壁あて

元阪神の鳥谷敬選手が今年3月にロッテ入団が決まったとき、私は本当に嬉しかった。

阪神ファンである私にとって、阪神を16年間支えてくれた鳥谷選手が、本人も納得せずセレモニーもなくという形で引退してしまうというのは、ファンである私にとっても晴れない気持ちがしていた。そんな中でもう一度グラウンドに選手として鳥谷選手が戻ってくることに心からの喜びを感じたのである。


2月からプロ野球のキャンプが始まり、その時に至っても入団チームが決まっていなかった鳥谷選手は、ずっと「壁あて」をして練習をしていたそうである。



野球の試合は少なくとも両チーム合わせて18人いなければ成立せず、練習でもキャッチボールの練習をするためには最低2人いなければできない。

でも今回の鳥谷選手の「壁あて」エピソードを聞いて思ったことは、

やろうと思えば1人でも練習することはできる!

ということである。


もっといえば、練習をする環境がない、とか、一緒に練習をする相手がいない、とかいう理由で練習をしない、努力をしないというのは単なる言い訳にすぎないということである。


努力の本質はやはり、誰かに見られていなくても、誰かの協力がなくても、どんな結果が待ち受けているか分からなくても、たとえ環境が悪くても、それでも自分自身の力で良い結果を信じて能力を磨き鍛えていく過程であると思う。

たとえ最終的には誰かの協力なしには為し得ない結果であったとしても、自分一人でできるできる限りの努力は怠ってはいけないし、そういう努力をできない人のところにはチャンスや周りからの協力は得られない。

そんな「当たり前」のことを、「当たり前」だけど忘れがちなことを、改めて鳥谷選手から教わったような気がする。


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