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我以为出什么事儿了呢。/ 事故かと思ったよ。

Wǒ yǐ wéi chū shén me shì er le ne
我以为出什么事儿了呢。

飛行機利用、特に国際線の場合、遅延はともかく、欠航は困る。

三十数年近く前の北京首都国際空港。出張から日本に帰る便が欠航することになった。といってもすでにチェックインも済み、搭乗を待つだけだったので、遅れることはあっても欠航というのは比較的珍しいパターンだった。

副社長と一緒の出張だったため、普段は使う機会のない「ラウンジ」に入れてもらい生意気にもビールを飲んでいた。ところが出発時刻が近づくなか、搭乗案内がいっこうに始まらない。空港の係員に何度尋ねるも無視されるか「不知道」、よくて「等一下」と取り付く島もない。
 
しばらくして日本の航空会社社員が申し訳なさそうに欠航を告げに来た。副社長がいたこともあり、我々一行は大型バスとは別の送迎(ホテルも別)で北京市内へ戻り翌日の便で戻ることとなった。
 
当時、連絡と言えばホテルや事務所から国際電話をかけるのが唯一の方法だ。中国も近いとはいえ外国、国際便の欠航でしかも予定していた日に戻れない。チケットを手配した旅行会社が会社や日本の自宅に電話を入れてくれたというのですっかり安心していた。
 
だがこれが妻を驚かせてしまった。
「〇〇様のお宅ですか。ご主人がご搭乗予定の・・・・・・飛行機が・・・により、・・・・本日は・・・れない・・・・・・大変申し訳ありません・・・」
妻の当時の日本語「听力」だとこんな感じだったそうだ。
 
ホテルに戻り、まあ念のため家に連絡しておくか、と思い電話をかけたところで「我以为出什么事儿了呢」と涙声。最悪墜落、少なくとも事故が起こったものと思ったらしい。
「出事」ことが起こるから事故。しかも飛行機で事故と聞けばただ事ではない。
 
「以为」(・・・・かと思った)の使い方が非常によく理解できたのだが、もっと早く電話しておけばよかったかな。


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