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インタビュアー蒲田健の収録後記

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収録後に感じたこと考えたことを語ります!
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2017年5月の記事一覧

蒲田健の収録後記:サンキュータツオさん

研究者の使命は⓵調べる⓶形にする⓷発信するという3段階を経る。

サンキュータツオさんの最新刊「もっとヘンな論文」

例えば「縄文時代におけるクリ果実の大きさの変化」

例えば「起き上がるカブトムシの観察」

例えば「竹取の翁の年齢について」

・・・

正直、それが解明できたとしても、すぐに何かの役に立つとは思えない。

しかし自分が知りたい、調べずにはいられないという衝動がある。

ならばそれ

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蒲田健の収録後記:馳星周さん

絶望の底、それでも男は「生きること」を選んだ。

馳星周さんの最新刊「暗手」。

デビュー数年後に発表された作品「夜光虫」のおよそ20年ぶりの

続編となる今作。主人公も作中で20年ほどの年を加えて、

イタリアの暗黒社会で生きている。弱さ、迷い、欲深さ 罪深さ・・・

様々なものを引き受けて、常に自問自答しながらも真摯にそれらと

向かい合う。彼が「生きること」の意味はどこに向かうのだろうか。

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蒲田健の収録後記:黒川伊保子さん

男と女の脳はまるっきり違う。

黒川伊保子さんの最新刊「女の機嫌の直し方」

人工知能の研究者でもある黒川さん。人工知能は人間の脳機能を

モデルとして開発されるものであるから、必然的に人間の脳そのものを

探ることになる。そして研究を重ねれば重ねるほど、

人間の脳と一言で言っても、そもそも男と女とでは形状も性質も

別のものとして捉えざるをえないほど相違があることが

分かってくるという。言う

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蒲田健の収録後記:鴻上尚史さん

言っておきますが、これはほぼフィクションです。

鴻上尚史さんの最新刊「ジュリエットのいない夜」

言わずと知れた演劇界の最高峰・シェイクスピア。

常に眼前にあるものではないが、振り返ると斜め後方に厳然と

そびゆる巨大な山、というのが鴻上さんの捉えるシェイクスピアの存在感。

400年以上経っても朽ちないのはそこに普遍的な本質があるから。

更にその上で細部にはツッコミどころ満載ということが、

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