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ANNEX編集室

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世田谷学園「学友ANNEX」の生徒編集委員による記事を上げていきます。中高生の目に映る様々な世界の姿をお楽しみください。
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2020年12月の記事一覧

民間の宇宙産業

 アメリカの民間ロケット「クルードラゴン」が、日本時間11月16日午前9時27分に打ち上げられ、17日午前1時過ぎ、ISSとのドッキングを成功させた。  この成功は、民間ロケットの打ち上げ成功ということで、世界を驚かせた。これで民間も宇宙産業に入れるという思いは誰もが持ったと思う。そのクルードラゴンのことで記事1つ書けそうだが、今回は別の話題にしよう。  民間の宇宙産業は、今はクルードラゴンを打ち上げたスペースX社にしかあまり焦点が当てられないが、陰ながら頑張っている会社も

オンラインライブの可能性

みなさん、オンライン文化祭は楽しめましたか。 楽しいと思えた人もいれば、対面で見たかったと思う人もいるでしょう。 今見始めたばかりだよという人もいるかもしれません。 コメントは送れても相手の状況が分かりにくいのがオンライン開催の特徴です。 どうしても対面の”つながり“には勝てません。 でも僕はこんな“つながり”もアリかなって思えるようになりました。 *  *  * オンラインの良さを身に染みて感じたのは一ヶ月ほど前のことだった。 今年開かれる予定だったライブイベントは

つながりを抱きしめて

If I got locked away, (もし、僕が閉じ込められたら)... R. CityとAdam Levine による楽曲Locked Awayは、この一節から始まる。 MVを見る限りここでの”locked away”は、「ムショにいれられる」を意味するようだが、今回は違う視点から考えていきたい。 なにしろ2020年は、”locked away”の年だった。複数の都市ではその名の通りロックダウン、すなわち”lock down”が実行され、人々の動きは定められた区

家族へのプレゼント

自分に出来る限りのプレゼントを贈りたかった。 家族の誕生日は毎年祝っているけど今年の誕生日会は一味違った。 父と母の誕生日は4月と5月。 外に出掛けることが出来ないから誕生日プレゼントは買えなかった。 Am*zonはバレるから頼めないし。 だから昨年密かに買ったものをプレゼントした。 なんとなく可愛かったから買った誕生日カード。 文字にすると後から読み返されるから怖くて書けなかった。 僕の文章はまだ未熟だから。 けれど今年は違う。 少しでも言葉を出し惜しみしたら相手に

水は、この森からやってくる

 日の出前に都心を飛び出し、辿り着いたのは奥多摩湖。写真に収めた広いこの湖を背にし、奥多摩山内へ足を進める。この一帯は、東京都部への水の供給を支える貴重な森のひとつだ。私たちが何気なくコップに注いで口にする水も、何割かはここからやって来ている。  数時間沢沿いを進むと、森が開けてきた。今日は特別に学校が休みとなる創立記念日だ。おかげで平日の山内には人気がなく、「丹沢の男」と自分しかいない。リュックを下ろし、水面へ身をかがめる。  「うまい。」  透き通る水をすくい、口に含ん

当たり前の危うさ

 新型コロナウイルスに変化を強いられたことによって、さまざまな新しい文化が形成されてきている。ということについて、「創作の源泉」で書いた。  現代文の授業で丸山眞男著「日本の思想」「『である』ことと『する』こと」という文章を扱った。  その中に「不断の民主化によって辛うじて民主主義でありうる」という一文がある。この文は、民主主義を何もせずに享受できるものとして捉えず、行動することによって、その制度を保っていかなければいけないという意味を持っている。    当たり前だと思って

歴史の壁は、超えられるのか。

 過去と未来をつなぐ歴史的な「つながり」も、時に現代社会を横断する厄介な代物を生み出しうる。  日々、領土問題や歴史的背景から対立論争が絶えない国際社会。日本人にとっても、韓国や中国との論争は無視できない。韓国慰安婦、徴用工の問題については、日本側が解決したと主張している場合においても論争は収まっておらず、市民団体が政治的主張を続けている場合が多い。  ここには、両者の持つ歴史観における大きな違いがあるように思える。既に請求に応じたとする日本側と、未だ請求権を主張する韓国市民

決断への第一歩

高1にもなると、文理選択(文系と理系のどちらを選ぶか)を考えなきゃいけなくなる。 これだけは全国の高1共通の悩みなんじゃないかな。 すぐこの選択の成果が出てくれれば、そこまで悩む必要はない。 「良い大学に受かればいい」 本当にそうだろうか。そもそも「良い」って何を以って「良い」って言えるんだ? 自分の人生だから「悔い」を生みたくない。 だからこそ悩む。 文理選択は人生において一つの通過点に過ぎない。 でもこれから何が起こるかも分からない僕たちには あまりにも大きすぎる決

【エクストリーム登校】登校前にビーチフラッグスやってみた

 日の出90分前。2人の獅子児(世田谷学園の生徒の呼称)が制服で家を出た。  令和2年、冬。本校の毎年の行事である臘八摂心(座禅会)がコロナで中止となり、獅子児たちは無念の涙を飲んだ。  しかし、本来であれば摂心初日の12月1日、例年通り早朝に起きてしまった2人。彼らは始業時刻までの3時間30分を最大限に使って登校することにしたのだった。  ーーーーーーーー  待ち合わせは藤沢駅。登校の友はクラスメートのW氏だ。久々に4時台に起床し、制服に着替える。最寄駅を朝5:00に

主体的創造への一歩〜オンライン文化祭を終えて〜

 オンライン開催となった獅子児祭(世田谷学園の文化祭)は大成功だった。 上記リンク先では、一部の作品をアーカイブとして残しています。動画については、権利者の許諾が得られ次第、公開されます。  各学年および各部活・委員会はホームページ上やYouTube 、クラスターやマターポートを用いて個性的な展示を展開し、さらにはバンドやラジオなどのライブ配信で盛り上げた。  オンライン文化祭としての新たな主軸になった「クラスター」や「マターポート」は今回で初めて体験したという参加者も