自転しながら公転する

山本文緒さんの「自転しながら公転する」

母親の病気の治療に付き添いながら仕事もして、恋愛もして。
「そんなスーパーマンみたいなことできないよ。」
僕もそう思う。

この本を手に取ったときには、自分の父親が病気と闘いながら生きるところと重ね、同じ年ごろの女性の苦悩に興味を持ちました。

この本を読んだ時の僕は、33歳。このくらいになると、自分も親も年をとって、親が弱い存在に見えるときがある。身体のことが心配になってくるわけ。

自分はいわゆる働き盛りの年齢で、自分の中で仕事が占める割合が高くなっていく。
嫁や子どもとも未来やそれぞれの健康と幸せ。考えないといけないことがいっぱい。
スーパーマンにならないと。
そんなことを思う。でも、みんなやってること。
そんな状況を負担に感じるんじゃなくて楽しむ姿勢を忘れちゃいけないね。

物語の内容では、同性として、やっぱり男性側の貫一が気になった。
自分の過去に負い目を感じながらも前向きに生きようとする。それなりに恋もするんだけど、人と一生を共にするには自信をもてない。人のことを大事にしようとするんだけど、言動が不器用。そんな部分もひっくるめて愛してくれようとしている人にも隠し事をしてしまう。

最終的には弱さが分かれにつながってしまう。

たくさん本を読んで勉強することや災害ボランティアに参加していて、僕が経験したことのないような挑戦や、いろいろな人から学ぼうとする姿に人柄の良さを感じていただけに、最後の最後は残念な終わり方だと感じてしまった。

ドラマバージョンも見てみたくなった

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