを変える選手に乏しいが、デフルートスがその役割を期待されているはず。あとはFWが点を取れば。R.D.Tもカメージョも無得点でこの順位にいるのはシンプルに凄い。

●後半戦注目プレーヤー
フロリアン・ルジュン
カテナが抜けた最終ラインで、先季以上に率先して空中戦を戦い、存在感を発揮する。あとはCK、そして直接FKで4点取った先季のような一発を決めたい。

ウナイ・ロペス
先季までは中盤のバックアップ一番手だったが、コメサニャの移籍でスタメンに定着。センターレーンから逃げずに高い位置を取るセンスとゴール前に飛び込む勇気でチームを助けたい。

セルヒオ・カメージョ
アトレティコから完全移籍で加入となったが、先季ほどのインパクトはない。勤勉さと連続性が武器。得点はその先に必ず待っている。



12位:ビジャレアル

勝ち点:19
5勝4分9敗
26得点35失点(−9)

設定できそうな目標:欧州圏内
上手くいっている感:
⭐︎
注目したいポイント:最適化

●チーム状況
ポジティブな未来を提示できなかったキケ・セティエンを5節で解任。なぜかパチェタを連れてきたが1勝3分3敗で解任。ミゲル・アンヘル・テナが暫定で指揮をとった13節(アトレティコに1-3敗戦)を挟んでみんな大好き4-4-2おじさん、マルセリーノ・ガルシア・トラルに行き着いた。早速ソシエダ、マドリーと当たる日程の不運はあったがそれ以外の3試合は2勝1分で乗り切りまだギリギリ欧州圏に戻れる位置で年越しとなった。ちなみにELはグループ首位で勝ち残っている。

●スカッド構成
ジェレミー・ピノは残ったもののパウ・トーレス(→アストンヴィラ)、ニコラス・ジャクソン(→チェルシー)、サムエル・チュクウェゼ(→ミラン)が去っていく厳しいシーズン。ピノは大怪我をした。
ここ数年のゴタゴタでやや歪なスカッドだが頭数はいる。無理くり4-4-2にハメ込むマルセリーノが当たる可能性はありそう。課題はSH。バエナのフル稼働と、イリアス・アコーマック(←バルサ)に期待しているようだが、補強するならここ。

●後半戦注目プレーヤー
フィリップ・ヨルゲンセン
被枠内シュートが114と最下位アルメリアの98を大きく上回る環境でリーグ断トツトップの79セーブを記録。しかし個人ではリーグ最多の35の失点を許している。もっと決められるチームは固定されない説もある。ビルドアップ参加が必須のチームで仕事量も多いがチームを救う仕事が求められる。

エティエンヌ・カプエ
35歳になったがドリブルゲインとボール狩り、そして配球とオールラウンドな性能で全MFの手本であり続ける。実は4-4-2が最適な気がする。

ホセ・ルイス・モラレス
14節オサスナを沈めた3発で健在をアピール。キャリア初のハットトリックと聞いて驚いた。2トップなら出番は増えると思われる。ラリーガ随一の理不尽なカウンターをまだ見ていたい。




13位:オサスナ

勝ち点:19
5勝4分9敗
21得点29失点(−8)

設定できそうな目標:トップ10
上手くいっている感:
⭐︎⭐︎
注目したいポイント:貫く意志

●チーム状況
国王杯準優勝、ラリーガも7位と躍進した先季と比べるとトーンダウンし、上手くいかない時期を過ごす。先季だったら勝ち切れていた試合で引き分ける、先季だったら粘って引き分けていた試合で負けるを繰り返していた印象で、ではその原因は?という前半戦であった。欧州挑戦となったECLもプレーオフでクラブ・ブルージュを引く運の悪さで敗退した。
高い買い物ができるクラブではなく、適材適所を必死に探すのがアラサテの仕事。今季上手くいかない箇所はある程度"運が悪かった"で済ませてもいいんじゃないかな、という感想を持っている。その運を上回る実力が欲しいというのはわかる。そこは頑張ろう。後半戦はもう一度自分達を見つめ直す時期にしたい。

