蒲田健の収録後記:武田砂鉄さん
文化はコンプレックスから生まれる
武田砂鉄さんの最新刊「コンプレックス文化論」
劣等感、という訳語が与えられ、一般的には矯正すべきもの、
克服すべきものという印象が強い「コンプレックス」。
「背が低い」「ハゲ」といった直球系のものから「実家ぐらし」
「親が金持ち」といった変化球系のものまで実に様々な事柄が
コンプレックスになりうると武田さんは説く。
その上で、コンプレックスは解消しなくていい、クヨクヨしていい、と
論を展開する。忌み嫌う必要はない、ありのままを認めて、
飼い慣らしていけばいいのだと。
そして飼い慣らした暁には、それはオリジナルの強力な個性として
大いなる魅力に反転しうるのだ。
「みんなちがってみんないい」
「だからこそできること」
それはやがて文化にまで昇華するパワーすら秘めている。
「ありのまま まるごとそれを 受け入れて
味方にすれば こわいものなし」
PS 私自身子供の頃、低音質の声がコンプレックスで人前で話すのが
苦手でしたが、それが転じて今は生業となっています。
コンプレックス文化論、腑に落ちること多しです。
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