この女、再び台湾にて

やっとフォルモサに戻ってきたのにさ、
やっぱりわたしはまた一人ぼっちみたい

あのときはみんなが空港まで見送りに来てくれてさ、
また会おうねって言ってくれたのに、
わたしがその言葉に期待しすぎただけなのかな

今もみんなが会いたいって言ってくれるけど、
いつになったら本当に会えるのかな

みんなにはみんなの人生があって、
そこにわたしがいないのはやっぱり寂しいけど、

わたしの目の前にも、みんなと同じような人生があって、
一人ぼっちでも目の前の原風景は、わたしが望んで見に来たんだから

もうちょっとだけわたしも強くなって、
この時間を楽しんでみようと思うよ

でも初めて降り立ったときに感じた、あの香りとは違った風が流れているみたいで、

わたしの思い出が、違う意味に塗り重ねられてしまうのが、やっぱりちょっと怖くてさ、

まだ踏ん切りがつかないわたしの背中を押してくれるのは、きっとみんなだと思うのは、ちょっと自分勝手かな

でも、ほら、
やっぱりこの暖かい風はフォルモサなんだよ



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