●スカッド構成
マヌ・サンチェス(→アトレティコ→セルタ)が抜けた事はこのチームにとってなかなか大きかったようで、波に乗れない戦いが続く。
サプライズは右SBのスタメンを掴んだヘスス・アレソで、ここまで17試合に出場(スタメン13試合)。オールラウンドな性能が不安定なチームで目立って見える。アイマール・オロスとモイ・ゴメスが先季ほどの絶対感がないのは何故でしょうね。
それでも比較的怪我人が少ないのは良いところで、逆に離脱が増えたらけっこう心配。絶好調のブディミルがどこまで継続できるか半信半疑だが、もし点を取れなくなったらチミー・アビラ辺りがどうにかするだろう。

●後半戦注目プレーヤー
フアン・クルス
攻撃的な存在に欠ける左SBでスタメン機会を得ており、構築に参加する能力はある。もう一芸特徴を出したい。

イケル・ムニョス
また出てきたカンテラーノ。上手くいかない環境で違いを生む能力がきっとある。ルーカス・トロともアイマール・オロスとも違う特徴で新しい化学反応を作る事をアラサテは期待しているはず。

チミー・アビラ
熱くなりすぎる事もあるが、チームの顔である。退場しようが何しようが点を取るべき。チームを救うべき選手。



14位:マジョルカ

勝ち点:18
3勝9分6敗
17得点22失点(−5)

設定できそうな目標:残留
上手くいっている感:
⭐︎⭐︎⭐︎
注目したいポイント:ムリキ

●チーム状況
ムリキが代表戦で負傷し離脱した。下位クラブの主力が代表で怪我するのが一番切ない。
大金を使ったラリン(←バジャドリード)が全く点を取らず、アブドンがキャリアハイのペースで得点しても収支はマイナス。イ・ガンイン(→パリSG)とルイス・デ・ガラレタ(→アトレティック)がいないと5-3-2では点が取れない事に気づき、最終ラインを一枚減らすなどの調整を行っている。
与えられた戦力を取っ替え引っ替えして残留する事こそがアギーレの得意な仕事であり、まだ心配する段階ではないだろうが、このクラブが後半戦に何を用意するかがラリーガ残留争いの潮目を変えるポイントになりそう。

●スカッド構成
最終ラインは5バックと4バック両方に対応できる選手が多く、柔軟な戦いに繋がっている。オマル・マスカレル(←エルチェ)、サム・コスタ(←アルメリア)と中盤に戦える人材を加え、この2人は概ね期待通りの役割を果たしている。特にサム・コスタはもっと上のレベルでやれる選手。セルジ・ダルデル(←エスパニョール)がまだハマりきらないアタッカーはいずれにしてもムリキ次第。

●後半戦注目プレーヤー
マティヤ・ナスタシッチ
先季はベンチが多かったがいつの間にか最終ラインの中心に。対人に強くて背走してのスライディングも上手い気がする(気がするとは)。

セルジ・ダルデル
ラリーガ屈指の技巧派は新天地でまだ本領を発揮できていない。保持で押し込む時間があまり作れないチームでは望んだ形でプレーする事ができておらず、残留争いに巻き込まれると外させる可能性もありそう。

サウル・ラリン
先季バジャドリードに冬に加入して8点取ったのが話題になり、7.5m€でマジョルカに来た。16節でようやく1点取ったが、ここまでは大外れ。せめて5点くらいは決めたい。



15位:アラベス

勝ち点:16
3勝7分8敗
14得点24失点(−10)

設定できそうな目標:残留
上手くいっている感:
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
注目したいポイント:フィジカルとメンタル

●チーム状況
プレーオフから昇格してきたがルイス・ガルシア・プラサが気持ち良いチームを作っている。何度も言うが今季の一押し。頑張りと連続性をベースにするチームは見ていて気分がいい。応援したくなる。
セグンダで魔物となりプリメーラで子猫になるルイス・リオハは、30歳になりキモいほどのオフザボール性能で何度も裏抜けを繰り返した。中盤はアンデル・ゲバラ(←ソシエダ)、アントニオ・ブランコ、ヨン・グリディの3人が制止されるまで永遠に走り続けるスタイルで無理矢理どこかに優位性を作りにいく。チームに侵食しているご近所ソシエダ産の選手達に囲まれ、FWにはサム・オモロディオン(←アトレティコ)が待ち構える。グラナダで開幕戦にアトレティコから点取ったらそのままアトレティコに攫われた男である。アラベスはラッキーで借りる事ができた。すでに4点取っている。プレースタイルは冗談が通じないタイプのモラタって感じ。
リソースの少なさを気合でどうにかするスタイルは毎週見ていて楽しいチーム。12月はジローナ、マドリーと連戦に敗れ年明けはソシエダ戦となるが、残留へ向けてポイントを積んでいきたい。

