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「あなたは美術館に行きますか?」の問いから始まる1冊(by 私)

あなたは普段、美術館に行きますか?

美術作品を見るのは好きでも「趣味は美術鑑賞です」と言うのは少し気後れする。そんな人も多いのではないでしょうか。そこまで専門知識もないし、毎週美術館に行っているというわけでもないし、という理由で。でも、この頃はさらっと「趣味は美術館めぐりです」と言う人が増えてきたように思います。美術館を気軽に楽しんでいる雰囲気が伝わってきて、とても良いなぁと感じています。
この本を手に取ったあなたも、おそらく美術館に大なり小なり興味がある人でしょう。私は、そんなあなたのためにこの本を書きました。最後まで読み終えた時、きっと今度の週末どこかの美術館に行きたくなっているはずです。(中略)

学芸員として働き始めてもうかれこれ15年以上(自分で驚愕!)になり、それなりに経験を積んできましたので、何の気なしに仕事コラムを書いたら止まらくなって早1年半(私がnoteを書き始めた本音の部分はあとがきに書きました)。そんなnoteがきっかけとなって、こうして1冊の本を作ることになったのだから何が起きるかわからないものです。

学芸員って謎の職業ですよね。あなたの知り合いにもなかなかいないのではないでしょうか。本書では、美術館で働く専門職・学芸員の実態や、学芸員の目から見た美術館の舞台裏について書いています。これでちょっとは学芸員という職業が日の目を見るかも?(中略)

日本全国には数多くの美術館があるわけですが、人は何を求めて美術館に足を運ぶのでしょうか。気になって、noteでつながった美術好きの方々に質問をしてみたことがあります。
ある人は、自分の凝り固まった常識を破るような刺激を求めて。またある人は、忙しい日々の中で自分と向き合う時間をつくるため。他にも、大好きな作品や作家を追いかけるいわば推し活として。とにかくあの静謐な空間に身を置くと癒やされるから、などなど。一人として同じ理由の人はいませんでした。
だからこの本を読んでいるあなたにも、きっとあなただけの美術館の楽しみ方があるはずです。美術館をハードルが高い場所、美術鑑賞を難しいもの、と考える必要なんて全くありません。そう感じてもらえるように、美術館を、展覧会を、そして作品そのものを楽しむためのヒントを、この本にはたくさん散りばめました。
さぁ、それでは行ってみましょう!

これは、来年1月に発売する『学芸員しか知らない 美術館が楽しくなる話』の「はじめに」から抜粋した文章です。
はい、すでにちょこちょこ触れてきましたが、私、ちいさな美術館の学芸員としては初めての書籍がこの度刊行されることになりました(パチパチ)。これもひとえにいつもnoteを読んでくれている皆さんのおかげです。ありがとうございます。

本当は「はじめに」と一緒に、エモさ全開のあとがき「おわりに」も読んでほしいのですが(ちょっと恥ずかしいけれど)、まぁそれは本書で楽しんでもらうということで(笑)。

発売は、来年1月24日(水)です。
いま、このnoteを読んでくれている人には間違いなく楽しんでもらえる内容になっているので、興味がある方は是非読んでみてください!
ちなみになんとAmazonではすでに予約ができますよ(営業トーク)。

近々カバーデザインが出来上がってくるので、その時点でまた告知したいと思います。お楽しみに〜。

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「はじめに」の終わりで触れている「人は何を求めて美術館に足を運ぶのか」の答えが凝縮したのが、こちらのまとめ記事です。