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【体験談】アレルギーがコンプレックスだった大学生が今伝えたい4つのこと

みなさんこんにちは、Gaku-yomu編集部ライターのヒカリです。早稲田大学の1年生で、好きなものはアイドルとクイズとぬいぐるみと滑舌練習と漢方薬です!どうぞよろしくお願い致します。

秋学期からGaku-yomu編集部に加わったばかりで、今回がはじめての記事投稿となります。さて、はじめての記事ということで何か自己紹介に代わるようなものにしたいと思い、私にとって一生切り離せない存在である、“あるもの”についてお話しさせていただくことにしました。

それは…… “食物アレルギー” です!!

では、私自身のアレルギーについてお話する前に、まず食物アレルギーの基本情報について見ていきたいと思います。

1.代表的な食物アレルギーの種類

①即時型食物アレルギー
・乳幼児から大人まで幅広い年齢に見られる。
・原因食物を摂取してから主に2時間以内(多くは摂取直後から30分以内)に皮膚や粘膜、消化器、呼吸器に症状が出る。

②口腔アレルギー症候群
・花粉アレルギーの人が原因食物を摂取した際に交差反応(異なる物質であってもアレルゲンと構造が似ている場合に反応してしまう)をおこして発症する。
・原因食物をよく加熱すれば症状が出にくくなるとされている。

③遅発型食物アレルギー
・原因食物を摂取してから数時間から数週間後に症状が出る。
・頭痛、めまい、鬱、肩こり、慢性疲労など一見関係ないような症状が出るため、摂取した食物が直接の原因であると気づきにくい。

このほかにもアレルギーには様々な種類があり、一口に“アレルギー”と言ってもその症状は多種多様であることがわかるかと思います。

2.私とアレルギーのこれまで

私は物心ついたときからアレルギー体質でした。といっても、その症状はいわゆる「アナフィラキシーショック」を起こすほど重度のものではなく、しかしそのことが“ある意味”余計に私を苦しめました。

私の実家ではあまりアレルギーへの理解がなく、特に祖父母からは「好き嫌いを言うな」、「昔はアレルギーなんて無かった」と言われ、どうしても食べられないと伝えていても、無理矢理食べさせられそうになったことが多々ありました。

また、通っていた小学校の給食でも担任から“好き嫌いをしている”と誤解され、母に頼んで連絡帳に書いてでももらわない限り、いくら私がアレルギーだと伝えても一口は必ず食べるようにきつく叱られました

アナフィラキシーショックを起こすほどではないといっても、アレルギーはアレルギー。ものすごくつらかったです。ほんの少しでも口に含んだ瞬間、舌に強烈なかゆみが広がって、唇が腫れて、喉も痛いしかゆいし、腫れて呼吸が苦しくなるし、吐き気もとまらなくなって、半日くらいはその状態が続きます。それでも他人の目に見える症状ではないから、ひとりでじっと耐えていました。

今振り返ってみると、理解のない周りの環境だけでなく、私が何も行動しなかったのも良くなかったのだと思います。アレルギーを信用してもらえないなら血液検査の結果を先生に見せれば良かったし、症状が出たときは病院に連れて行ってもらえば良かった。

それでもそうしたいと言えなかったのは、きっと誰にも理解してもらえない、私くらいのアレルギーじゃ病院に行っても何もしてもらえないと思っていたからです。

このような経験の蓄積で、私は、”自分がアレルギー持ちなのが悪いんだ”と考えるようになっていってしまいました。中学校の給食からは除去食にしてもらうことができ、修学旅行などの際にも事前に伝えて私だけ別のメニューにしてもらっていましたが、安心よりも申し訳なさの方が勝り、食事を楽しむことができませんでした。

3.転機

”自分が勝手にアレルギーなだけ”という考えでいてつらかったのは、やはり人との食事です。

高校生になり、行動範囲が広がって友人とご飯を食べに行く機会も増えるなか、私の心は複雑でした。私は中学校を卒業した後実家を離れ、母方の祖父母の家に居候させてもらって、実家から遠い市にある高校に通っていました。そのため、高校では完全に一から友人をつくり、私のアレルギーについて知る人は1人もいない状態からのスタートでした。