●スカッド構成
ソシエダ産、マドリー産、アトレティコ保有で出来上がっているスカッド。アンデル・ゲバラは純正ピボーテの印象が強かったが、周りに感化されたのか走力をベースに戦っている。さらにソシエダではほぼ出番がなかった鉄砲玉タイプのグリディはトップ下で見事に鉄砲玉している。
注目はマドリー産CBのラファ・マリン。カテナぐらいでかくてパワフル。将来はラウル・アルビオルになれる存在。左SBでポジションを掴みかけている21歳のカンテラーノ、ハビ・ロペスも注目。

●後半戦注目プレーヤー
ラファ・マリン
プリメーラ初挑戦ながら総合力の高さはさすがマドリー産。早速DFリーダーになった。でかくて丁寧。

アンデル・ゲバラ
移籍して新境地を開拓。能力を解放して自分の限界を突破している感覚がある。

ヨン・グリディ
各所に顔を出してデュエルを繰り返すトップ下。自身の能力を発揮する場を得て躍動する。



16位:セビージャ

勝ち点:16
3勝7分8敗
23得点25失点(−2)

設定できそうな目標:トップ10(を設定するしかない)
上手くいっている感:
⭐︎
注目したいポイント:新たな気持ち

●チーム状況
なかなか終わらない混乱の中、今季もすでに監督は3人目(メンディリバル→ディエゴ・アロンソ→キケ・サンチェス・フローレス)。CLはグループ最下位で終えた。
しかし23得点はベティスよりも多く、大量失点のボロ負けもない、というか2点差以上で負けたのが実は17節ヘタフェ戦(0-3)しかない。これはそもそも1敗しかしていない上位2チームを除くとバルサ、ベティス、ラス・パルマスと並んで少ない。1点差で淡々と8敗した。正直ちょっとした変更でどうにかなりそうな感じが今でもある。このメンツだしな。
キケが就任してグラナダに3-0で約3ヶ月ぶりの勝利。アトレティコ相手にも相手に退場者が出たとはいえ0-1の際どい試合をした。いくらなんでもセビージャが「目標は残留です」というわけにはいかない。ある程度引っ掻き回すくらいの事はしたい。私情を挟むと1月にジローナ、2月にマドリーに勝ってほしい。

●スカッド構成
ジブリル・ソウ(←フランクフルト)、ドディ・ルケバキオ(←ヘルタ・ベルリン)とさすがCLクラブ、という補強をしてセルヒオ・ラモス(←パリSG)も復帰させた。数え切れない選手が退団して作り直しの最中だが、相変わらずベテランだらけで怪我人のオンパレード。まずは選手全員が気分良く勝利を目指せる環境を準備したい。

●後半戦注目プレーヤー
セルヒオ・ラモス
とんでもない状況で帰ってきたが3CBの真ん中は彼以外に考えられないくらいの活躍を見せる。このチームの再興がキャリア最後の大仕事となるか。

ブバカリ・スマレ
レスターからローンの24歳。フェルナンド離脱後はポジションを掴み、ボールハントと高い位置に出ていける可動域はビルドアップのポイントを作れる。

ルーカス・オカンポス
無理するしかないチーム状況で圧倒的に無理が効く選手。気付けば単独突破できる選手が全然いないチームになった。自身がサイボーグである事をアピールしていきたい。



17位:カディス

勝ち点:15
2勝9分7敗
14得点24失点(−10)

設定できそうな目標:残留
上手くいっている感:
⭐︎⭐︎⭐︎
注目したいポイント:切替

●チーム状況
アルフォンソ・エスピノ(→ラージョ)、チョコ・ロサーノ(→ヘタフェ)という"カディスのカディスたる部分"が退団した今季、引き続き周囲を安心させるカディスらしさ全開の戦いを続けている。
序盤は先季話題になった記憶があまりないルイス・エルナンデスのロングスローが話題になり、その後は"クリス・ラモス君、たくさん点取ってるよ!"と話題になり、最後はラリーガ性格終わってるコンビのツッコミ担当ルベン・アルカラスが久保建英にかがみ込んでの右ストレートをボディに当てて話題となった。相方はイバン・アレホ(ボケ担当)。
今季すでに引き分けが9試合と、得意の粘っこい守備で勝ち点を積んでいる。

