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早稲田大学が総合型選抜(AO入試)と学校推薦型選抜(推薦入試)の合格者割合を6割に持っていくって話。

 大学入試がこれから大変革になるかもしれない。大学入試といえば、年明けのセンター入試(現:大学入試共通テスト)から始まって、2月から始まる一般入試(現:一般型選抜)がメインであった。推薦入試やAO入試は入試の主流ではなく、一般入試こそ大学入試の本道であったが、それが時代の流れで大きく変容しようとしている。

 中堅以下の大学では、もうかなり前からAO入試と推薦入試が大学入試の本番で、一般入試は最後の数合わせとより優秀な学生(いわゆる滑り止め)を狙った試験になっていたと言っても過言ではない。実際AO入試と推薦入試で全合格者の多くを占める。これに対して上位大学は、あくまで入試の本番は一般入試であり、だからこそ、最後に入学者数調整に失敗し、追加合格を出すような事態に陥るのである。首都圏の大学入学定員が厳格化されてからは、大量の追加合格のドミノ倒しが3月に起こるのが当たり前になっていた。

 今回早稲田大学が掲げた目標として、今後募集定員に占める割合を一般入試と逆転させ、AO入試と推薦入試で6割にするとしている。一番の理由としては、多様な学生を集めたいが、ペーパー試験だけでは無理だということである。世の中がグローバル化し、SDGsの影響もあって多様性を認める社会を実現するための人材育成が叫ばれている。なので、多面的評価を行いたいということがひとつ。また、大学もアドミッションポリシーや学部ごとでどういう学生に来て欲しいか明確に打ち出しを始めている。特に大学に入ってから、文系だが数学的要素が必要だとかいう場合は、入試自体が数学必須にしたりしている。AO入試と推薦入試でもどういうことを学びたいのか、それに対してどういうことを計画し実行していくのか、平たく言うと意欲ということになるのだが、それが評価されるので、一生懸命何かに取り組んできた人は、それをPRして評価される機会が得られるということである。

 上記の話しはもちろんその方向で進むのだろうし、早稲田大学は多様な人材を入学させるためにそうするのだろうが、多くの大学は本当にそうだろうか?というのも、入試シーズンがAO入試→推薦入試→一般入試と進むのがミソで、早期に定員確保の目途がつけられるというのも、大学経営にとっては非常に大きなことである。特にAO入試に学力試験が付されない状態というのは、学生は受験勉強で楽ができ、なおかつ早く進路が決定する、大学側は入学定員の多くを早期に確保できるという、いわばWinWinの関係であったということである。AO入試もようやく学力試験が課される」ことになったが、いままでの状態からどう改善されるのかは今後に期待である。

 早稲田大学のケースで注目されるのは、選考方法と基準である。それによって、どういう意図をもって行うのかが明確に見えてくるだろう。

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