『工務店の仕事をしている私』(後編)①
大学の建築学科に進学した私は、初めて親元を離れて一人暮らしを始めた。
一人暮らしといっても、寮に近い朝と晩に食事が付いているところだった。
元々、炭鉱のあった街、少しさびれた昭和感の残る街並みを自転車で大学へ通った。
大学では建築の専門授業は好きで、別に教授のご機嫌取りではないけれどいつも1番前の席で授業を受けていた。その割には成績は中の中位だったけど、1番前の席で授業を受けていると言うだけで『古賀さんは賢い』なんて変な噂が噂を呼ぶ状態だった。
内心では、授業についてい