【特別公開】プロ講師の解説する慶應義塾大学法学部FIT入試
noteをのぞいてくださり、ありがとうございます。
沖縄県那覇市で大学入試の指導をしています、総合型選抜専門塾GAL(ガル)です。
地方に住む高校生が、人生の可能性を広げる手段として「総合型選抜」に挑戦できるよう、情報発信をしています。
GALでは、これまで大手総合型選抜専門塾で指導してきた講師がメンターをしています。ここでは、そこで得た経験を元に、プロの総合型選抜講師目線で、大学入試を解説していきます…!
今回は、私立法学部の最高峰、慶應義塾大学法学部のFIT入試(以下、慶應法)について解説していきます✏️
塾に入らないと知り得ない有益な情報盛りだくさんなので、ぜひ最後までご覧ください👀
まずは大学・学部の概要から
(ある程度知っている人は飛ばしてOKです)
言わずもがな、私立の最高峰ですね。
実は、総合型選抜(旧AO入試)が初めて実施されたのが慶應義塾大学のSFCなんです。先駆者なだけあって、門戸も広く、毎年法学部では160名近くが総合型選抜で入学しています。
法学部には法律学科と政治学科の2つがあり、これまで数々の著名人、法曹、政治家を輩出してきました。
FIT入試には、基本的に誰でも出願できるA方式と、出願条件こそ厳しいものの地域ブロックに分かれ倍率の低いB方式の2つが存在します。これらは併願して出願することが可能で、チャンスを増やすことができるのも特徴の一つです!
入試概要
出願条件
A方式
卒業見込みもしくは高卒認定を有している必要があります。
その上で、以下のいずれかの条件を満たしている必要があります。
(大学の公表している内容を要約しています。詳しくは募集要項をご確認ください。)
難易度が高く見えますが、要するに受験までに「何かしら、とても頑張ったこと」があれば出願できます。過去に出願した人たちは、
英検を持っている
海外の人と交流した経験がある、留学へ行った
生徒会活動をしていた
文化系の活動でそれなりの成績を持っている(課外でのバレエやピアノのコンクールも対象です)
自分の探究してきたことでコンテストに出場し賞をもらった
などなど、自分の頑張ってきたことを自由に表現しています。
『出願できるかわからない…』と思ったら、とりあえずGALまで相談してください!
B方式
卒業見込みであること(高卒認定はNG)と、合格後に入学を確約できること、評価書を準備できることが条件です。
その上で、外国語、数学、国語、地歴公民及び全体の評定が4.0以上である必要があります。
また、B方式は入学者定員を地域ごとのブロックにわけ、それぞれ学科ごと10名ずつを目安に合格者を出しています。
こちらは出願の評定平均の出願条件が厳しいですが、地方の学生は倍率が低くなる傾向にあります。
募集定員
学科ごと、A方式B方式合わせて最大80名ずつ
日程
出願書類
志望理由書2000字
自己推薦書ⅰ(A方式のみ)
自己推薦書ⅱ(A方式のみ)
志願者調書(4つの質問)
別添資料
評価書(B方式のみ)
高校の調査書
二次試験内容
A方式
まず、50分の模擬講義と40分間の論述試験が課されます。
2024年度入試では、「陰謀論と現代政治」がテーマでした。
その次に、複数の教員に対し2分間の自己紹介と15分間の口頭試問を行います。2024年度の口頭試問は、法律学科では「民事裁判の弁護士費用負担」政治学科では「高齢ドライバーの免許返納」について問われました。
B方式
まず、総合考査と呼ばれる400字程度の小論文を2問、45分ずつで回答します。2024年度入試では、「プーチン政権に対する評価の国際比較と推移について」と「地方大学の進学者を増やすには」という問いが出題されました。
その次に、10分間の個人面接が行われます。
倍率
2024年度
法律学科:A方式4.7、B方式2.2
政治学科:A方式6.0、B方式2.8
2023年度
法律学科:A方式5.3、B方式2.2
政治学科:A方式5.3、B方式2.2
※AB両方合格者含む
総出願者の人数が多いことからかなり難易度が高いと思われがちですが、A方式の倍率は他の総合型選抜と比較しても平均的で、B方式については2倍程度で推移しています。
