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繋がる「歌い手」たちの声に

世界中で音楽は愛され、歌手が歌い、僕たち聴き手が顔を綻ばせて聴く。
後に続くようにまた誰かが歌う。

音楽は日々メディアを変えて僕たちに届けられる。
レコードからCDに需要が変化した90年代。
今日ではスマホやパソコンの発展に伴い音楽性も変化した。
Vocaloidが歌うボカロミュージックの発展である。

ボカロの発展とともに「歌ってみた」動画が動画サイトで広まった。
ボカロやJ-POPの原曲をカラオケのように歌う「歌ってみた」動画。
歌う人達は僕達と同じ一般人。
いつしか彼らは「歌い手」と呼ばれるようになっていた。
僕が今回紹介する曲は一躍人気になった「歌い手」達の一曲だ。

ボーカル8人による合唱曲。
8人8色の歌と三線の柔らかな響きが上手くマッチしている。
彼らの想いが一つになるサビが特に印象的だ。
メロディの心地良さから思わず執筆中に口ずさむ。

「Connecting」は題名通り”繋がり“をテーマに掲げている。
彼らが共に同じ曲を歌えること。
ニコニコ動画やYouTubeを通して、聴き手とも繋がれていること。
歌詞にある通り“画面越し”で“名前も顔も分からない”ままに。
「歌ってみた」動画を上げる彼らはプロでもなければ顔出しも滅多にしない。
同業者でもお互いの顔を知らないことさえある。
視聴者が動画を再生することで初めて彼らは「歌い手」になれるのだ。

「Connecting」がアップロードされてからもうすぐで6年になる。
この曲に参加した「歌い手」達も今では別々の道を歩んでいる。
変わらず「歌ってみた」動画を投稿している人。
プロになって活躍している人。
どれだけ時が経とうと一度投稿した動画、視聴者が打ったコメントは残る。
当時の熱気が今でも伝わってくる。確かに彼らは“繋がれていた”のだ。
その熱気は次の世代へと伝播していく。

メディアが変化するにつれて音楽と人の結びつきは強くなっていく。
手元にあるスマホのアプリを開けば音楽が聴ける。
次はどんな新しい歌手が現れるだろうか。

こーる(生徒編集委員・高校1年)

Photo by Jess Darland on Unsplash

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