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打たれ弱いのは、あなただけじゃない。

巷では何をしても続かない、打たれ弱い若者が増えていると言われてるらしい。

傷つきやすいのは、精神が安定していないからで、メンタルが弱いのは甘えみたいな風潮が私は大嫌いだ。人が傷付く基準やポイントは一人一人違うと思うし、悲しいや辛いと感じたら逃げ出したくもなると思う。

私自身そうやって、辛いことから沢山逃げてきたし、逃げる度に逃げ癖や甘さを指摘されてきた。その度に、自分の弱さと無能感に絶望して、どうせ何も続かないんだ、何をしてもやっぱりダメだ、と自分を責めて否定してきた。

でも、どうして自分を責めてしまうのだろうか。

それはやっぱり、心のどこかで、自分にきつい言葉を投げかけた人や逃げ癖を指摘する人が正しいと思っているからで、それを裏付けるかの様に周りの人は小さいことで落ち込まずに、上手くやっている様に見えるからだ。

けれども、誰かの言葉や態度で悲しくなったり傷付いたりする人は、相手の言葉を素直に聞いてそれを全部正しいこととして受け入れているからで、そうやって、人の言葉に真剣に耳を傾けることが出来る人は、誰かが困っていたり悲しんでいたりしたら、きっとしっかりと向き合って、寄り添ってあげられる優しい人なんだと思う。他者に対して、寄り添って貰えたという経験をプレゼントできる力を持っているんだから、寧ろ誇らしく思ってほしい。

だからこそ、本当に自分を傷付ける言葉は信じる価値があるのか、もう一度自分に聞いてみてほしい。難しいかもしれないけれど、その後きちんと相手に自分が傷付いたことや、そういう言われ方や態度をされるのは苦手だということをきちんと伝えてみてほしい。

傷付いても悲しくなってもいいから、被害者にならず相手とちゃんと向き合ってみると、逃げずに済むことが沢山ある。優しくて思いやりに溢れる素敵な自分を、否定しなくて済むことが沢山あるのだ。

私は少し前に勇気を出して、相手の言動に傷付いたことを伝えてみたことがある。相手の言葉が信じるに値するかどうかは、自分の気持ちを伝えて相手の話を聞いてから決めようと思った。

細かいことを気にしすぎて面倒な人と思われるんじゃないかという不安や、普段伝えることに慣れていないから言っていることに自信が持てなくて、話している途中から涙が溢れてきた。それでも必死に伝えた。

そうしたら突然、相手が笑い出した。

私は狐につままれたみたいな気分になって、何がそんなにおかしいんですか?と聞くと、相手は「そんなの当たり前に言われることだし、それが仕事だから。そんなこと気にしないくらい一生懸命になりなさい。」と言ってまた笑った。

自分を否定されたみたいな気持ちになって、帰り道は悲しくて涙が止まらなかった。
ひとしきり泣いて少し冷静になると、ふと、自分が真剣に向き合っているのに、それを笑うのは失礼なことなのでは?と思った。
確かに私は変なことを言っていたかもしれない。けれど人の真剣を笑う人間の言うことや態度に傷付く必要があるのか、分からなくなった。

ただ、私は人の一生懸命を笑う様な人は全然好きじゃないと思ったし、自分とは合わないと思った。そうしたら少しだけ気持ちが軽くなった。

私は人に寄り添って貰えた経験があったから、寄り添ってくれない人が当たり前だとは思わなかったんだろうなあと思って、いつも私に寄り添ってくれる友人に、この経緯となかなか言えていなかった感謝の言葉を、思い切って伝えてみた。

友人は、私がいつも彼女と真剣に向き合ってくれているからだと言って、逆に私にお礼の言葉を伝えてくれた。

私はこういう風に人と向き合っていたいなあ、と思ったし、自分はこのままでいいやと思った。

傷付きやすい人はその分、沢山人に寄り添えばいいと思う。相手がいつもそれを自分に返してくれるとは限らないけれど、必ず自分に寄り添ってくれる人はいる。

そして、悲しくても辛くても、勇気を出してきちんと相手と向き合ってみるといいと思う。それは相手の為じゃなくて、自分が自信を持って人間関係を選択する為だ。真剣に向き合えば、自ずと相手がどんな人か見えてくる。

もし、自分が傷付いたことを伝えて、きちんと理由を説明したり謝ったりしてくれる相手だったら、彼らとの距離はぐっと縮まると思う。もしかしたら、今後も上手くやれるかもしれない。

逆に、それに対して怒ったり馬鹿にした態度を取る様な相手だったら、自分が今後も彼らと付き合っていきたいのか、彼らの言葉は信じるに値するのか考えるいい機会になる。少なくとも私はそんな人たちと付き合いたくないし、彼らの言葉を真に受けて傷付くのも遠慮したい。
もしここで付き合わないや信じないを選択しても、それは逃げたんじゃなくて、自分で距離を置くことを選んだだけだ。真剣に向き合った結果選んだことなのだから、自分の勇気と選択に自信を持てばいいと思う。

打たれ弱いことや、傷付きやすいことは全然悪いことじゃない。優しいあなたは、ありのままで十二分に素敵だ。必要なのは逃げる自分を責めることでも、感情を押し殺して人に合わせることでもなくて、人と真剣に向き合う勇気だと思う。

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