家業を継ぐのは就職なのか?
8年間のサラリーマン生活の後実家の民宿を継いだ私。
民宿に就職した?
今思い返すとそんな感覚全くありませんでした。
むしろ、「起業したい」「自分で商売はじめたい」
その延長線上にスタートが整っている実家の宿を引き継ぐという選択肢があった。
そんな感じです。
サラリーマン時代はバリバリの営業マンでしたので・・・。
「売上を上げる」
という意識が高かったです。
母親と妹が2人でやっている宿に私が入れば、売上が1.5倍になるだろうなんて考えていました。
まあ、それは言い過ぎでも、当時の売上を分析して、1千万円ぐらいはUPできるだろうなんて思っていました。
実際は2年間横ばいが続いたんですけどね。
下がりはしなかったけど、上がりもしなかった。
一番の理由は集客の動線を変えたから。
母親のやっている時代はほとんどエージェント(旅行会社)からの送客でした。
2年間、私がどんどんその関係性を切っていきました。なぜ切ったかと言うと、対等な関係ではなかったから。
旅行会社側が「お客さんを送ってやる」というスタンスで交渉してくることが多々あったのです。
直前のドタキャンや人数変更も泣き寝入り。繁忙日なのにお客様なしなんて言うことも。
私が継いだのが1998年の春。ちょうどインターネットでの集客がはじまった頃です。
これからはエージェントがなくてもインターネット集客でやって行ける。そう覚悟を決めたスタートでもありました。
実際、その効果はバツグンに出ました。インターネット予約が右肩上がりに。
でも、、、
売上は増えていなかったんですね。
要は旅行会社の予約がインターネット予約に変わっただけなんです。
今思えば、旅行会社からインターネット集客に移行したのは大正解だったのですけど。
当時の自分は、思うように売上を上げられなかったことにショックを受けていました。
その後、通販を始めたり、日帰り昼食を始めたりして2000年以降売上は伸びていったんですけどね。
これも何の自慢にもならず、ただ新しいことを始めたからその分の売上が上乗せされただけ。
この後、地獄が待っていました。
広告費の増大。インターネットにおいて宿泊予約サイトが登場し、手数料が発生。
形なりの売上はありますが、利益はどんどん減っていきました。2009年のリーマンショック以降は売上も減っていきました。
2012年から復活していったわけなのですが、そのお話は事業承継とは違う話なのでここまでにしておきます。
要は何が言いたいかというと、「集客」の面においては自分が増えた分の売上は自分で何とかしようと思ったということ。
11-3月のカニシーズンは忙しいけど4-10月は比較的暇。だったら自分の特技、資格を活かしてということでダイビングショップを始めました。
カニシーズンには通信販売を始めた。カニの日帰り昼食もまだそれほど一般的でなかった頃から始めました。
自分一人が増えた分の売上は上げようという意識は常にありました。
就職して給与をもらうという感じではなく、宿の中で起業して自分の給料分を得るという感じです。
この感覚、事業承継する際にとても大切な感覚だと思うんですね。
自分が加わった分、新たなことで売上を上げる。
親のやっている同じ仕事をそのまま引き継いで給与をもらうだけ、という感覚ではいけないということです。
明日、もっと具体的な話をしますね。
ひょっとしたら事業承継した人で耳が痛くなる人もいるかも知れない話です。
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