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ハルピンとハルビンは同じか?

wǒ shì rì běn rén 。
我是日本人。

中国語学習テキストで四声が終わると、出てくる例文が「我是日本人」。英語の教科書でいうなら、「This is a pen.」のような、習い始めのほうで出てくる文章だ。だがこのフレーズを侮ってはいけない。きちんと発音できる日本人に出会ったことはない。まずもって難しい。日本語にはない音だからだ。

わがクラス担任だった王又民老师のその発音を初めて聞いた時は衝撃を受けた。彼が教科書を読み進めていく、その文字を追っていくと、何か別のところを読んでいるかの如く聞き取れない。自分は耳がいいほうだ。絶対音感も(たぶん)ある。カラオケもはっきり言って得意だ。英語の発音も悪くはない(と自分では思っている)。
しかしながら、「日本人」の発音は聞いたことがなく、かつ再現不可能に思われた。
 
カタカナであえて書くなら「ウォ ーシー リー ベン レン」。この、「日」の発音にあたる「リー」が、「ジー」とも「イー」とも明らかに違うのだ。困った。困り果てた。録音して何度聞いても自分でトライしても、難しかった。口は「イ」の形をして舌を上あごにつけず丸めるようにして・・・などと言葉で説明しても伝えることは不可能だ。

逆に中国人の発音音痴というか、苦手なものを見つけた。それは日本語でいう濁点の区別がつかないことだ。例えば「ぴ」と「び」。これは有気音、無気音という中国語の発音によるもの。妻の出身地である都市名をハル「ピン」と言ってもハル「ビン」と言っても「听不出来」(聞いても分からない=同じに聞こえる)という。

人間の耳って不思議だね。


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