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ジャンププラス #連載部門 作品「ザナドゥおじさん」
【あらすじ】
地獄の扉が開き、日本にある鵜羽根島という小さな島と繋がった。
初めて見るあの世の光景。
気の利いた鬼たちとの交流。
まさかの事態に島外から招集された研究者たちは胸躍らせ、
観光客が増えると島民は踊り、
地獄からやって来た鬼も人間界の文化を喜び学ぶ。
全てが上手くいっているかに見えた。
あの卑劣な罠に、気付くまでは――。
「ザナドゥおじさん③」
【2―1】
遠く波音に乗って聞こえてくる、ラジオの音声。
「午前9時になりました10月8日土曜日のウハウハサステナデイズ。ザックです、ザック忍です。今日はいつものスタジオを飛び出して、鵜羽根郷土料理の店「波風食堂」にお邪魔しています。ここのお勧めはヌメジシカの竜田揚げだそうで……」
研究所内。
検査を受けているデニムに紺のTシャツを着た鬼太郎とワンピース姿の鬼子、そしてその傍らには白衣姿の琴
「ザナドゥおじさん②」
【1―2】
鵜羽根島の中央部に位置する場所にぽつんとある、「小山内」と書かれた一軒の家。そのリビングには家主である小山内保とその妻浩美、そしてホームヘルパーの関ゆかりがいた。
まだ陽は高いはずだが、薄暗い室内だった。
深めのソファーに腰掛け、どこか惚けた様な表情をしている家長の保に、ゆかりは少し屈み込み視線を合わせ「保さん、足、」と話しかけた。
「ん?」
「足、痛くありませんか?」
ゆかりが聞いて
「ザナドゥおじさん①」
【0】
滾る溶岩が流れる地獄の底を、磨かれた革靴を履き真新しい燕尾服に身を包んだ男が鼻歌交じりに、のらりくらりと歩いている。
歳の頃は40歳程度、長髪に無精髭。左足が不自由なようで引き摺るような歩き方。男は溶岩の側を悠々と歩いていたが、背後で鳴る物音に気付き立ち止まった。
そこには直径5㎝程度の球体が無数に転がっていた。表面は灰色でザラザラとしており、一見石の様にも見える。
男はその内の1つを拾
ジャンププラス #読み切り部門 作品「おとうふさん」
【あらすじ】
「おとうふさん」と呼ばれる人造人間を労働力として扱う世界で、
「僕」は父に手紙を書いている。
おとうふさんの素晴らしさを少しでも理解してもらいたいからだ。
あと帰省した時に驚かれないようにするために……。
https://note.com/gake/n/n424e0abe5950?magazine_key=m43777aa3c4ab
小説「彼らは、青椒肉絲をよく食べる」
【あらすじ】
ある日を境に、チンジャオロースを食べている時のみ「何者かの視線」を感じるようになった少年がいた。
彼がその視線の先を辿ってみると……。
読み切り作品本編:
小説「視聴者的配慮」
『この作品はフィクションです。作品内に出てくる人物・団体は実際の人物・団体と全く関係ありません』
巌流島。
海の向こうを見詰めている佐々木小次郎がいる。
『小次郎からのお知らせ。テレビを見る時は離れて見てね!!』
海の向こうから、宮本武蔵が舟に乗って登場。
『地元の漁師の承諾を得て撮影しています』
「待ちかねたぞ、武蔵!」
「待たせたな小次郎!」
「いざ勝負!!」
小次郎、鞘を捨てる。