見出し画像

外資系なら2000万円プレイヤーになれるのか?

前回の記事の続きで、外資系のお金持事情についての2回目です。今回は外資系の給与水準が何故高いのか、給与水準はどのような要因で決まるのかをお話しします。外資系だと誰でも2000万円プレイヤーになれるのでしょうか。

給与水準を決める要因

年収2000万円稼いでいると言うと、ものすごく能力の高いスーパーエリートに聞こえるかもしれませんが、実際には給与水準は能力ではなく環境でほぼ決定されます。Where to Play(どこで戦うか)が決定的に重要。個人的な経験上、給与水準を決める重要な要因は次の4つかなと思います。

・業界(会社)
・職種
・役職
・グレード

業界(会社)

給与水準を決定する最大の要因が業界(会社)です。何故なら企業が従業員に払える給与は、従業員が生み出す付加価値で決まるからであり、従業員が生み出せる付加価値は業界構造(ポーターのファイブフォース分析を参照)でほぼ決まるからです。付加価値が出しづらい業界だと、どれだけ社会的価値が高くても、どれだけ必要な能力が高くても、需給関係でどれだけ供給が不足していても、高給は期待できません。無い袖は触れないからです。

更に言うと、Where to Playを考える時に「業界」という切り口もざっくりし過ぎで、実際には個々の会社単位まで落とし込む必要があります。たとえば「外資系」にしても、外資金融なのか、外資ITなのか、外資製造なのかで給与水準は大きく異なります(この例だと高い順)。更に、外資ITの中でも、ハードウェア系なのかソフトウェア系なのかクラウド系なのかでも異なりますし、外資クラウド系でも、会社によって異なります。

事実、私が最初の外資系テック企業に転職する際には、外資系コンサル会社(BIG4)からシニアコンサルタントとマネージャーポジションでオファーをもらいましたが、提示された年俸は外資系テック企業と比較して300万円(25%)ほど低い金額でした。また、その外資系テック企業から現在の外資系テック企業に転職した時にはOTEベースで40%アップしました。私自身の能力がそれだけ急上昇したのではなく、業界と会社を変えたことで私が生み出せる付加価値も上がったということです。

職種

給与水準は職種でも異なります。同じ会社でも仕事の内容によって給与水準が違います。外資IT関連の職種だと、感覚的には次のような印象です。

プリセールス > 導入コンサルタント > 営業・マーケティング > サポート

一番高い職種と低い職種では1.5-2倍くらいの差がある気がします。とはいえ私自身は各職種の給与を知る立場にはないのであくまでも印象ですが。

役職

IC(Individual Contributor)なのかManagerなのかDirectorなのかも大きな差になります。このあたりは外資系も日系も同じですね。

グレード

日系でもジョブグレードがありますが、外資系でもジョブグレードがあったりします。今、私が働いている外資テック企業だと、同じICであってもジョブグレードによって2-3倍程度の差がつきます。

まとめ

今回は外資系企業での給与水準を左右する4つの要因について解説しました。私の現在の年収である2000万円は、外資系の中でもかなり高額な部類となります。要因としては、クラウドという収益性が高いサービスであること、B2Bのみならずスケールメリットが出やすいB2C向けサービスも提供していること、本社がサンフランシスコにあり、シリコンバレーの超高給な給与水準をベンチマークにしていること、その上で役職やグレード面で一定の評価をしてもらえているあたりが大きいかなと思います。

外資系の各業界や各職種での給与水準に関して、包括的かつ詳細を知りたい人は、ロバート・ウォルターズが毎年行っているサラリーサーベイを読むことをお勧めします。

次回は、外資系企業ならではの給与構成(Compensation Plan)を紹介する予定です。マガジンの購読やフォローも是非お願いします。

参考

5フォース分析とは何か?ポーター教授考案、競争戦略フレームワークの基本
給与調査(サラリーサーベイ)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?