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|014|松岡篤/建築家+土地家屋調査士/35歳

本は幼い頃からよく読んでいた。
母が読書家だったこともあり、その影響もあって本は身近な存在だった。
文学作品以外を読むようになったのは大学生以降だ。
当たり前のように大学図書館に入り浸るようになった。
専攻分野以外の棚で、自分の知らない言葉に埋もれることが楽しかった。

そのせいもあってか私の本棚は、少し統一感に欠けている。
仕事柄、建築・都市関係の本が多いのは当然なのだが、所々にそれ以外の本がある。

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改めていくつか並べてみると、自分自身ですら何故手元に置いたのかよくわからない本も多い。

本を購入する理由はいくつかある。
興味がある分野の本だから、SNSや雑誌等のメディアで知ったから、友人に勧められたから、仕事で必要だから、などなど。
ただ私自身はそれらの理由もさることながら、本を手にした瞬間目に入った「知らない言葉」に惹かれて購入することが多いように思う。

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熱とはなんだろう』や『さかしま』『群衆論』『道化の民俗学』……今となっては何故購入したか思い出せないが、当時の自分が惹かれた「知らない言葉」があったのだろう。

また建築・都市とは一見関係の薄そうなものでも、実は何かしら繋がっていたりする。
石蹴り遊び』は特殊な構成をしたアメリカの文学作品として有名だが、建築家の鈴木隆之は『表現空間論』の中で、建築の空間構成に言及する手がかりとして参照している。
リスクマネジメントについて書かれた『熊とワルツを』は、常に大きなリスクを抱えている建築プロジェクトとどう向き合うかという点で示唆的な一冊だ。

建築や都市に関わり続けていくうえで、どんな知識がどんな形で、いつ役に立つかわからない。思わぬ所で活かされる意外な知識は、得てして本に書かれた「知らない言葉」だ。
そして、そんな本に出会う度に世界の解像度が少しだけ上がる気がするのだ。

そんな言い訳をしつつ、今日も読みかけの本で棚を埋めていく。


●棚主プロフィール

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松岡篤/建築家+土地家屋調査士/35歳
京都工芸繊維大学大学院修了後、組織設計事務所にて大学や福祉施設の設計に携わる。
その後独立し建築設計事務所CAMPUSを設立。建築設計の傍ら土地家屋調査士の仕事も行っている。

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