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[レポート]”まちをおもしろくする総合格闘技”| UMA / design farm展(2020/02/25~3/28|銀座)

学芸出版社も多くの本でお世話になっているUMA / design farm・原田祐馬さんの展覧会「Tomorrow is Today: Farming the Possible Fields」が銀座のギャラリーG8で開催されています。3月28日まで。

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原田さんのクライアントワーク総覧

会場に入るとまず、これまでUMAとして手掛けられてきたポスター、書籍や食品や化粧品パッケージ、文具や小物などプロダクトなどが迎えてくれます。

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そして書籍のコーナーに弊社の本を二冊発見(ありがとうございます)。

いつもそれぞれの本の長所を見極めようと真摯に話を聞いてくださって、こちらの意図も汲みつつ時にバシっと助言してくださる打ち合わせの成果が。気づけばこの写真に写っている本は個人的にすべて持っていて、どれもとても楽しくきれいで面白いのです。原田さんがデザインした本からではなく面白い本だから買うわけですが、それがすべて原田さんのデザインというのも嬉しい。

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建築家のためのウェブ発信講義』後藤連平 著

ようこそ ようこそ はじまりのデザイン』graf 著

『建築家のためのウェブ発信講義』の時なんかは、担当の山副さんが本文の組版もいろいろとコンセプトに沿ったユーモアを忍ばせてくれて楽しかったのと、大きな矢印がのっかった表紙のシンプルかつインパクトある案が出てきた瞬間にかっこいいですねと著者の後藤さんと即決した記憶があります。つい遊びごころで、書籍のウェブページの書影を勝手に素人くさいGIF画像にしてしまったのですが、なんていわれるかなとどきどきしながら報告すると面白がってくれました・・・寛容な原田さん。

弊社の書籍は初版部数も限られる専門書なので、本屋さんでできるだけ見つけやすいような書名の可読性、届けたい人に確実に届くデザインをお願いしています。例えばシンプルなデザインであれインパクトあるグラフィックであれ「遠くからでも一目で書名が飛び込んでくる」ことが大切、とか。もう少しこの文字を強くしたい、大きくしたいなどといった要望を伝えると、全体のバランスをとりながら落としどころを探ってくださいます。

一つの空間にこれだけ様々なバリエーションのデザインが集結してみると、改めて与条件のなかで最適解を探すというのがどういうことか考えさせられます。インパクトを求められているもの、情報整理を第一義とするもの、製品と一体化するようなロゴやゆかなパッケージまで、本当に多様なニーズにあわせた引き出しがあって、クライアントにとって適切な答えを見つけてくださっているんだなあということを改めて実感できました。手に取りたくなるお仕事ばかりの中にうちの本があることがとても嬉しいです。

原寸大の岡崎市の街頭サインがあったり、ピクトグラムとブランドロゴが等価にプリントされたガラス壁面なんかも、じっくり眺めたいところ。

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まちを面白くする総合格闘技

そして、つぎの部屋からは一気に雰囲気が変わります。ここまでも十分密度濃いのですが、ここからさらに文字通り濃密な展示です。

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いわゆる従来の“デザイナー”の領域を越えたプロジェクトのプロセスデザインにまつわるあれこれ。
泥臭いプロセスのワンシーンを切り取る5コマ漫画も、いたってユーモアにあふれているのがすごい。チームで仕事をすること、山あり谷ありな長いプロジェクトの道のりも、初心の好奇心を失わずにプロセスメイクする覚悟・・・ここまでたくさんの人を巻き込んで、大小、ソフトハード問わず丁寧に課題と向き合うのは、相当好奇心の体力が要るだろうな、でもものすごくやりがいあるだろうなと。まちを面白くする総合格闘技。
そしてそういう場に立ち会っているからこそ、本のディテールやコンセプトも丁寧にくみ取ってくださるのだなと納得。

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共感が滲み出ている

最後は映像展示。鳥飼野々二丁目団地のリノベーションや空間・サインデザインなどを含む写真や映像です。端々から団地や住まい手への共感があふれていました。鳥飼野々二丁目団地のリノベーションや空間・サインデザインなどを含む映像展示。“ノスタルジーやレガシーだけとあなどるなかれ“という挑発的な帯をつけた『団地図解』(※このデザインは仲村健太郎さんです)という本を担当した身としても、写真や映像から団地空間やディテール、住まい手へのリスペクトがあふれているのにノスタルジーにとどまらないあたらしい場所になっているところにとても共感(著者の団地不動産・吉永健一さんに鳥飼野々二丁目団地の見どころも聞いてみたいところ)。とにかく、新しい世代に健全に引き継がれていく団地の姿にとてもほっこりしました。大阪は摂津市にある鳥飼野々二丁目団地、どんな日常が繰り広げられているのか気になります。行ってみたい。

・・・すでに展覧会を訪れた皆さんおっしゃってますが、かなりボリュームがあります。急ぎ足で見るのはもったいないので余裕をもって訪れるのがおすすめです(自省)。今進めている本のあれこれも、ああ早く連絡しないと・・・と思いつつ、どんなデザインになるのかさらにわくわくしながら、会場を後にしました。(岩切)

☟展覧会の詳細はこちら

UMA / design farm展
Tomorrow is Today: Farming the Possible Fields

会期:2020.02.25 火 – 03.28 土
時間:11:00a.m.-7:00p.m.
日曜・祝日休館 入場無料

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建築・デザイン・まちづくりなどの分野で本をつくっている学芸出版社のnoteアカウントです。イベントレポート、ブックレビュー、連載コンテンツ、試し読み記事などをお届けします。トップは9月の新刊。ラインナップはこちらから☟ HP|http://www.gakugei-pub.jp/

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