●スカッド構成
主軸が抜けても案外普通に戦えている。ファリを中心に最終ラインは対人で絶対負けない事をベースに、最後の最後はGKレデスマが尻拭いをし続ける。
中盤は過去2季、アラベスとカディスに冬に加入して"なんだこの点が取れるCHは"という印象を色濃く残したが開幕から起用したら全然点を取らなかったゴンサロ・エスカランテが怪我をすると、今年も結局ナチョの弟、アレックス・フェルナンデスが穴を埋めている。ラリーガの穴埋め兄弟。
FWはロジェール・マルティにマキシ・ゴメス、ソブリーノとわざとシュート下手な選手を集めてんのかと思うほど点が取れないが、皆の人気者クリス・ラモス(5点)とシュートシーンだけ見るとほぼコウチーニョことダルヴィン・マチス(3点)がどうにか点を取る。個人的には地味有能左SBのハビ・エルナンデスに注目。エルナンデスとフェルナンデス多いですね

●後半戦注目プレーヤー
ビクトル・チュスト
現在のマドリー産DFの元祖的存在。21-22シーズンのパフォーマンスが忘れられない。スタメンを奪えるか。

ロベルト・ナバーロ
創造性という部分に圧倒的に欠けるチームで、それを期待して獲得された事は明白。存在感を見せたい。

ブライアン・オカンポ
ブライアン・サラゴサの方に先を越されたが冗談の通じないドリブルという意味では彼も同じ。万全の状態で試合に出たい。



18位:セルタ

勝ち点:13
2勝7分9敗
18得点28失点(−10)

設定できそうな目標:残留
上手くいっている感:
⭐︎⭐︎
注目したいポイント:未来への指針

●チーム状況
ジョナタン・バンバとラーセンの理不尽さに期待する事、そして何よりアスパス依存から少しずつ脱却する事、みたいな取り組みはある程度見られるがそれが勝ち点に繋がらないなら何も評価されない。
そもそもベニテスは10以上のクラブからオファーがあった中でセルタを選んだ(本人談)理由が全く見えない。アスパス上手く干したら一億円あげますみたいな契約なんでしょうか。適材適所に人を配置するのは上手い印象だが、適材適所で勝てるスカッドだと思ってる人はあまりいないと思う。このままでは中途半端な理想主義の元に降格する可能性も十分にある。

●スカッド構成
適材適所に人を配置し、スタルフェルト(←セルティック)、ウナイ・ヌニェスを中心に3CBを配置しミンゲサを右WBに固定した。
中盤はフラン・ベルトランとデラトーレの機動力に期待し、前線に点が取れそうな3枚を並べる。
確かに適材適所に配置するとこうなるんだが、ミンゲサ以外に自身の能力を最大限発揮できている雰囲気がある選手がいないのが切ないところ。それで勝てているならいいがこの状況である。ベニテスの提示する未来はどんなものか。そしてアスパスの辿り着く先は。

●後半戦注目プレーヤー
フラン・ベルトラン
個人的には2CHでも全く問題ない選手だと思っているが、あまり良さが出ていない。最上級の評価をしている選手なので良化に期待。

カルロス・ドトール
今季至るところで活躍しているマドリー・カスティージャ出身者の中でも先季のキャプテンとの事で注目していた。現状はこぢんまりとした印象になっているが初のプリメーラで殻を破って欲しい。

イアゴ・アスパス
前半戦1ゴール。2桁を逃せばセビージャに所属していた14-15シーズン以来で、セルタ所属としてはプリメーラ10季目で初となる(2部時代は経験あり)。意地が見たい。



19位:グラナダ

勝ち点:8
1勝5分12敗
20得点40失点(−20)

