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親の心の状態

不登校になる前から私の精神状態が最悪になっていて、カウンセリング通いを始めていた、というのは以前の記事にチラリと書いた通り。

医療にかかったわけではないので診断はもらってませんが、あれはまあ【うつ】だったな~と自分では思っています。表面上取り繕っていたけど、内側は病的でしたね。今思うと怖いくらいに。

親の精神状態と子どもの精神状態というのは、密接に繋がっていますね。私はそれを、不登校の日々を通じて心底実感しました。私のうつ状態が酷くなってから息子の不登校も始まり、私が元気になっていくにつれ息子も回復していった過程を、この身をもって体験したのです。

ところで、不登校について知っていくうちによく出会う言葉があります。

『親が変われば子どもも変わる』
『親がまず幸せになる』
『お母さん自身が人生を楽しむことを大切に』

という類いの言葉です。

私はそんな言葉を見るにつけ苛立ちを感じていました。

自分の心の状態が悪かったために、特に歪な受け取り方しかできなかったというのもありますが、その言葉に対し、こんな風に感じたんですね。

『今までだって私は私で子育てと自分のことを楽しんでやってきていたはずだ』
『これまでの私が幸せじゃないとでも言いたいの?』
『なんでもかんでもお母さんに押し付けるな!』

とね。

(だいぶ減ってきたとは思いますが、子どもの保護者を指すのに【お母さん】しか書かれていない文献はまだまだ多いです)

うつ状態の頃の私は最上級に弱っていました。

そんな中で起きた息子の不登校の日々は、本当に過酷でした。

うつ状態とまでいかずとも、我が子が不登校になって不安のさなかにいる親御さんは多いでしょう。

不安でたまらない人に

『親が変われば子どもも変わる』
『親がまず幸せになる』
『お母さん自身が人生を楽しんで』

という言葉をかけることは、『無理をしろ』と言っているのと同じこと。

そう思うので、私は元気になった今もこれらの言葉に対して懐疑的です。我が子の不登校で混乱している親御さんの目に、いきなりこんな言葉が飛び込んでくるような使い方はしたくないと思っています。

この言葉で親を励ましている方々を否定する意図はありません。これらの言葉は確かに真実です。親御さんが、それを無理なく実行に移せるくらいの精神状態なら全く問題ない声かけでしょう。

だけどそうじゃなく特に辛い精神状態であれば、まずは親としての自分を責めることなく、不安でたまらない自分にも丸ごとOKを出して、心ゆくまで労うことが先に必要だと思います。今までのどんな自分も、それしかなかった、それで良かったんだと受け入れる。そこからしか、気持ちの回復は始まらないと思います(自分だけでそれが難しいときは信頼できる人と共に、いなければやはり専門家を頼るのが良いでしょう)。そうしてからやっと、『親が変われば子どもも変わる』のスタート地点に立てるというものなのですよ。

私と完全に同じ考えや状況の人は、誰一人いない。

それでも、不登校について誰かと話をするときには、
“誰でも最上級に弱っているかもしれない”
という気持ちを忘れず、大切に接していたいなと思うのです。


不登校についてみんなで話す会

日時:2022年3月1日(火)10:00-12:00

※講座ではありません※
※当事者の方が思いを話し、互いを受け止め合う場です※


2月は中止になってしまいましたが、3月は開催します。

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