蒲田健の収録後記:養老孟司さん


ヒトとはなにか、生きるとはどういうことか

養老孟司さんの最新刊「遺言。」

ブログで宣伝部長も務める愛猫“まる”の生態も見ながら、ヒトである自分と

どこが違うんだろうと思考をめぐらす養老さん。


昆虫を愛する「虫屋」としても山野をめぐりながら長年に渡ってそのことを

考え続けてきた。その中で気づいてきたことの数々を今のうちに

書き留めておきたかった、ということで、これまで主に行ってきた

「語り下ろし」ではなく、四半世紀ぶりに「書き下ろし」スタイルで著述。

「語り下ろし」の場合は聞き手という第三者のフィルターを通すことに

なるので主張がある意味純化されるが、「書き下ろし」では

そのフィルタリングの工程が省かれることになるので、ノイズのような

ものまで含めて、今現在の養老さんの成分が生のまま入っている。


稀代の叡智の論考は縦横無尽。

専門の脳科学から、デジタル技術の行く末まで言及される。

ヒトはどう生きるべきか。

この古くて新しい問題を考える上での大いなる補助線となる一冊である。

「さてヒトは どこからきて どこにいくか

         ネコを見ながら 虫を見ながら」

P.S. 今回は某出版社が作家の「カンヅメ」用に設えた由緒ある家屋でお話を伺いました。あの文豪も足を入れたであろう掘りごたつで、養老さんと差し向かいの小一時間。貴重なひと時でした。




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