設定できそうな目標:残留争い
上手くいっている感:
⭐︎⭐︎
注目したいポイント:意地

●チーム状況
3節でマジョルカに勝っているが、それ以外の成績は最下位アルメリアとほぼ変わらない。クリーンシートなしはリーグ唯一。
攻撃においてはサイドをどう攻略するかをポイントにしたいが、その分ネガトラを疎かにする事があり、ラリーガ最弱の最終ラインは我慢が足りず失点が止まらない。
ゲームをコントロールしようとするが出来ないまま先制され、追いつくために人を替える考え方だとリソース的にしんどい。でも序盤から保持で押し込んでカウンターに耐えられるの?というネガティブもある。
ライジングスターとなったブライアン・サラゴサはスペースがあってもなくても飛び込んでいくヤンキースタイルでチームを引っ張るが今季までしかいないらしい。救世主になれる選手が見当たらず、アルメリアより先に終戦する可能性も。

●スカッド構成
FWはルーカス・ボイェ(←エルチェ)もミルト・ウズニも水準以上のクオリティがある。両サイドに複数選手を置ければ突破も効くんだが守備に手が回らなくなる。いくらなんでもグンバウ(←エルチェ)にチームの大黒柱になれというのは厳しすぎる。
最終ラインはもはや誰を使ってもそんなに変わらなそうなので気合と根性でゴールを守れる選手が必要。個人的にはラウル・トレンテに期待しているがどうなるやら。

●後半戦注目プレーヤー
カルロス・ネバ
セグンダから戻ってきたら立派なキャプテンになっていてびっくりした。欠損83分とほぼフル稼働したが勝利に繋がらない。クラブを救えるか。

ジェラール・グンバウ
中盤の強度と配球の両方を要求されるガムシャラなタスクで忙殺されている。もう一人CHが欲しいが今のところいないので頑張ってください。

ルーカス・ボイェ
ポストプレーを中心に前線でポイントになり前進をサポート。相変わらず異常なほどに1vs1を外すが変なゴールは決める。



20位:アルメリア

勝ち点:5
0勝5分13敗
19得点42失点(−23)

設定できそうな目標:残留争い
上手くいっている感:
⭐︎
注目したいポイント:同じ方向を向く事

●チーム状況
苦しい前半戦となった。ビセンテ・モレーノが率いて開幕を迎えたが開幕から負け続け、7節でセビージャに5点取られて解任。暫定のアルベルト・ラサルテを2試合挟んでガリターノが就任した。
とにかく失点が止まらない。ここまで42失点しており0失点は2回、1失点も2回しかない。あとは全部複数失点。元々固いわけではなかった守備陣からロドリゴ・エリー(→グレミオ)とスルジャン・バビッチ(→スパルタク・モスクワ)のスタメンCB2人が抜け、CHのサム・コスタ(→マジョルカ)もいなくなり何も整わないままズルズルと負け続けている。思いの外得点は取れているが、複数得点しても必ず複数失点するのでメンタルに来る。すでに残留ラインから10ポイント離された状態で1月にはジローナ、マドリーと連戦がありこの前後でどうにかしないと終戦が近づく。アトレティコ的にはここで意地を見せて2つとも引き分けてください。

●スカッド構成
センターラインがごっそり抜け、チーム得点王のエル・ビラル・トゥーレもアタランタに買われていった。先季は割とどこからでも点が取れるチームだったがあっという間に誰も点を取れないチームが出来上がった。個人的に相当評価が低いビセンテ・モレーノ監督から変わればすぐ浮上すると思ったが全く浮上の気配なく負け続けている。
ディオン・ロピ(←スタッド・ランス)にセルヒオ・アリバス(←マドリー)と単品で見れば悪くない補強もできているが、どの組み合わせでも全く上手くいかないチームはさすがに編成が悪いんじゃないでしょうか。個人的には昇格プレーオフでミサイルのようなドリブルを見せていた右SBのマルク・プビル(←レバンテ)に注目している。

●後半戦注目プレーヤー
セサル・モンテス
先季のエスパニョールでの活躍を受けて引き抜かれたが別人のように影が薄い。対応が軽く周囲との連携も築けている雰囲気がない。とはいえCBの強度は絶対に必要で、モンテスに賭けるか切り捨てるかだ。

ルーカス・ロベルトーネ
キャプテンマークを巻いて日々奮闘しているが報われない。様々な箇所に顔を出せるロベルトーネの能力はチームの核となるべき。あるいは冬に移籍するべき。

アドリアン・エンバルバ
決定的な仕事をすべき選手だがシステムの中に埋もれている。ガリターノは正しく使えるのか。




●まとめ

おしまい。年始はジローナのスカウティングレポートから!まだ!なにも!書いていません!良いお年を。

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