新しい友人たちとご飯を食べに行くのは嬉しいけれど、アレルギーのことを理解してもらえるか、アレルギーがあると伝えたら面倒くさいと思われてもう誘ってもらえなくなるのではないか──そんな私の不安を吹き飛ばしてくれたのは、部活の同期たちです。私がアレルギーについて打ち明けるととても親身になって聞いてくれ、気遣ってくれました。

そして何よりも嬉しかったのは、彼女たちが私のアレルギーについて”知ろう”としてくれたことです。事前に私に食べられるものを聞いてからお土産やプレゼントを買ってきてくれるなど、その優しさが本当に有難かったです。

私以上に私の身を案じ、協力してくれる友人たちのおかげで、だんだんと”私がアレルギー持ちなのが悪い”ではなく、”私がアレルギー持ちなのは仕方が無い。上手く付き合っていくために周りに助けてもらうことも必要だ”と思えるようになりました。

4.大学生になった今、私が知ってほしいこと

私のように、隠れてアレルギーに苦しんでいる人はきっと少なくありません。

特に大学生はサークルでの飲み会や友人とのご飯など外食の機会も増え、嫌が応にも自分のアレルギーを意識する機会が増えると思うのです。アレルギーがある人も無い人も、一緒に食事を楽しむために、一当事者として思っていることをまとめてみました。

①アレルギーの症状は様々で、個人差も大きいことを知っていてほしい。

例えば、私には卵白アレルギーがあります。生の卵白は食べることが出来ないのですが過熱卵白は問題なく食べられます。

また、胡麻もアレルギーですが、殻付きのまま振りかけられている程度なら問題なく、ペースト状だと症状が出ます。このように、一口にアレルギーと言っても、その症状は多岐にわたります。よくイメージされるように蕁麻疹が出る人もいれば、まったく蕁麻疹が出ない人もいます。

アレルギーは本当に人によってまったく違うということを、頭の片隅に入れておいてほしいです。

②アレルギーは単なる好き嫌いなどとは完全に異なり、”命にかかわる”問題だとわかってほしい。

アレルギーは最悪の場合死に至ることもあります。本人がアレルギーだと伝えたものを勝手にただの好き嫌いだと解釈して無理に食べさせることは一歩間違えると殺人行為になってしまうかもしれません。

気をつけるに越したことは絶対にないので、アレルギーをもっと重く受け止めておいてほしいです。

③アレルギーを”他人事”だと思わないでほしい。

先に述べた遅発型食物アレルギーなどは、大人になってから発症することが多いアレルギーです。アレルギーはいつ誰に症状が出てもおかしくないものなので、一人ひとりが正しい知識を持っておくことが大切です。

④アレルギーを言い出しやすい環境をつくってほしい。

大勢での食事会など、アレルギーを言い出しにくい気持ちはよくわかります。しかし全員に知っておいてもらうのは不可能だとしても、できるだけ事前に、最低限幹事の人だけには伝えるなどの自衛は大切だと感じます。だからこそ、周囲でアレルギーを言い出しやすい環境をつくってもらえたらとても有難いのです。

最近はメニューにアレルギー表示が無くても、店員さんに尋ねれば、コンタミ*も含めて詳しく説明してくれるお店が多くなりました。そのような場所では誰もが安心して食事を楽しむことが出来るので、もっとこのようなお店が増えてほしいと強く思っています。

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(筆者が先日行ったホテルのスイーツビュッフェで、事前にナッツアレルギーがあることを伝えておいたところ、食べられないケーキの代わりにとサービスしていただいたイチゴミルク。人の優しさが沁みました。)

*コンタミ:食品を製造する際に、原材料としては使用していないが特定原材料等が意図せずして最終加工食品に混入してしまうもの。


5.最後に

アレルギーを完全に理解してもらうことは難しいです。それでも、理解しようと、知ろうとしてもらえるだけで救われる人もたくさんいます。この記事が私と同じように食物アレルギーを抱えている人や、その周囲の人びとの助けになれば幸いです。

(文/ヒカリ)

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