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インタビュアー蒲田健の収録後記

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収録後に感じたこと考えたことを語ります!
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2017年7月の記事一覧

蒲田健の収録後記:原田マハさん

(ルパン三世+オーシャンズ11)÷2=アノニム

原田マハさんの最新作「アノニム」

一言で言えば”圧巻のアートエンタテインメント”。

闇の彼方に持ち去られようとする作品を奪還する、凄腕の

覆面集団”アノニム”。様々な分野のエキスパート達が結集した

ドリームチーム。各々のメンバーが自らのプロフェッションを

遂行することによって展開される胸をすくような痛快な物語。

その根底にあるのは”アー

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蒲田健の収録後記:島田雅彦さん

黄昏ちゃっていいのか人類

島田雅彦さんの最新刊「カタストロフ・マニア」

電力途絶、ウィルス感染爆発、人工知能暴走・・・

近未来の社会に十分おこりうることに起因する大災厄=カタストロフ。

その中で生き残っていくために為すべきことは何なのか?

一昔前のアメコミ的世界観の中では、心身ともにマッチョなヒーローが

快刀乱麻の活躍で平和を取り戻す。だがこの作品の中では、

ある意味それとは一見対極

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蒲田健の収録後記:辻村深月さん

あなたを助けたい

辻村美月さんの最新刊「かがみの孤城」

デビュー当初十八番としていた、十代の少年少女の心の機微を描く物語。

作家としてのキャリアが一回りし、自身も子を持つ親となり、

大人としての視点が複層的に加わることによって、パワーアップした

原点回帰ともいえる今作。

様々な事情から中学校に通えなくなってしまった7人の者たち。

7人7様のそれぞれの事情は、当人たちのとっては、

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蒲田健の収録後記:石井光太さん

命の「重さ」は国によって違うかもしれないが、

命の「可能性」は全て等しく無限だ。

石井光太さんの最新刊「世界の産声に耳を澄ます」

これまで世界の色々な問題を追い執筆してきた、

ノンフィクションライターの石井さん。

ご自身に初めてのお子さんが生まれ、はたと気づく。

戦争、病気、貧困・・・過酷な環境の中でも日々生まれてくる

新たな生命がある。そのことをこれまできちんと認識していたであろう

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