ゲームの企画は3つの要素で考えよう
がくちょうです。
今日は、ゲーム制作の最初の段階である「企画の出し方」について解説したいと思います。
企画も制作も爆速で
まず大前提ですが、爆速ゲーム開発では
企画も制作も爆速でやる
というのが基本です。
なぜなら、そもそも
ゲームが流行るかどうかなんて、半分くらいは運であり、コントロールできないから
さらにUEFNの場合はプラットフォームのアルゴリズムに大きく依存するから
です。
これはyoutubeなども同じ考え方ですが、結局youtubeチャンネルを作る時にも、最も重要な指標というのは「アップロード数」という事になるのと似ています。
最低ラインの水準を満たすために、一定のクオリティは必須だが
エンタメというのは、そもそも運要素が強い上に
さらにプラットフォームの評価もコントロールできないから
200点の品質のものを1個作るよりも、50点でいいから4つ創る方がコスパが良い
という感じですね。
この考え方を踏まえると、そもそも「できるだけ短い時間で、最低ラインを超えるものを量産する」というやり方こそが正義になるわけです。
そして、偶然に当たりが1本でも出たら、すぐさまそのゲームのアプデや改善に力を入れていくことで、のびしろを掴みます。
ではここからは、上記の前提に沿ったうえで、最も最初の段階である
ゲームの企画=どんなゲームを作るかの最初のアイデア出し
を、どうやって爆速にするか、について話していきます。
その方法論が、下記に説明していく「BMA理論」になります。
B・M・A理論とは?
「B・M・A」は、ゲーム企画を考える際に重要な3つのポイントの頭文字を取ったものです。
B: Before (ビフォア)
これは、ゲームを作り始める前に感じている問題や課題、不満を指します。ゲーム制作の動機とも言える部分で、どのような「現状の問題」を解決したいかを考えることが重要です。M: Mechanics (メカニクス)
メカニクスは、ゲームのシステムやルール、操作方法などを指します。どのように問題を解決するためのゲーム体験を構築するか、どのような仕組みでそのゲームが進行するかを考える段階です。ここでは、ゲームプレイの中心となる要素を設計します。A: After (アフター)
最後に、プレイヤーがゲームを終えた後、どのような感情や満足感を得るかを想像します。プレイヤーが得るポジティブな経験や達成感を意識してゲームをデザインすることが大切です。
この理論は、ゲーム制作において、アイデアの起点が人によって異なるという点を踏まえたフレームワークです。
私はこれをビジネスのコンサルティングにおいても活用しており、ある程度汎用性があると考えているため、ゲーム制作の企画にも取り入れることにしました。
今回は、そのうちの「ビフォア型」にフォーカスした企画の作り方を紹介します。
ビフォア型のアイデア起点とは?
「ビフォア型」というのは、ゲームをプレイする前や、ビジネスで言えばプロダクトを体験する前に抱く問題や不満が発端となる考え方です。
ビフォアで不満や改善点についてメモする
具体的には、他のゲームをプレイしている際に、何かしらの不満や改善点に気づいたときが、ビフォア型の企画の出発点となります。
例えば、他のゲームをプレイしていて「ここがもう少しこうだったら面白いのに」「自分だったらこう改良するのに」という感情が湧いてくる瞬間。それが「ビフォア」の段階です。この時点での「モヤモヤ」や「残念な気持ち」を書き留めておくことが、企画の第一歩になります。
メカニクスで不満を解消するシステムを考える
次に、「メカニクス」の段階です。ここでは、ビフォアで抱いた不満や改善点をどのようにゲームのシステムやルールで解決するかを考えます。
例えば、「対戦型にすればもっと面白かったのに」「ステージの選択肢が少なければテンポが良かったのに」など、具体的なメカニクスの改善点を書き出します。
メカニクスとは、ゲームの骨組みである構造、ルール、システムのことです。この段階では、自分が感じた不満をどのように改善できるかをアイデアとしてまとめていきます。
アフターで改善されたゲーム体験を描写する
最後に「アフター」の段階です。ここでは、改善されたゲームをプレイした後、プレイヤーがどのような体験や感情を得るかをリアルに描写します。
ビフォアで感じた不満がメカニクスによって解消され、結果としてどんな満足感や新しい楽しみが生まれるのかを具体的に想像してみましょう。
このようにして、「ビフォア型」は、ビフォアで感じた問題を起点に、メカニクスで解消し、アフターで得られる体験を描くという「B⇒M⇒A」のプロセスを通じて、企画を構築していきます。
このプロセスは、特に他のゲームに対する不満や改善点からアイデアを得る方にとって有効です。
そうですね、例えばすぐに何かの改善点を思いついてしまう人や、不満や文句が多いようなタイプの人は、このビフォア型だとザクザクと新しいゲームアイデアが生み出せるはずです。
アフター型・メカニクス型について
このBMA理論では、
アフター型
メカニクス型
という起点が違う型も定義しています。
アフター型のアプローチは、何か理想的なゲーム体験を最初に思い浮かべるところから始まります。
例えば、「こんな瞬間があったら最高に気持ちいいな」とか、「こういう場面でプレイヤーが楽しんでいる姿が目に浮かぶ」という感覚が強くある方に適した方法です。
感性が豊かで、ゲームプレイ中の具体的なシーンや喜びに満ちた瞬間がビジュアルとして脳裏に浮かぶ方は、このアフター型が効果的です。
この場合は、アフターの描写からスタートし、その状況を生み出せそうなシステムやルールを他ゲームなどから参照して引っ張ってきて、メカニクスとして記述し、最後に他ゲームでは味わえていなかった感覚や不満点について描写をします。
メカニクス型の場合は、先にゲームメカニクスから考えるアプローチになります。例えば「マリオカートみたいなシステムを再現したい」という感じで、システムやルール設計からメカニクス欄を記述します。
この場合は、どんなルールやシステムのゲームを創りたいのか?という部分から設計をスタートし、その後に「そのルールで遊んでいると、こんな気持ちを味わえるはずだ」というイメージをアフターとして描写し、最後にそのメカニクスが上手く搭載されていないゲーム体験をイメージしてビフォーを埋める形になります。
ビフォア型で新作ゲームを企画しよう
で、このBMAの3要素に関しては、どの型であっても最終的に3つの要素を全て埋める必要があります。
そう考えた時に、今回の「爆速ゲーム開発」では
ビフォー型
をお勧めします。
なぜなら、ビフォー型だけは
「まずフォートナイト上に実際にアップされているゲームで遊ぶ」
という、具体的に実体化しているゲームからスタートするからです。
それと比べると、アフター型やメカニクス型は、何か他の体験から閃いたり、論理的な思考から生み出される形になりますが、この場合は
より自由で創造的なゲーム企画になりやすい
というメリットの反面、
UEFNで実装できない、または大きな工数がかかる可能性がある
というデメリットがあります。
逆に、ビフォー型で企画すれば、ほとんどの要素は既に実装可能であることが分かっているうえで、自分なりの改善案や変更点だけを追加実装する形になるので、開発工数を大幅に削減できます。
ゲーム企画を考えるフェーズで悩んだり止まったりしてしまう人や、
新しいゲームの企画を考えたのに、制作に異様に時間がかかってしまっている人などは、
ゲームの企画をBMAの3要素に分解する
自分が3タイプのどの型が合っているかを考えてみる
UEFNの場合はビフォー型で企画してみる
というポイントを試してみてください。
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