学部の求める学生像を分析せよ
慶應法の場合、アドミッション・ポリシーよりも、募集要項に載っている学部長の学部概要を紐解くことが吉です(A4サイズでビッシリ4枚分書かれています)。
募集要項では、法学を学ぶ意義について以下のように解説しています。
要するに、法学を学ぶ学生は、ただ今ある法律などの社会システムや常識に受動的になるのではなく、常にそれを疑い、よりよくする方向に考え続けようではないかと言っています(本当はもう少し解釈しようがありますが)。
法学部は、法律や社会システムを覚えるところではありません。私生活において疑問に思ったことや、不自由に感じたことを、根本的な構造から見直そうと行動し続ける力を養う場所なのです。
受験生はこれを理解し、身近な課題から課外活動を始めると良いでしょう。
プロ講師はFIT入試をこう見る👀
ここからは、我々が普段塾生にFIT入試を指導する際、口酸っぱく話していることを特別にお伝えします。
法学の基礎をガッチリ固めよ
法学は、他の学問分野と比較しても少し特殊な学部です。
あるテーマがきたら、特定の論を議題にする、といった定石がある程度決まっています。例えば、安楽死の是非がテーマとなれば、「自己決定権」について議論する、などがあります(こういった類のものが無数に存在します)。
まずはこれを覚え、法学の基礎は外さないようにしておく必要があります。
なぜなら、FIT入試が論述試験の比重が高い傾向にあるためです。
自力で対策するのは少し難易度が高いため、一度専門塾へ相談へいくことをお勧めします。
地域性が求められる
沖縄でFIT入試を指導していて強く思うことは、「沖縄らしさ」「地方らしさ」を全面に出すと合格率が高くなるということです。
前述したように、法学にはある程度の定石が存在します。すると、出願者の志望理由も似たりよったりになってしまう傾向にあります。
そこで、自身のアイデンティティや身近な課題を取り上げることで、他の出願者と差別化できるだけでなく、よりリアルな課題を掬い上げることができるのです。
法学的に、「間違ってはいけない」ラインが存在する
法学部の志望理由を書くにあたっては、やはり禁忌があります。
テーマを決めて論を立てていくとき、使う議論や事例が的外れになってしまえば、一発で不合格です。
これを防ぐためには、論文と本を読み漁るしかありません。
たくさん情報を収集すれば、共通点が見えてきます。その論を崩すことなく、自身の経験や見解に即してオリジナルの志望理由を作っていく必要があるため、法学部を受験する際には情報収集を徹底してください。
地方学生に、テーマのヒントを
これまで指導してきた中では、過疎地域における最低限のインフラが確保できていない状況をきっかけに地方政治及び選挙のジレンマについて語ったり、田舎の祖父が免許返納を親戚に迫られたことをきっかけに高齢者の自己決定について分析したりなど、身近な課題からテーマを設定してきました。
沖縄の「基地問題」があらゆる政治事象に支障をきたしているのではないかという切り口でテーマを設定したこともあります。
ずっと住んでいる地元に存在する課題には気づきにくいものです。
でも、地方に住んでいるということは、必ず固有の課題や特性が必ず存在します。
地元じゃなかったら困らないはずなのに。
何か、違和感を感じる。
本当は都市部に住みたい。
といった自分の感情と向き合ってみるところから、テーマを探してみましょう。
最後に
いかがでしたか。
今回もかなり長くなってしまいました。
総合型選抜で法学部を受験することは、正直一筋縄ではいきません。特殊な知識や準備をする必要があるため、早めの対策が求められます。
それでも、大学入学前に総合型選抜で法学の基礎を学ぶことで、入学後の学びがスムーズになり、より深い探究をすることができるでしょう。
少しでもFIT入試が気になった人は、ぜひGALにお問合せください♪
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