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「今とは違う学校が求められている 生き方の多様化と学びの多様化」(後半)

昨日の投稿では、私がGAJYUMARUのコンセプトを得る以前に出会い、影響を受けた講演録を紹介しました。

その講演録の中から、「社会の進化とは選択肢が増えること」という箇所を紹介しました。

私は、教育とは目指すべき社会のあり方から発生するものだと考えています。
そのビジョンこそがまず重要だからこそ、昨日の「沖縄を選択肢が増える、生き方が多様化した社会にしたい」という思いを書きました。

では、そんな社会において必要な学びとは?

再度、汐見先生の講演録(「今とは違う学校が求められている 生き方の多様化と学びの多様化」(おるたネット発行))より抜粋します。

学びの多様化

学びの多様化

そういう生き方の多様化を支えるのは、学びの多様化でしょう。あれもしてみたい、これもしてみたい。例えば「一回仕事を辞めて、勉強し直してみたいんだ」とか、あるいははじめから、「アートな世界をやりたい」、「皆をあっと言わせてやりたいんだ」とか言って、そういうことをやるために、小学校のときからアートをいっぱいやらせてくれるような学校に行ってみたい」だとか思うわけです。そういうことを可能にするのが学びの多様化で、さらには学びの場の多様化ってことに広がっていくわけです

今みたいにものすごく変化が早くて、地球の将来がどこに進んでいくか分からないっていうときに、 1種類の人間しかいない社会と、多様な人間がいて、「それだったらこうしたらいいよ」って言ってくれる人や、「そういうことだったら、私に任せてください」っていう人が常にどこかから出てくるような社会と、どっちが社会の変化に強いかっていうことなんです。

今はどういう政治家であろうが、つまり保守的な思想家であろうが、革新の思想家であろうが、社会の変化がものすごくて、これからどうなっていくか分からないような時代です。そういうときに、どんな変化が来たとしても、それに対応する人材が必ずどこかにいますっていう社会のほうがよっぽど安心なんですよね。

国が強いっていうことの中には、軍事力的に強いっていうこともあるかもしれませんが、地球を滅ぼすのに近付くだけであまり意味がないように思うんですよね。それよりもどんな状況になったとしても、しなやかにそれに対応できるような人材が豊かにいますっていうことのほうが実は強いんだと思います。

そうなると、これだけ価値観が多様化して、しかも社会の変化が早くて、近い将来、必ずもう何かとんでもないことが起こるというような時代にあっても、何か夢があるわけじゃないですか。

心配事が増えていくような社会の中で「それでも、こうしたらできるじゃないですか」、「これは自分の得意分野です」っていうことを提案してくれるような若い人が、どんどん出てくる。「そういうやり方があったんだ」って、いままで見たこともないような提案があちこちから出てくる社会のほうが絶対に強い社会なんです。

そういう意味で、多様な人材を育てるというのは現代文化の担い手の多様化っていうことになって、実はそれが大事なことだっていう説の正しさが認められていくはずです。だから、こういう社会になってきたら、社会の中に「こういうことはもう自分たちに任せてください」っていう人とか、小さい時分から土と混じって生きてきて、人間と自然の共存について深く感じていて、「そうしたことについては、いろんな提案ができます」とかいう人たちがたくさん出てこないといけない。

多様な人材を育む学び

これまで私たちのnoteをご覧になった方は、上記の引用がGAJYUMARUと非常に親近性が高いということがお分かりいただけるのではないでしょうか?

私たちは、「沖縄に生まれた子どもたち一人ひとりが自分の人生を描くサポートをすることで、沖縄の未来を切り拓く」をビジョンとしています。

その前提となるのは、「人間は1人ひとり、資質や才能、興味・関心が異なる」ということです。
戦後、工業生産が中心の社会では「同じことを同じように」できる人材が多くいることが質の高い工場労働者を生む上で重要でした。
そして、その時代に非常に適応的だったのが日本人であり、日本の教育でした。実際、日本は1980年ごろは「Japan as No.1」と呼ばれるに至ります。

しかし、今は「同じことを同じように」ではなく、「いかに人と違う発想ができるか?」「『妄想』を形にできるか?」が求められています。
言い換えれば、「1人ひとり違う資質や才能、興味・関心をいかに開花させられるか?」
そこへの適応ないし転換が、日本は足りなかったのではないでしょうか?

それは、今回の冒頭で書いた「どんな社会にしたい」のかというビジョンと、それに合致した教育のあり方が必要なのではという考えにつながっています。

汐見先生のおっしゃられた、

多様な人材を育てるというのは現代文化の担い手の多様化っていうことになって、実はそれが大事

は、私たちが目指す次の社会のビジョンに合致した教育のあり方の1つなのではないかと考えています。
そして、この発想に共感、あるいは親和性の高い方々がメンバーとして集まったなぁと感じています。

また私としては、GAJYUMARUが目指す社会のかたちをもっとクリアにしたいなぁと思っていました。
そこで、メンバーと「次の沖縄を妄想してみよう!」とテーマ設定した回があります。

どんな社会

ということで、次回はその7/19からのお話をご紹介します!どうぞお楽しみに

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9月は極力毎日noteを書いて、GAJYUMARUについて皆さんによくご理解いただけるようにしていきたいと考えています。
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